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水溶性ビタミンの働き~9種類それぞれの効果や含まれる食べ物も紹介~

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水溶性ビタミンの働き~9種類それぞれの効果や含まれる食べ物も紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士  前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

ビタミンは健康によい栄養素だ、と知っている方は多いでしょう。

さらに、ビタミンには水溶性と脂溶性がある、と知っている方はかなり栄養に詳しい方といえます。

そこで今回は、水溶性ビタミンについてお伝えいたします。脂溶性との違い9種類の水溶性ビタミンの効果についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

水溶性ビタミンとは

水溶性ビタミンとは、その名のとおり水に溶けやすいビタミンです。

そもそもビタミンとは、わずかな量で体内の生きていくために必要な働きを調整する栄養素です。体内では合成されないか、されても必要な量を満たせないので、食品から摂取する必要があります。

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脂溶性ビタミンとの違い

脂溶性ビタミンとの違い

脂溶性ビタミンとの違いは、水に溶けやすいか脂質に溶けやすいかという点です。

脂溶性ビタミンは脂質に溶けやすいため、適度な量の脂と一緒に摂取することで吸収がよくなります。また多く摂ると肝臓に蓄えられるので、不足しにくいです。

一方で、水溶性ビタミンは水に溶けやすく、尿に排出されることから不足しやすい栄養素です。そのため水溶性ビタミンはまとめてではなく、こまめに摂ることをオススメします

9種類の水溶性ビタミンの働きについて

水溶性ビタミンには、8種類のビタミンB群ビタミンCがあります。

【ビタミンB群】
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ナイアシン
・ビタミンB6
・ビタミンB12
・葉酸
・パントテン酸
・ビオチン

 

それぞれの働きをみていきましょう。

ビタミンB1

ビタミンB1は、糖質からのエネルギーづくりを助ける働きがあります。

そのためビタミンB1が不足すると糖質をエネルギー源とする脳や神経の働きが悪くなり、脚気やウエルニッケ脳症を引き起こす可能性も。

とくに、

・運動量が多い
・糖質の多いものをよく食べる
・お酒をたくさん飲む


といった習慣に当てはまる方は
ビタミンB1の必要量が増えるので、不足しないよう意識しましょう。

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ビタミンB2

ビタミンB2

ビタミンB2は、糖質や脂質がエネルギーになるのを助けます。つまり、エネルギーをたくさん消費すると、ビタミンB2の必要量も増えるのです。

またビタミンB2は皮膚や粘膜の健康を維持する働きもあるため、不足すると皮膚炎を起こすことがあります。

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ナイアシン

ナイアシンは、糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーをつくる働きの助けとなります。

さらに、皮膚・粘膜・脳神経の健康を維持する栄養素でもあり、不足するとペラグラ(※)という病気や口内炎になることも。

(※)皮膚炎や下痢、神経障害が起こる

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ビタミンB6

ビタミンB6

ビタミンB6は、たんぱく質の分解や再合成に利用されるため、肌荒れ予防に有効といわれています。

さらに、ビタミンB6は神経伝達物質の合成に必要な栄養素です。神経伝達物質は気持ちの安定や、体内時計の調整などにかかわります。そのためビタミンB6を十分に摂ることで、気持ちを落ち着かせる助けになる可能性があります。

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ビタミンB12

ビタミンB12は葉酸と共に、赤血球をつくる働きがあります。

そのためビタミンB12や葉酸が不足すると、正常な赤血球ができず貧血を起こしてしまうのです。

葉酸

葉酸

くり返しになりますが、葉酸はビタミンB12と赤血球をつくります

さらに、葉酸は胎児の発育にもかかわる栄養素です。というのも妊娠初期に胎児の神経管の形成には、葉酸が必要だからです。

葉酸が不足すると胎児の神経管の形成がうまくいかず、二分脊椎(※)や無脳症といった先天異常が発症しやすくなります。そこで妊娠を希望している女性や妊婦さんは、十分な量の葉酸を摂ることが推奨されています。

(※)本来脊椎によって守られている脊髄がなんらかの理由で脊椎によって覆われない状態になること

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パントテン酸

パントテン酸は糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーをつくる働きの助けとなる栄養素です。

またパントテン酸は善玉コレステロールを増やし、ホルモンや抗体をつくる働きにもかかわります。そのため、パントテン酸は私たちの体の成長や健康維持に必要なのです。

パントテン酸はさまざまな食品に含まれる上に腸内細菌からも合成できるため、通常の食生活をしていればめったに欠乏することはありません。

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ビオチン

ビオチンは、糖質・脂質・たんぱく質がエネルギーに変わる働きを助け皮膚や髪の毛の健康維持にかかわります。そのため不足すると、皮膚炎や脱毛を引き起こすことも。

ちなみにビオチンは生の卵白に含まれるアビジンとくっつくことで、吸収が妨げられます。ビオチンを積極的に摂りたい時は、卵は生でなく加熱して食べるとよいでしょう。

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ビタミンC

ビタミンC

ビタミンCは強力な抗酸化作用をもつため、皮膚や血管の老化を防ぐといわれています。

また、ビタミンCは肌や血管、軟骨などの材料となるコラーゲンの合成に必要な栄養素です。そこで長期間不足すると、筋肉の減少や出血を引き起こす壊血病を引き起こします。

ヒトは体内でビタミンCを作れないので、食事から摂る必要があります。実は、多くの動物は体内でブドウ糖からビタミンCを合成できるため、不足する心配がありません。私たちはビタミンCが不足しないよう、こまめに食事から摂取しましょう。

ビタミンの多い食べ物ってあるの?

ビタミンの種類によって異なりますが、ビタミンの多い食べ物はあります。

【水溶性ビタミンの多い食べ物(1食あたり)】

ビタミン名多い食べ物(1食あたりの目安量)
ビタミンB1玄米ご飯(1杯)・モロヘイヤ(1/2束)・うなぎのかば焼き(1/2尾)・豚ヒレ肉(60g)
ビタミンB2納豆(1パック)・ブリ(1切れ)・豚ヒレ肉(60g)・鶏レバー(焼き鳥2本)・牛乳(200ml)
ナイアシンまいたけ(1/2袋)・かつお(刺身3切れ)・まぐろ(刺身3切れ)・鶏むね肉(60g)
ビタミンB6にんにく(1かけ)・バナナ(1本)・アボカド(1/2個)・まぐろ(刺身3切れ)・鶏ささみ(1本)
ビタミンB12焼きのり(1枚)・あさり(8個)・しじみ(12個)・さんま(1尾)・牛レバー(60g)
葉酸納豆(1パック)・ほうれん草(1/4束)・ブロッコリー(50g)・モロヘイヤ(1/2束)・鶏レバー(焼き鳥2本)
パントテン酸玄米ご飯(1杯)ひきわり納豆(1パック)・鶏レバー(焼き鳥2本)・牛乳(200ml)
ビオチンきなこ(大さじ2)・ごま(大さじ1)・ピーナッツ(10g)・鶏レバー(焼き鳥2本)・卵(1個)
ビタミンCじゃがいも(小1個)・赤ピーマン(1個)・ブロッコリー(50g)・キウイ(黄色・1/2個)・いちご(3個)

上の表からわかるように、ビタミンはいろいろな食べ物に含まれます。つまり、さまざまな食べ物を摂るように心がけると、自然と多くのビタミンを摂れるようになるのです。

水溶性の効果的な摂り方

水溶性の効果的な摂り方

水溶性ビタミンは、サラダなど生で食べられる料理スープ・汁物のように汁ごと食べられる調理法で効果的に摂れます。なぜなら水溶性ビタミンは水に溶け出すだけでなく、熱で壊れるものが多いからです。

スープや汁物は加熱によって壊れるビタミンはあるものの、食材に残ったビタミンと汁に溶け出たビタミンの両方を摂取できるので効率的といえますね。

また食材は新鮮なものを選び日光を当てないよう保管すると、ビタミンを多く残せます。

さらに調理する際は、

・切る前に洗う
・大きく切る
・高温ですばやく加熱する
・電子レンジを活用する
・ゆでる際は早くゆで汁から引き上げる

 

といったコツをおさえると、ビタミンの損失を減らせるでしょう。

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過剰摂取するとどうなるのか

通常、水溶性ビタミンは尿に排出されるため、過剰摂取してもあまり大きな影響はありません

ただしナイアシン・ビタミンB6・葉酸をサプリメントで摂りすぎると、過剰症を引き起こす可能性があります。

ビタミン名症状
ナイアシン皮膚が赤くなる・嘔吐・下痢
ビタミンB6不眠・足の痺れ・神経障害
葉酸発熱・じんましん・呼吸困難

なおビタミンB2は摂りすぎると、尿の色が黄色やオレンジ色になることがあります。これはビタミンB2の色なので、とくに問題ありません。

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まとめ

以上、水溶性ビタミンにはビタミンB1・ビタミンB2・ナイアシン・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸・パントテン酸・ビオチンの8種類のビタミンB群と、ビタミンCがあるとわかりました。

水溶性ビタミンは水に溶けやすいため体内に貯められず、こまめに摂る必要のある栄養素です。とはいえ、健康な方はさまざまな食品を摂るように心がけていれば、欠乏症になることはほとんどありません。

サプリメントなどで補うのも1つの方法ですが、まずは1日3食主食・主菜・副菜と果物や乳製品を食べることからはじめることをおすすめいたします。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは、かんたんに食事の記録ができます。体重や運動の記録もできるので、ぜひあなたの健康管理にお役立てください。

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参考文献
実教出版 オールガイド食品成分表2023
J-STAGE ビタミン総論
一般社団法人 日本脊髄外科学会 二分脊椎

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