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長生きの秘訣はある?~食事・運動・睡眠など生活習慣ごとにご紹介~

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長生きの秘訣はある?~食事・運動・睡眠など生活習慣ごとにご紹介~

当記事の執筆は、臨床心理士・公認心理師  石倉美希が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください。

人生100年時代といわれる今、「長生きするなら、できるだけ健康で元気に過ごしたい」と思われる方は多いのではないでしょうか。体の調子が悪くないというだけではなく、心も健康で満ち足りたウェルビーイングの状態が理想といえるかもしれません。

心身ともに健康で豊かな長寿を目指して、今からできることをご紹介します。

生活に取り入れるためのポイントも解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

日本人は長生きって本当?

 日本人は長生きって本当?    

長寿大国といわれる日本。世界の中で日本はトップレベルを維持しています。

厚生労働省の「簡易生命表(令和5年)」では日本の平均寿命は、男性が81.09歳、女性が87.14歳と示されています。

2024年のWHOの発表によると、国・地域別の平均寿命(男女合計)のランキング第1位は日本でした。

日本が長寿である背景要因としては

・医療技術が発展している
・国民皆保険制度により病院にかかりやすい
・健康診断など疾患予防に力をいれている
・和食の低脂質さ

などが関係しているといわれています。

平均寿命と健康寿命

平均寿命は0歳時点での平均余命を示しており、人がどれだけ長生きであるかという指標です。平均寿命と別に、近年重要視されている指標として健康寿命があります。

健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。つまり、平均寿命と健康寿命の差は健康状態に問題がある期間といえます。

令和元年の厚生労働省の発表における日本の健康寿命は、男性72.68年、女性75.38歳となっています。

実は平均寿命と健康寿命には男性で約9年、女性で約12年もの差があるのです(令和元年時点)

どこかに痛みがあったり、寝たきりで自由に動けないといった状態がこれだけ長くつづくとしたら、たとえ長生きをしていたとしても精神的苦痛は相当なものになるでしょう。

近年の傾向

厚生労働省の施策である「健康日本21(第三次)」の基本方針の1つとして、健康寿命を延ばすことが含まれてます。近年の傾向として、2010年から男女ともに、平均寿命と健康寿命の差は縮まってきており、国はさらにそれを後押ししたい考えです。

平均寿命と健康寿命の差が短縮されると、

生活の質の低下が防げる
・医療費や介護給付費などの社会保険負担が軽くなる

といったメリットがあります。

2019年に厚生労働省が「健康寿命延伸プラン」を策定し、2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上(2016年比)延ばし、75歳以上とすることを目指しています。

健康で長生きする秘訣

健康で長生きする秘訣

健康寿命を延ばし長生きするためには、日々の生活習慣を改善し、生活機能を維持・向上させることと生活習慣病の予防に取り組むのが大切です。

日頃から意識すべきポイントを食事・運動・睡眠・メンタルの面からまとめました。

食事

ある特定の食材を食べたから、長生きできるというわけではなく、栄養バランスが整っていることが大切です。また、食事には栄養を取るという役割だけでなく、食事を介した社会とのつながりなどの、精神的健康に与える影響も持っています。

   バランスよく食べ低栄養を防ぐ

主食・主菜・副菜が揃った栄養バランスのよい食事が大切といわれています。

また、加齢に伴って味覚が衰える、噛む力が衰える、飲み込む力が弱くなるという困難さも生じてきます。その結果、食事がうまく取れなくなり、食事量が減少し低栄養状態になるという問題につながるのです。低栄養状態によって、筋肉量が減ると、日常生活における活動量が減り、さらに食欲が低下するという悪循環になりかねません。

「栄養バランスといわれてもよくわからない」という方は、副菜を一品、メニューに追加することから始めてみましょう。

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誰かと食事を楽しむ

1人で食事をする「孤食」はできるだけ防ぎましょう。

孤食になると

栄養バランスが偏る
・食欲が低下する
・コミュニケーションの機会が減る

といった問題が生じやすくなります。

誰かと共に食事や会話を楽しんで、食事の時間を豊かに過ごせるよう意識してみましょう。

運動

老化に伴って、身体機能や体力は低下していきますが、活動的な人や日頃から運動をしている人は、その低下スピードを緩やかにできるといわれています。

運動によって、血流が改善されると、内臓の働きもよくなります。消化機能が改善することで食欲増進につながるという好循環が生まれるのです。

厚生労働省の「健康日本21」では今よりも10分間、多く体を動かすよう推奨しています。

忙しくて運動のための時間を取れないという方も、日常生活の中で少しだけ積極的に体を動かすことを意識したいですね。

運動量の指標として確認しやすい歩数をチェックし、記録するのもオススメです。

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睡眠

睡眠

睡眠は体を回復させるための休養です。よい睡眠には、睡眠時間(量)と睡眠による休養感(質)の両方が重要といわれています。

現代は仕事・家庭・趣味などによって慢性的な睡眠不足になりがちです。個人差もありますが、6時間以上の睡眠時間を確保しましょう。

睡眠時間が確保できていても、体や心が休まったという休養感が得られていない場合は要注意です。睡眠の質には、光・温度・音などの環境要因や日中の活動量、カフェイン・お酒・たばこなど嗜好品との付き合い方も影響してきます。

寝る直前だけでなく、1日の過ごし方自体を見直して、質の高い睡眠を目指しましょう。

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メンタル

健康で長生きとは、身体に調子が悪いところがなく、寿命が長いことといえますが、加齢に伴う身体機能の低下などによって、体の調子を完璧に維持するのは難しいでしょう。

そこで重要なのがウェルビーイング(※)です。※詳しくは関連記事をご参照ください。

多少体の調子が悪くても、自分らしい生活を送れているという感覚が持てれば、人生への満足度はアップしそうですよね。

ウェルビーイングな状態を目指す方法の1つとして、人とのよい関係を作ることが挙げられます。社会の中で役割を持ち、人とのつながりがあると、認知症予防にもなると明らかになっています。

趣味を楽しんだり、ボランティアとしての活動などがあると、そのコミュニティの中で関わりを作れるかもしれません。

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番外編~控えるべき習慣~

お酒の飲みすぎや喫煙は長生きには大敵であり、控えるべき習慣といえます。

過度の飲酒

過度の飲酒は、脳血管障害・骨折・認知症のリスクを高めるといわれ、これらは寝たきりにつながる主要な疾患です。若い頃からストレスをお酒で発散する習慣がついている人が、定年退職したり、配偶者が亡くなるなどの変化を経験すると、酒量が増え節制できなくなる場合もあります。

若いうちから、飲酒以外の方法でストレスとうまく付き合う術も身に着けていきたいですね。

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喫煙

たばこを吸っている人はがん、心疾患、脳血管障害などのリスクが高く、これらによって死亡率が増加するといわれています。肺がん以外のすべてのがんについても、たばこを吸う人は吸わない人にくらべて約1.5倍がんになりやすいというデータもあります。

また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症リスクも肺がんに比べて非常に高いのです。COPDが進行すると、酸素の取り込みや二酸化炭素の排出機能が低下し、酸素機器や人工呼吸器を使った治療が必要になる場合もあります。COPDは死亡原因となりうるだけでなく、生活の質(QOL)にも大きく影響を与える疾患です。健康寿命を長く保つためにも、早いうちから禁煙にチャレンジしましょう。

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長生きにはフレイル予防を

長生きにはフレイル予防を

フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間のことを指します。フレイルの予防に早期から取り組むことで、少しでも健康な状態を長く保つことが重要です。

フレイルは身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会的フレイルの大きく3種類に分類されます。

身体的フレイル

運動器の障害によって、立つ・座るなどの移動機能が低下したり(ロコモティブシンドローム)、荷物を持つ・体幹を支えるといった筋肉が衰えたり(サルコペニア)する状態です。身体的フレイルによって、疲れやすくなって活動量が落ち、エネルギー消費量が減ります。あまり動かないために空腹を感じにくく、食欲が低下すると慢性的な栄養不足につながり、結果としてサルコペニアを悪化させる悪循環(フレイルサイクル)がおきるのです。

精神・心理的フレイル

定年退職を迎えたり、パートナーを失ったりすることで気持ちの落ち込みが強くなり、うつ状態や軽度の認知症状態(MCI)になることを指します。

気持ちの落ち込みに関して自覚がなくても、何もする気力がわかない、物事の決断に時間がかかるといった、普段の生活を送る上でのささいな支障が精神・心理的フレイルの入口になっているかもしれません。

社会的フレイル

高齢になり、独居となったり体力や気力の低下から外出の機会が減ることで、社会とのつながりが減る状態を社会的フレイルといいます。社会的フレイルが生じると、身体機能と認知機能の低下にもつながるというデータがあります。

他の2つのフレイルが生じるきっかけとも考えられており、日頃から他者との関わりを持ち、社会参加していくことが心身の健康維持に大きく関与しているといえますね。

生活習慣を変えるのは難しい?

生活習慣を変えるのは難しい?

健康で長生きするための生活習慣を知っていても、なかなか行動に移せないものですよね。健康のために少しでもいいから何か変えたいと思ったとき、まずチャレンジしてみて欲しいのがセルフモニタリングです。

記録するとわかる「自分の傾向」

セルフモニタリングとは、自分のことを観察し記録することです。観察するのは、食事・運動などの行動や体重・血圧・血糖値などの生理的指標やストレスなど、関心のある事柄でOKです。何か行動を起こす一歩が出なくても、まずは記録をしてみると自分の傾向をつかみ、何をすべきかが見えてくることがあります。

やみくもにチャレンジするよりも、健康への近道かもしれませんよ。

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まとめ

長寿の秘訣は、平均寿命と健康寿命の差をいかに短くしていくかがカギとなります。

不健康な期間やフレイル(健康な状態と要介護状態の間)を予防する生活習慣を早いうちから実践することで、ただ寿命が長いだけでなくウェルビーイングな状態を目指せるでしょう。

ポイントとなる生活習慣の工夫としては、

食事:バランスよく食べ低栄養を防ぐ、誰かと食事を楽しむ
運動:今よりも10分間多く体を動かす
睡眠:質の高い睡眠を十分に取る
メンタル:趣味やボランティア活動などを通じ、社会とのつながりを維持する

などがあります。

すぐに生活習慣を変えるのは難しいという方は、まずご自身の生活習慣に関わる行動や数値をセルフモニタリング(記録)してみましょう。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

糖尿病の記録 体重の記録 血圧の記録 生活習慣病の管理はシンクヘルスで一括管理

参考文献
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
厚生労働省 e-ヘルスネット
厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況
厚生労働省 いつでもどこでも
厚生労働省 健康長寿に向けて必要な取り組みとは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ
厚生労働省 健康日本 21(第三次)推進のための説明資料
岡崎(2017).  健康寿命を延伸する運動の効果  日本生理人類学会誌  22 (1).  2. 39 – 44.
WHO Life expectancy at birth (years)

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