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【医師監修】血圧の平均を知ろう〜年代別にまとめました〜

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血圧の平均を知ろう〜年代別にまとめました〜

当記事は、内科認定医・糖尿病専門医 古賀 萌奈美先生にご監修いただきました。執筆はライター 前間弘美(管理栄養士)が担当しました。*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

「自分の血圧は同年代の人と比べて高いのかな?」

血圧とは血管内の圧力のことです。実は、年齢が上がると徐々に血圧の上がる方は多いです。つまり、年齢ごとに血圧の平均値は変わるのです。

そこで、今回は年代別に血圧の平均をまとめてみました。さらに、高血圧を診断する際の基準値についても解説します。本記事を読めば、あなたの血圧が同年代の平均血圧と比べて高いのか、低いのかがわかりますよ。

血圧の平均を年代別に紹介

年代別血圧の平均

それでは年代別に血圧の平均を紹介いたします。

なお、よく上の血圧と呼ぶのは収縮期血圧(心臓が収縮した時の血圧)で、下の血圧呼ぶのは拡張期血圧(心臓が拡張した時の血圧)のことです。

20代の平均

20代の平均血圧は、男性が116.6/74.5mmHg、女性が108.9/68.4mmHgです。

30代の平均

30代の平均血圧は、男性が119.4/79.0mmHg、女性が110.5/71.3mmHgです。

40代の平均

40代の平均血圧は、男性が127.8/83.6mmHg、女性が118.1/75.8mmHgです。

平均血圧の上昇が顕著にみられるのは、40代あたりからということがわかりますね。40代の平均血圧は、20代の平均と比較すると収縮期血圧が10mmHgくらい上昇しました。

50代の平均

50代の平均血圧は、男性が132.4/86.1mmHg、女性が123.6/78.3mmHgです。

60代の平均

60代の平均血圧は、男性が137.8/85.6mmHg、女性が132.5/80.0mmHgです。

70代の平均

70代の平均血圧は、男性が139.5/81.2、女性が136.3/79mmHgです。

なぜ年齢を重ねると血圧が上がるのか

加齢に伴い血管の弾力性が失われると、血管壁にかかる圧力が高くなり、血圧が上昇します。

さらに、血圧はさまざまな要因で変動します。

たとえば、飲酒・喫煙・肥満・塩分の多い食事といった生活習慣が大きく影響していることが多いです。

そのため、血圧をあげる要因の生活習慣に心あたりのある方は、年代別の平均値よりも血圧が高く出る可能性があるのです。

参考記事:血圧とは〜高い&低いとどう体に影響するかカンタン解説〜

血圧の正常値はどれくらい?

血圧の正常値は一般的に上の血圧(収縮期血圧)が120mmHg、下の血圧(拡張期血圧)が80mmHgと言われています。

上の血圧         下の血圧
正常血圧120未満    かつ    80未満
正常高値血圧120~129    かつ    80未満
高値血圧130~139    または   80~89
高血圧140以上         または   90以上

※単位はmmHg

一方高血圧とは診断されないものの、正常値よりも血圧が高い状態の方は正常高値血圧または高値血圧と診断されます。将来、高血圧になるリスクが高いので注意が必要です

先ほどの平均値をみると、60代くらいからは男女ともに正常高値血圧(血圧130~139/85~89mmHgの範囲)に入ってきます今まで高血圧とは無縁だった方も、この年代に入ってきたら日々血圧や体調を観察するとよいですよ。

家で測る血圧が低い理由

高血圧とは

診察室で測定するよりも、リラックスした状態で血圧が測定できるため、家ではかる血圧は低い値が出る傾向にあり、この値を家庭血圧といいます。

先ほどご紹介した血圧の基準値は、診察室で測定したものの基準となり、家庭血圧はそれよりも5mmHgほど低い値が基準となるのです。

【家庭血圧の基準】

上の血圧         下の血圧
正常血圧115未満    かつ    75未満
正常高値血圧115~124    かつ    75未満
高値血圧125~134    または   75~84
高血圧135以上         または   85以上

※単位はmmHg

なお、最近の研究では脳卒中や心筋梗塞の発症を予測する方法として、診察室血圧よりも家庭内血圧の方が有用であると分かってきました。

そのため、診察室血圧と家庭血圧に差がある場合には家庭血圧での診断を優先します。

静かな環境で朝起床後1時間以内に測定をしましょう。排尿後、1-2分安静後に測定を行います。測定前に降圧薬や朝食、喫煙、飲酒、カフェイン摂取はしないようにしましょう。

できれば1機会で2回測定をし、その平均をとります。

血圧が高い(高血圧)または低い(低血圧)とどうなるか?

血圧上昇による負担

血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかります。

自覚症状がなくても動脈硬化や心臓の肥大が進み、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈などのリスクが高くなるのです。

低血圧の場合は、それによるめまい、ふらつきや失神などの症状がある場合に検査や治療が必要となります。

高血圧の診断基準と症状

高血圧の診断基準は、

診察室血圧値 収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上
家庭血圧値が収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上
24時間自由行動下血圧値が収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が80mmHg以上


です。

高血圧は自覚症状がないことも多いですが、血圧がかなり高くなると頭痛やめまい、肩こりなどが起こることがあります。加えて、手足の動かしやすさや痺れなどの症状がおこることもあります。

症状が出た際に血圧高値を示すようであれば、自己判断せずに病院の受診をすることをおすすめします。

参考記事:高血圧とは~症状や生活習慣での改善ポイントなど分かりやすく解説~

低血圧の診断基準と症状

低血圧

低血圧の基準は、収縮期血圧が100mmHg以下、拡張期血圧が60mmHg以下と言われています。症状としては、立ちくらみやめまい、朝起きるのが辛い、頭痛や倦怠感があるといったようなものが多いようです。

また低血圧は、比較的に男性より女性、特に若い世代の女性が顕著です。女性が低血圧になりやすいのは、女性ホルモンに血管を広げる働きがあることが関係していると考えられています。

低血圧の場合は、基準値より慢性的に低くても、症状がなければ治療の必要はありません。心疾患や脱水、薬剤の副作用、多量出血など病気や薬による二次性低血圧では、それに応じて対処をします。

また基本的には規則正しい生活や、適度な運動・バランスの取れた食事などを心がけていくことが大切になります。

参考記事:高血圧よりも怖い!?急に血圧が下がった時の対処法~症状から予防法までご紹介~

まとめ

血圧は年齢ごとに平均値が異なります。

男性女性
年代上の血圧 / 下の血圧上の血圧 / 下の血圧
20代116.6  /  74.5108.9  /  68.4
30代119.4  /  79.0110.5  /  71.3     
40代127.8  /  83.6118.1  /  75.8
50代132.4  /  86.1123.6  /  78.3
60代137.8  /  85.6132.5  /  80.0
70代139.5  /  81.2136.3  /  79.0

※単位はmmHg

血圧は、全身に栄養や酸素を行き渡らせる働きをもちます。

そして生活習慣などの影響で、年齢を重ねるにつれて平均血圧も上がることが多いです。高血圧は動脈硬化を進行させ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを増加させます。自分の年代の平均血圧を知り、高血圧を招かない生活習慣を心がけましょう。

それでは当記事が、あなたが血圧に気をつけるきっかけになると嬉しいです。

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参考文献
・日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2019(2019)
・厚生労働省 第2部 身体状況調査の結果(2018)

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