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自律神経を整える食べ物&飲み物について解説~おすすめも紹介~

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自律神経を整える食べ物&飲み物について解説~おすすめも紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

仕事や時間に追われ、忙しい生活を送る方の多い現代。日々の仕事や生活の中でイライラすることも、増えたのではないでしょうか?

そんなとき身近な食べ物や飲み物で、イライラが解消できるとうれしいですよね

イライラする原因はさまざまで、そのうちの1つは自律神経の乱れといわれています。自律神経とは呼吸などの生命活動を維持するために、1日中働き続ける神経のことです。

私たちの体は自律神経の働きなしでは、快適に生活することができません。しかし自律神経は不規則な生活や運動不足などが続くと、働き方がわからなくなってしまいます。その結果自律神経が乱れ、自律神経失調症へとつながるのです。

そこで今回は、自律神経を整えて気持ちを落ち着かせる効果の期待できる食べ物や飲み物を紹介いたします。

自律神経を整える食べ物や飲み物とは

環境などの変化に合わせて、自分自身が生きる上で快適な状態に整えるサポートをしてくれる食べ物や飲み物のことです。

自律神経はあらゆる臓器の働きを制御し、ストレスや環境の変化などに応じて体を微調整しながら、全身を最適な状態に保っています。

自律神経ってなに?

自律神経ってなに?

自律神経とは、文字どおり自律的に働く神経です。自律神経は私たちの意思とは関係なく、呼吸・体温・血圧・心拍・消化・代謝・排尿・排便など、生きていく上で欠かせない生命活動を維持するために24時間365日、休むことなく働き続けています

なお、自律神経には交感神経と副交感神経があります。

交感神経と副交感神経

交感神経は頭や体を適度な緊張状態にし、仕事や勉強、運動をしやすく整えてくれます。副交感神経は頭や体をリラックスさせ、消費したエネルギーを蓄えたり疲れをとったりする働きがあります。

交感神経と副交感神経はどちらも大切な働きをもつため、1日を通してメリハリのよく動くのが理想です。

交感神経と副交感神経

参照:J-STAGE 24時間の自律神経活動リズム

しかし、私たちはストレスを受けると交感神経が優位になります。交感神経の優位な状態が長時間続くとリラックスする暇がなくなり、イライラします。そのため、忙しく交感神経が優位になっていると感じたら、副交感神経を優位にするとよいのです。

参考記事:ストレスで起こる体や心の異変~生活習慣病への影響も解説~

精神を安定させる働きの期待できる栄養成分

リラックスした(交感神経の働きを抑え、副交感神経優位になる)状態を保つ働きが期待できる栄養成分を紹介いたします。

GABA

GABA

GABAはアミノ酸の1つです。GABAは私たちの体の中で神経伝達物質(※)として、脳の興奮状態を抑え、精神を安定させる役割があります。

(※)神経細胞から他の細胞へ情報を伝える物質のこと

実際に、気持ちの落ち込みなどがあり精神の不安定な方は健康な方と比べて体内のGABA濃度が低い、という研究結果の報告も。

トリプトファン

トリプトファンはセロトニンやメラトニンという神経伝達物質の材料となるアミノ酸です。

セロトニンは他の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。

メラトニンは日々の睡眠や体温、ホルモン分泌といった体内時計の調整にかかわります。

たんぱく質・ビタミンB6

たんぱく質はアミノ酸がたくさん集まったものです。つまり、アミノ酸を摂取するにはたんぱく質が豊富な食材を摂取するのがよいといえます。

そしてたんぱく質を分解し、セロトニンなどの神経伝達物質を合成するにはビタミンB6が必要です。ちなみにビタミンB6は、穀物・野菜・果物・肉・魚などさまざまな食材に含まれます。そのため、主食・主菜・副菜がそろったバランスのよい食事を意識すれば自然と摂取できるでしょう。

カルシウム

カルシウム

カルシウムには脳の興奮を抑える作用があります。そこで「カルシウムが不足するとイライラする」といわれることが多いようです。

ところが、私たちの体には血液中のカルシウムを一定に保つシステムがあります。そのため血液中のカルシウムが減ると貯蔵庫である骨から補填され、逆に血液中のカルシウムが多すぎると骨に貯蔵されるほか尿中に排出されます。

つまり、カルシウムを摂らないとすぐにイライラし始めるわけではありません。しかし、骨中のカルシウムが減って骨がもろくなる可能性はあります。カルシウムは適量摂取しましょうね。

テアニン

テアニンはお茶に含まれるアミノ酸で、リラックス作用やストレス軽減作用をもつ可能性があります。

動物を対象とした研究において、ストレスを感じる環境下で飼育したマウスはホルモン分泌の変化などのストレス反応がでました。しかし、同じ環境下でもテアニンを摂取したマウスはホルモン分泌のリズムが崩れなかったのです。

n-3脂肪酸

n-3系脂肪酸を十分に摂ることで、精神疾患の発症予防や進行遅延、改善が期待されています。

というのも、n-3系脂肪酸のDHAの低下が精神疾患の発生要因と考えられているからです。また、平均年齢88.5歳の高齢者を対象とした研究では、DHAを補充することでやる気が向上した、という報告もあります。

気持ちを落ち着かせる食べ物

気持ちを落ち着かせる効果の期待できる食べ物は、野菜・果物・発酵食品・魚・肉・乳製品・大豆製品などがあげられます。

野菜・果物・発酵食品

野菜・果物・発酵食品

野菜や果物、発酵食品にはGABAが豊富に含まれるといわれています。

GABAはとくにトマトやメロン、漬物などに多いそうです。そこで、トマトやメロン、漬物を食事に取り入れると脳の興奮を抑え、気持ちを落ち着かせられる可能性があるといえます。

なお、最近ではGABAが豊富に含まれるトマトジュースも販売されています。間食などに手軽に取り入れられるので、オススメですよ。

参考記事:高血圧にトマトジュースがよいといわれる理由~デメリットや飲み方も〜

魚・肉・卵・乳製品・大豆製品

魚・肉・卵・乳製品・大豆製品

魚や肉、卵、乳製品、大豆製品といった、たんぱく質の豊富な食品にはトリプトファンが多く含まれます。またこれらの食材にはビタミンB6も含まれるので、たんぱく質を神経伝達物質であるセロトニンに分解し、精神を安定させる手助けとなるでしょう。

さらにアジやサバ、イワシなどの青魚には、n-3系脂肪酸であるDHAも豊富です。

毎日日替わりで、昼食に魚や肉、卵、乳製品、大豆製品を取り入れると気持ちを落ち着かせて午後からの仕事に取り組めそうですね。

参考記事:オメガ3脂肪酸とは?~健康効果やオススメの摂り方をシンプルに解説~

気持ちを落ち着かせる飲み物

気持ちを落ち着かせる効果の期待できる飲み物は、牛乳・緑茶があげられます。

牛乳

牛乳

牛乳はカルシウムが豊富なので、脳の興奮を抑え穏やかな気持ちになる手助けとなるでしょう。牛乳はトリプトファンやビタミンB6も含まれるので、さらに精神を安定させる効果が期待できます。

牛乳を飲むだけであれば、食べ物と比べて手軽に取り入れられる気がしますね。牛乳を飲む習慣のある方はもちろん、普段牛乳を飲まない方もこの機会に1日1杯の牛乳を始めてみてはどうでしょうか?

参考記事:牛乳の栄養を徹底解説~メリット・デメリットまで詳しくお伝えします~

緑茶

緑茶

緑茶にはテアニンが含まれるため、リラックス効果やストレス軽減作用が期待できます。

温かい緑茶を飲むとホッとするのは、理にかなっているといえますね。とはいえ、急須を使って緑茶を入れるのは少し手間です。

最近ではペットボトル入りの温かい緑茶やティーバック、粉末状のスティックタイプの緑茶も販売されています。仕事や休憩中にはコーヒーを飲むのが習慣という方も、たまには緑茶に替えるのもいいですね。

参考記事:トクホのお茶はどんな効果があるの?~おすすめをランキングで紹介~

自律神経失調症で食べてはいけないものはあるの?

自律神経失調症で食べてはいけないものはあるの?

自律神経失調症だから食べられないというものはありません(ほかに疾患がある場合を除く)。

自律神経失調症の有無にかかわらず、健康な食事の基本はバランスのよい食事です。

毎食できるだけ、主食・主菜・副菜に該当する食べ物を取り入れられるとよいでしょう。さらに、1日のどこかで乳製品と果物を食べるとよりバランスのよい食事に近づきます。

・主食(ご飯・パン・麺類)
・主菜(肉・魚・卵・大豆製品)
・副菜(野菜・海藻類)
・乳製品
・果物

 

参考記事:五大栄養素の働きとは?管理栄養士がわかりやすく解説~主な役割も紹介~

まとめ

自律神経を整え、気持ちを落ち着かせる効果の期待できる食べ物には、野菜・果物・発酵食品・魚・肉・卵・乳製品・大豆製品があげられます。また、飲み物の中では牛乳や緑茶にリラックス効果が期待できます。

ただし自律神経を整えるには、バランスのとれた食事・適度な睡眠・休息・運動などの生活習慣が重要です。

今回紹介した食べ物や飲み物を取り入れつつ、生活習慣を整えていきたいですね。

それでは当記事が、あなたの生活をよりよくするサポートとなればうれしいです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

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【参考文献】
厚生労働省 e-ヘルスネット
独立行政法人 環境再生保全機構 ぜん息などの情報館
J-STAGE ココア摂取がヒト体表温に及ぼす影響 GABA経口摂取による自律神経活動の活性化 免疫調節作用に着目したヨーグルトの開発と生理効果の応用展開 テアニン 脳・神経機能維持と n-3 系脂肪酸 ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察
農研機構 タンパク質と脳の栄養〜うつ病とタンパク摂取〜

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