トマトのカロリーはどれくらい?~糖質量や栄養から食べ過ぎの注意点も解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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トマトと言えば、真っ赤な色が元気をくれる夏野菜の代名詞!
健康食材としても広く浸透しており、幅広い年齢層の方に親しまれています。
ところで、トマトの健康効果などを知っている方は多いと思いますが、カロリーや糖質がどれくらい含まれるかご存知でしょうか?
最近では、果物に匹敵するほど糖度の高い品種も出回っているので、おいしいけれどダイエット中や糖質制限中は食べてもよいのか悩ましいですよね。
そこで今回は、トマトのカロリーと糖質についてさまざまな角度から解説します。
大きいトマトやミニトマト、さらにはフルーツトマトまでご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
トマト(大)1個のカロリー
トマト(大)1個は約165gで33kcalです。9割以上が水分でできているため、1個食べても50kcal以下とかなり低カロリーであることがわかりますね。
ミニトマトはどうか
ミニトマト1個(約10g)は3kcalです。トマト(大)と同じ量(165g)食べた場合は約50kcalなので、トマト(大)よりもわずかにカロリーが高くなります。
参考記事:ミニトマトのカロリー・糖質は低い?ダイエット中の適量についても解説
トマト缶やジュースはカロリーが高いの?
トマト缶やジュースは、重量にもよりますがトマト1個と比べて大きくカロリーが変わりません。
カロリー(kcal) | |
トマト1個(165g) | 33 |
トマト缶1個(400g) | 84 |
トマトジュース(200ml) | 37 |
※トマトジュース200mlの重量は206g
比較してみると、トマト1個とトマトジュース1本のカロリーは同じくらいです。トマト缶は1缶400gと他の2つよりも量が多かったため、倍以上のカロリーとなりました。
ただ、トマト缶1個を1度に1人で食べ切ることは難しいため、通常ここまでのカロリー摂取にはならないでしょう。
参考記事:トマトジュースの栄養と効能~オススメの飲み方を知ってより効果的に~
他の夏野菜と比較
トマトの他に代表的な夏野菜として、ナス・ピーマン・きゅうり・枝豆・とうもろこしと100gあたりのカロリーを比較しました。
※100gあたり | カロリー(kcal) |
トマト(大) | 20 |
ナス | 18 |
ピーマン | 20 |
きゅうり | 13 |
枝豆 | 89 |
とうもろこし | 125 |
カロリーを比較すると、ナスとピーマンはトマトと同じくらい、きゅうりはトマトより低い、枝豆ととうもろこしはトマトよりも高いという結果になりました。
ナスやピーマンはトマトほど甘味を感じないのに、カロリーが同じくらいというのは意外ですね。
また、夏野菜の中でも甘味を強く感じるとうもろこしや枝豆ですが、同じく甘味を感じるトマトは他と比べても大幅にカロリーが低いです。ダイエット中でカロリーを抑えたい場合は、とうもろこしや枝豆の代わりにトマトを使うとよいでしょう。
参考記事:とうもろこしのカロリー&糖質は高い?ダイエットに良いか栄養の観点からも解説
トマトは糖質が高い野菜なのか
ここまでカロリーについて触れましたが、トマトは糖質も気になるところ。
じつは、トマトは意外と糖質が低い野菜なのです。
先ほどカロリーを比較した夏野菜で、今度は糖質を比較しました。
※100gあたり | 糖質(g) |
トマト(大) | 3.1 |
ナス | 2.6 |
ピーマン | 2.3 |
きゅうり | 2.0 |
枝豆 | 4.7 |
とうもろこし | 12.5 |
トマトは、比較した夏野菜で枝豆、とうもろこしに次ぐ糖質量でした。
これだけをみるとトマトは糖質の高い野菜だと思われますが、キャベツやにんじん、玉ねぎなどトマトよりも糖質の高い野菜は他にも多くあります。
そのため、トマトはどちらかというと糖質の低い野菜だといえるでしょう。
参考記事:トマトは糖質があるのに血糖値を下げるの?~糖尿病にもよいのか解説~
甘いフルーツトマトは糖質が高い?
フルーツトマトは特殊な栽培方法で育てられ、フルーツのように糖度の高く甘いトマトを指します。その糖度は、普通のトマトが約6度に対し、フルーツトマトは10度以上にもなる品種もあるのです。
消費者にも広く浸透しつつあるフルーツトマトですが、残念ながら「日本食品標準成分表(八訂)増強2023年」にはフルーツトマトが掲載されておらず、正確な糖質量を知ることができません。
ただし、糖度は食品中の糖量を測定したものなので、糖度が高いほど糖質が高いといえます。
そのため、はっきりした数値はわからないものの、フルーツトマトは普通のトマトと比べて糖質が高いと推測できます。
トマトのスゴイ栄養成分
トマトはカロリーや糖質が低いだけでなく、栄養素の効果も優れています。
ビタミンCが美肌に導く
ビタミンCはコラーゲンの合成に必要で、ハリのある肌を保ちたい方は積極的に摂りたい栄養素です。
また、シミの原因であるメラニンの生成を抑える効果も期待できるため、ビタミンCを摂ることは美肌につながるともいえます。
ただし、調理法には一工夫必要です。ビタミンCは加熱に弱いため、トマトは生で食べるとビタミンCを損なわずに摂れますよ。
参考記事:トマトの栄養と効能はやはりすごい!~加工品についても詳しく解説~
リコピンが体の老化を防ぐ
トマトの赤い色素はリコピンという成分です。リコピンには抗酸化作用があり、体の老化を防ぐ効果が期待できます。
私たちの体には、活性酸素という物質が存在します。活性酸素が増え過ぎるとシミやシワが増えたり、動脈硬化がすすみ生活習慣病になるリスクが上がるのです。
抗酸化作用は、活性酸素が増え過ぎないようコントロールして、体の健康を保つのに役立ちます。
参考記事:リコピンとは?効能効果やオススメの摂り方を管理栄養士がポイント解説
食物繊維が腸内環境を整える
食物繊維は腸内の老廃物を排出したり、善玉菌の増殖を助けたりして腸内環境を整える役割があります。これは、不溶性食物繊維の働きによるものです。
一方、水溶性食物繊維は水に溶けてゼリー状になり、コレステロールやナトリウムを吸着して体外へ排出する働きがあります。
トマトには、水溶性・不溶性どちらの食物繊維も含まれていますよ。
トマトはダイエットに良いのか
低カロリーで栄養素も豊富なトマトは、ダイエットに良い効果をもたらすでしょう。
その理由に、血糖値とダイエットの関係があげられます。
先ほどトマトの栄養でも紹介した水溶性食物繊維には、食後の血糖上昇を緩やかにする働きがあります。
血糖値が上昇するとインスリンというホルモンが分泌され、血糖値が下がります。しかし、余分な糖は中性脂肪となり体に蓄えられるのです。
そのため、ダイエット中の方は食後の血糖上昇をなるべく緩やかにするために、水溶性食物繊維が多い食べ物を積極的に摂るとよいですよ。
参考記事:【医師監修】血糖値とダイエットの関係~急上昇を防ぐ食べ方で太りにくい食生活に~
トマトを毎日食べるとどうなるのか
トマトを毎日食べると、トマトの栄養素を継続的に摂り続けられるため、先ほどご紹介したトマトの栄養素から得られる効果を持続できると考えられます。
参考記事:トマトはダイエットに向いているか?~食べ方のコツもご紹介します~
食べ過ぎても太らない?
トマトを多少食べ過ぎても、太る原因になるとは考えにくいです。
ただし、トマトは9割以上が水分でできているため、食べ過ぎるとトマトだけでお腹を満たしてしまい、他に必要な食事が摂れない可能性も。トマトにはたんぱく質や脂質といった栄養素が含まれていないため、これらの栄養素はトマト以外から摂る必要があります。
1日に食べるトマトは1個までなど、無理のない量に設定して毎日の食事に取り入れる工夫をしましょう。
まとめ
トマト(大)1個のカロリーは33kcalと低カロリーであることがわかりました。また、他の野菜と比べて糖質低めなので、ダイエットに活用しやすいといえます。
一方、通常より糖度の高いフルーツトマトは詳しい数値がわからないものの、普通のトマトより糖質が高いと推察されるため、食べ過ぎには注意が必要です。
また、トマトの栄養は美容や健康に役立つものばかりなので、1日1個程度食べると良いでしょう。
それでは、低カロリー低糖質で栄養豊富なトマトを毎日の食事に取り入れてみてください。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
農林水産省 フルーツトマトについて教えてください。
独立行政法人農畜産業振興機構 【まめ知識】「甘さ」とは