ストレス発散方法がわからない方へ~見つけ方・すぐ使える具体例~
当記事の執筆は、臨床心理士・公認心理師 石倉美希が担当しました。
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ストレスが溜まっていると、どうにかして「ストレス発散したい」と思うのは当然ですよね。しかし、何をしたらストレスが発散できるのかと聞かれると、答えられない方も多いのではないでしょうか。
忙しい毎日の中ですから、自分にあった効果的な方法でストレスを発散しましょう。
ストレス発散方法がわからないという方でも、見つけ方からすぐ使える具体例まで丁寧に解説します。ぜひ最後までお付き合いください。
目次
自分にあったストレス発散方法を見つけるコツ
ストレス発散方法を見つけるには、理解する・リストアップする・試してみるの3つの準備が大切です。
STEP1:ストレスを理解する
まずは今どんなストレスを抱えているのかを考えてみましょう。ストレスの要因(ストレッサー)は1つではなく、複数のストレッサーが複雑に影響し合った結果、ストレス反応として体や心の不調につながるといわれています。
ストレッサーを完全に取り除くのは難しいですが、ストレスの要因がわかると、適切な発散方法を選ベます。
関連記事:ストレスで起こる体や心の異変~生活習慣病への影響も解説~
STEP2:発散方法をリストアップする
次はストレス発散になりそうな方法を、できるだけたくさんリストアップしてみましょう。リストアップするときのコツは効果があるかどうかを考えないことです。
ストレス発散のアイディア数を多く出すのを意識してみましょう。効果の判断を先送りにすることで、いつもだったら選ばない新しい方法を見つけられるかもしれません。
ストレス発散のレパートリーが少なく、いつも同じ方法ばかりだという人にも効果的です。
関連記事:コーピングリストでストレスに備える!~具体例100個もご紹介~
STEP3:リストを試してみる
リストが出揃ったら、ひたすら試していきましょう。取り組みやすいものからチャレンジするのがオススメです。試してみたら、ストレス発散になったかどうか感想などをメモしておくと、自分に合った方法を厳選できます。
一度試してみて効果がないと感じたときも、すぐにリストから消さずに残しておきましょう。ストレスの原因が違ったり、そのときの自分の状態によっても効果的なストレス発散方法は変わる場合があります。
すぐに使えるストレス発散方法~場面別~
「これ以上ストレス発散方法が思いつかない」という方は以下の具体例をぜひ参考にしてみてください。1日の過ごし方に合わせたストレス発散方法の例をご紹介します。
起床後~移動中
起床直後は、日中に比べると感情の高ぶりは起こりにくいでしょう。
1日の予定を想像して、憂うつになるのが予想されますので、お気に入りのもので自分の気持ちを高めたり、活動のスイッチを入れるような行動がオススメです。
・ストレッチなどの軽めの運動をする
・日光をしっかり浴びる
・温かい飲み物を飲む
・休日の楽しい予定を立てる
関連記事:仕事に行きたくないときの乗り越え方!~行きたくない理由も解説~
仕事の合間
仕事中は時間管理や仕事の責任など、プレッシャーを感じやすい状況にもかかわらず、ストレス発散にかけられる余裕のない方が多いでしょう。
休憩中や仕事の合間に短時間で、できるような行動がオススメです。
・書類を整理し、シュレッダーにかける
・階段を使って移動する
・腹式呼吸をする
・ハンドクリームを塗りながら手をマッサージする
帰宅中
日中のストレスをできるだけ家に持ち帰らないためには、帰宅中にストレスをリセットするのが大切です。オンオフをつけるために、あえて何もしないようにしたり、逆に話したり、書き出して整理したりするのもよいでしょう。
・少しだけ遠回りして帰る
・ぼーっとする
・家族や友人と連絡を取る
・頭の中の考えをスマホのメモに書き出す
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帰宅後~就寝前
帰宅後から寝る前まではリラックスできる行動でストレスを発散しましょう。質の高い睡眠を取るのも、ストレス解消には大切です。強度の高い運動や刺激的な内容の動画視聴などは避けておきましょう。
・ゆったりと湯舟につかる
・食事を一口ずつ味わって食べる
・間接照明を使い、部屋の明るさを暗めにする
・マインドフルネス瞑想をする ※やり方は以下の関連記事をご参照ください。
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休日
平日にはなかなかできない、アクティブなストレス解消方法にチャレンジしてみませんか。あえて時間をかけることで、リフレッシュできます。何かに没頭できるのも休日ならではですね。
・初めての街を探索する
・広い公園で緑を見ながら運動する
・家の中をピカピカに掃除する
・映画館で映画を見る
要注意!オススメできない発散方法
健康や生活を乱すような方法は、ストレス発散方法としてオススメできません。
嗜好品の摂りすぎ
お酒・たばこ・甘いものなどはストレス発散の手段として取り入れている方も多いでしょう。しかし、どれも摂りすぎては健康を害するリスクが高まります。ご自身の体調をよく把握し、適切な範囲で楽しむようにしましょう。
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お金をたくさん使うこと
ショッピングやギャンブルは、思うような成果が得られたときに出る幸せホルモンのドーパミンの影響から、ストレス発散になると感じる方が多いといわれています。
しかし、その効果はいずれも長くは続かず、さらに強い刺激を欲するようになるのが特徴です。また、得られる刺激の強さから「またやりたい」と思わせる力が強い行動といえます。
衝動的な決断をしてしまうと、後悔してしまうことも。まずはあまりお金のかからないストレス発散方法を取ってみましょう。
ストレスが溜まるとどうなる?
ストレスが溜まり続けると、ストレスから身を守るためにストレス反応が出ます。ストレス反応は体や心のさまざまな不調として現れる場合が多いのです。
心身に不調が出てからストレスへ対処しようとしても、心身の回復は遅くなってしまう傾向があります。日頃からストレスに気づき、溜めないよう早めに対処するのが重要です。
日常生活に支障があるときは専門家と相談を
自分でできるストレス解消法を試しても、
・仕事などの社会生活に影響が出ている
という場合には、早めに医療機関を受診し、専門家と相談するのがよいでしょう。
「こんなことくらいで相談してもいいのかな」と悩んでいたら、電話やSNSによる相談窓口を活用するのもよいでしょう。
参考リンク:厚生労働省 電話相談窓口 まもろうよ ここ
まとめ
ストレス発散方法を見つけるには以下の3ステップから始めてみましょう
STEP2:発散方法をリストアップする
STEP3:リストを試してみる
自分が今どんなストレスを感じているのかを理解すると、自分に合ったストレス発散方法を見つけやすくなります。ストレス発散方法のバリエーションを増やしたい場合は、できるだけ数を多くリストアップし、どんどん試してみましょう。
1日の過ごし方に合わせたストレス発散方法もぜひ使ってみてくださいね。そのときに置かれている状況に合わせた方法を使うことで、効果的にストレスに対処できるはずです。
嗜好品の摂りすぎやお金をたくさん使うような方法は、一時しのぎにしかならないこともありますので、注意してください。
いろいろな方法を試してもストレス発散できない、心身の不調があるという場合には、早めに専門家へ相談しましょう。
こうした不調に早く気づくためには、日頃から体や心の調子を記録しておくのがオススメです。
本記事がストレス発散方法を見つけたいあなたのお役に立ちますと幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や血圧の記録だけでなく、メモで出来事や考えたことを自由に記録できます。日々の健康管理でぜひ活用してみてくださいね。
参考文献:
厚生労働省 こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
文部科学省 在外教育施設安全対策資料【心のケア編】第2章 心のケア 各論
東邦大学生物学科 ストレスと脳
とうきょう健康ステーション