【医師監修】イライラするのは糖尿病が原因?〜理由や対策を簡単解説〜
当記事の執筆は、シンクヘルスブログ編集部が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
「最近イライラすることが増えた気がする」と思っているあなた。
それはもしかしたら、糖尿病が少なからず影響しているかもしれません。
そこで本記事では、糖尿病が原因で起こるイライラの理由や対処方法をわかりやすく解説します。
最後まで読めば、あなたのイライラが軽減するヒントを得られるかもしれませんよ。
目次
イライラはなぜ起こるのか
イライラが起こる原因としては、『ストレス』『ホルモンバランスの乱れ』『病気』が考えられます。
それぞれの原因にどのようなものがあるのか、具体的にいくつか挙げてみましょう。
イライラが起こる原因 | 原因の詳細(具体例) |
ストレス | ・仕事がうまく進まない ・人間関係がうまくいかない ・環境の変化(結婚、昇進、引っ越しなど) |
ホルモンバランスの乱れ | ・女性ホルモンの影響(月経前/更年期など) ・男性ホルモンの分泌低下(男性更年期など) |
病気 | ・こころの病気(統合失調症/依存症など) ・脳の病気(脳卒中/脳梗塞/認知症など) |
職場の人間関係などとは違い、結婚や昇進は自分自身が望んだ変化なので一見するとストレスとは無縁のように感じますが、じつはどんな環境の変化にもストレスは付きものなのです。
参考記事:【医師監修】更年期はいつからいつまで続くの?症状が出にくい人の特徴も解説
参考記事:【医師監修】糖尿病だと心筋梗塞や脳梗塞になりやすいのはなぜ?~症状も解説~
糖尿病だとイライラしやすい?
治療の一環である生活習慣の改善が日常的にストレスとなり、イライラに繋がることがあるでしょう。
たとえば、食事の制限で好きなものを食べられなかったり、普段していない運動を習慣的にするよう勧められたりします。さらに、インスリン治療を始めると1日のうち決められた時間に自己注射をすることもあり、今までと同じような生活を送ることが難しくなる場合もあります。
「生活習慣の改善によって正常に近づける」とポジティブにとらえられれば良いですが、今までしてこなかった、もしくはしようと思っても面倒で避けていたことをするのは、少なからず負担に感じてしまいますよね。
そのような感情が積み重なって、やがてイライラへと変わるのです。
血糖値とイライラの関係
低血糖の状態になると、イライラするといった精神的な症状があらわれます。
糖尿病の方が薬によって血糖値を下げる場合、とくに服用し始めのころは血糖管理がうまくいかずに、低血糖を引き起こしてしまうことも。
一方で、低血糖になるとイライラだけでなく汗が出たり手が震えるといった症状もみられます。もし、糖尿病治療薬をしようしている方がイライラするほかにもこういった症状がみられる場合は、低血糖を疑いすぐに対処しましょう。
使用している糖尿病治療薬によって低血糖を起こしやすい薬剤、起こしにくい薬剤があるので、現在ご自身が服用している薬剤が低血糖を生じる可能性の高いものかどうか、担当医に確認しておくことも大切です。
また逆にストレスによりイライラすることで、カテコラミンが分泌され血糖値上昇の要因にもなります。
参考記事:とまらないイライラを抑えるには~すぐに使える対処法も紹介~【医師監修】
参考記事:【医師監修】低血糖とはどのような症状?~原因や高血糖についてもわかりやすく解説~
イライラから糖尿病になることはあるのか
イライラから直接糖尿病になることはないでしょう。
ただし、ストレスが原因で暴飲暴食をするなど生活習慣が乱れると、糖尿病につながる可能性はありますので、注意は必要です。
参考記事:【医師監修】糖尿病とはどんな病気?症状・原因・治療などをわかりやすく解説
参考記事:【医師監修】食後高血糖になるとどんな症状が起こる?〜改善方法を紹介〜
性格が変わる・怒りっぽいのは合併症のサインかも
先ほどイライラの原因に関する表で、脳の病気が原因でイライラすることがあるとご紹介しました。
糖尿病になると動脈硬化が起こりやすく、脳の血管に動脈硬化が起こると脳梗塞を引き起こすリスクとなります。
また、糖尿病の方は認知症のリスクが高く、アルツハイマー型認知症リスクは約1.5倍、血管性認知症リスクは約2.5倍にも上るとされています。
脳梗塞や認知症になると感情のコントロールが難しくなって、怒りっぽくなったり以前と性格が変わったと感じたりすることがあるのです。
参考記事:【医師監修】高齢者に多い糖尿病と認知症の関係〜日々の生活で血糖値に気をつけよう〜
参考記事:【医師監修】糖尿病だと心筋梗塞や脳梗塞になりやすいのはなぜ?~症状も解説~
イライラしないための対処法
イライラしないための対処法としては、ストレスを溜め込まないこと、ストレスを和らげる方法を見つけることがオススメです。
バランスのよいライフスタイル
まずは規則正しい生活を送ることです。
バランスよくしっかり食事を摂取すれば、エネルギー不足でイライラするのを防いでくれるでしょう。
また睡眠を十分に取ることは体の疲れを取り除いてくれますし、適度な運動はリフレッシュできてストレス発散に繋がります。
参考記事:コーピングリストでストレスに備える!~具体例100個もご紹介~
リラクゼーションを取り入れる
リラクゼーションはイライラの原因となるストレスを解消するのに効果的です。
ゆっくりお風呂に浸かったりアロマで癒されてみたり、あなたがリラックスできる方法を試してみてくださいね。
参考記事:糖尿病の自己管理を楽にするセルフモニタリング~ストレスを観察しよう~
まとめ
それでは本日のまとめです。
・糖尿病治療のための生活制限、糖尿病の影響による動脈硬化から脳の病気や認知症が起こりイライラすることもある
・イライラしないための方法としては、規則正しい生活習慣とリラクゼーションがオススメ
以上です。
なお、直接的ではなくてもイライラが糖尿病に繋がっていることもあります。
最近イライラするなと感じたら、その原因を考えてみたり、必要であれば病院の受診を検討したりしてみてくださいね。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・血糖値・血圧などの記録がカンタンにできます。日々のダイエットにぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
・社会福祉法人恩賜財団済生会:イライラ
・国立国際医療研究センター糖尿病情報センター(2015):糖尿病とは 認知症
・厚生労働省:知ることから始めようみんなのメンタルヘルス総合サイト