大根の栄養と効能〜部分別の成分や効果的な食べ方をわかりやすく解説〜
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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大根は1年中スーパーで見かける野菜の一つで、食卓にもよく登場するのではないでしょうか?
甘くてみずみずしく、サラダでも煮物にしてもおいしく食べられる大根は栄養を豊富に含んだ野菜です。さらに、食べずに捨ててしまいがちな葉にもしっかり栄養を含みます。
今回はそんな大根の栄養について、根や葉など部位ごとの詳しい解説から、効率よく摂る方法までご紹介します。
大根の栄養を余すことなく摂りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
大根の栄養と効能効果
大根は、根と葉の部分で含まれる栄養素が異なり、白い根の部分には主にビタミンC、カリウム、消化酵素、イソチオシアネートが含まれます。
また、葉に含まれる栄養素はビタミンCやビタミンA、ビタミンKです。
さっそく詳しく見ていきましょう。
抵抗力を高めるビタミンC
ビタミンCは、ストレスや風邪などに対する抵抗力を高める働きがあります。
風邪を引きやすくなる冬には、ぜひ取り入れたい栄養です。
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血圧を下げるカリウム
カリウムは余分な塩分を体の外に出す働きがあり、血圧を下げる効果が期待できます。
カリウムは水に溶けやすい性質があるため、生のまま食べると効率よく摂れますよ。
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胃もたれを防ぐ消化酵素
大根に含まれる消化酵素の働きは、食べ物の消化を促すことです。
とくにご飯やパン、いも類などのでん粉食品の消化を助けるので、これらの食べすぎによる胸やけや胃もたれを防いでくれます。
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血栓予防に役立つイソチオシアナート
イソチオシアナートは、血栓予防や殺菌効果が期待できる大根の辛み成分です。
実のところイソチオシアネートの多さは、大根の毛穴(側根)を見るとわかります。
毛穴が斜めになっているものほどイソチオシアネートが多く、まっすぐに並んでいるものは少ないです。
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目の粘膜を正常に保つビタミンA
ビタミンAは目や体の粘膜を正常に保ち、抵抗力を高める働きがあります。また、薄暗いところで視力を保つ働きのある栄養素です。
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丈夫な骨作りに欠かせないビタミンK
ビタミンKは血液を固めるのに必要ですから、不足すると出血が止まりにくくなります。
さらにビタミンKは、骨を作る際にも欠かせない存在です。
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大根に栄養が無いといわれる理由
大根には水分が多く含まれているため、栄養がないと噂されることもあるようです。
生の大根は重量の94%が水分でできています。そのため、カロリーが少なく栄養がない、といわれているのです。
ただし実際のところ、大根にはさまざまな栄養が含まれています。さらに、大根はくせがなく他の食材と合わせやすい特徴があります。
他の食材を組み合わせて食べると、大根に足りない栄養を補え、逆に大根が他の食材に足りない栄養を補う場合もあるでしょう。
いずれにしても、一つの食材ですべての栄養が摂れるわけではありませんので、バランスよく組み合わせて食べることが大切です。
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切り干し大根にすると栄養はどうなるのか
切り干し大根は生の大根と比べると、乾燥させて水分の少なくなった分栄養がぎゅっと凝縮されています。
切り干し大根は、大根を千切りにして天日で干して乾燥させた乾物のことで、保存性に優れています。水で戻してから、煮物等にして食べるのが定番ですね。
生の大根(皮付き) | 切り干し大根(茹で) | |
カルシウム | 24mg | 60mg |
食物繊維 | 1.4g | 3.7g |
※100gあたり |
上記の表をみると、生の皮つき大根と比べてゆでた切り干し大根には、カルシウムは2.5倍、食物繊維は2.6倍含まれます。
切り干し大根は、煮物を小鉢で食べるだけでも十分栄養を摂ることができそうですね。
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大根の栄養を残した効果的な食べ方
豊富に含まれている大根の栄養は、食べ方を工夫するとより効果的に摂ることができます。
では、具体的な食べ方を部位や栄養ごとにご紹介しましょう。
根は生で食べる
大根に含まれる栄養の中でも、ビタミンCと消化酵素は熱に弱く、カリウムは水に溶けだしやすい性質があります。
大根の栄養をできるだけ多く残した状態で体に取り入れるオススメの食べ方は、生で食べることです。
とくに、根の上部にあたる部分は辛みが少ないのでサラダに適しています。
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葉は油で炒める
葉に含まれているビタミンAとビタミンKは油に溶けやすい性質です。つまり油と一緒に食べることで、体に吸収されやすくなります。
大根の葉と油を使ったオススメの食べ方は「ふりかけ」です。
大根の葉を細かく刻み、ごま油で炒めてしょうゆ、白ごまを加えれば大根の葉を使った栄養たっぷりのふりかけが作れます。
ごはんと混ぜて食べると、シャキシャキとした葉の食感が美味しく、くせになるでしょう。
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すりおろす
大根の辛み成分であるイソチオシアネートは、ミロシナーゼという酵素の働きによって作られます。
ミロシナーゼは皮のすぐ下にあるため、皮ごとすりおろすことでイソチオシアネートをより多く作り出し辛みの強い大根おろしができます。
しかし、イソチオシアネートは時間が経つと減る性質をもつため、大根おろしの辛みを活かしたい場合には食べる直前にすりおろしてくださいね。
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大根の葉を使った簡単レシピ
大根の葉には体に大切な栄養が含まれているのに、食べずに捨てられてしまうのはなぜでしょう?
理由の一つとして「どうやって食べたらよいかわからないから」が考えられます。
そこで、以下に大根の葉がおいしく食べられるレシピをご紹介します。
【丸ごと大根のみそ汁】
・大根(葉付きのもの) 1/4本
・油揚げ 1/2枚
・だし汁 400ml
・味噌 大1
【作り方】
①大根は葉と根を分けて、根の部分は皮をむいてイチョウ切りにする
②鍋に水を入れ、火にかける。沸騰したら塩(分量外)を入れ、よく洗った大根葉を3分程、茹でる
③②を冷水にとった後、水気をよく絞って2cm幅に切る
④油揚げはキッチンペーパーで抑え油抜きをして、1cm幅に切っておく
⑤鍋にだし汁と切った大根の根を入れて火にかけ、沸騰したら弱火で15分程度煮る
⑥大根がやわらかくなったら、油揚げを入れて1分加熱する
⑦大根葉を入れ、火を止めたらできあがり
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まとめ
大根はほとんどが水分でできているため栄養がないように思われますが、ビタミンCやカリウム、消化酵素をはじめ様々な栄養が含まれます。
また、捨てがちな葉にもビタミンAやビタミンKといった栄養が含まれているので、葉がついたままの大根を見かけた際はぜひ食べてみてください。
今回紹介しました調理法を参考にすると、大根の栄養を余すことなく摂れますよ。
それでは、当記事を参考に大根を食べて、毎日を健康にお過ごしいただけると幸いです。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース
農畜産業振興機構 今月の野菜 だいこん
厚生労働省 e-ヘルスネット