豆腐の栄養成分がすごい!~効能がアップする食べ方や簡単レシピも大公開~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
ヘルシーな食べ物の代表格である豆腐。
寒い季節には、湯豆腐や鍋で熱々の豆腐を楽しむことが多いですね。豆腐は「畑の肉」と呼ばれるほど栄養成分がたっぷりと含まれています。
よく知られているように豆腐はたんぱく質が豊富であり、さらにカルシウムも多い食品です。しかしながら、意外にも脂質が多いことはご存知でしょうか?
そこで今回は、豆腐の栄養成分について解説していきます。
栄養素の効果がアップする食べ方や、豆腐を使った簡単な鍋レシピもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
目次
豆腐全般の栄養素と効能
豆腐はたんぱく質、脂質、カルシウムの多い食品です。まずは豆腐全般の栄養素と効能について、木綿豆腐1丁を例に挙げて解説していきます。
たんぱく質
木綿豆腐1丁(おおよそ300g)に含まれるたんぱく質量は21.0gです。参考までに、卵1個(LLサイズ)には約10gのたんぱく質が含まれます。
たんぱく質は、含まれるアミノ酸のバランスによって体内の利用効率が異なります。植物性のたんぱく質である大豆は、たんぱく質の含有量が高く、なおかつバランスよくアミノ酸が含まれているため、体内で効率よく利用できるのです。
大豆製品のなかでも、食べやすくさまざまな料理に応用できる豆腐は、たんぱく質を補うためにぴったりの食品といえますね。
脂質
木綿豆腐1丁(おおよそ300g)には、14.7gの脂質が含まれています。参考までに、和牛のロース(脂身付き、生)100gの脂質が22.3gです。豆腐も1丁となると、脂質も多くなることがおわかりいただけますね。
脂質はエネルギー源になるほか、身体のホルモンや細胞膜を構成する成分にもなりますので、私たちの身体にとって大切な栄養素です。しかしながら、余分な脂質は中性脂肪として体内に蓄えられてしまうので、ほどほどに摂取しましょう。
カルシウム
豆腐にはカルシウムも多く含まれており、1丁(おおよそ300g)あたり279mgもあります。これは30-50代男性の1日あたりのカルシウム推奨量の38%が補える量です。
カルシウムは、骨や歯の構成成分です。骨はおおよそ3か月ごとに骨へカルシウムを沈着させることと、骨からカルシウムを溶かし出すことを繰り返しています。
実は男性は50歳代、女性は閉経後から、骨からカルシウムを溶かし出す量が、カルシウムを沈着する量を上回ってしまいます。そのため、食品からカルシウムを積極的に補うのが大切です。
1丁あたりのたんぱく質と脂質は多い?
豆腐に含まれるたんぱく質と脂質は、他の食材と比べて多いのか気になりますね。そこで豆腐1丁(300g)あたりのたんぱく質のや脂質の量を、同じ量の肉や魚、卵と比較してみましょう。
【食品300gあたりのたんぱく質・脂質量】
このように、同じ分量で比較すると豆腐1丁あたりのたんぱく質量は少なく見えますが、1回の食事で食べる量を考えると、他の食品と差がないと言えるでしょう。
脂質は鶏むね肉やあじ300gとほぼ同じ量です。お伝えしたように、脂質の摂りすぎは肥満に繋がってしまいますが、豆腐に含まれる脂質は、不飽和脂肪酸と呼ばれるリノール酸やα‐リノレン酸といった動脈硬化や血栓を防ぐ働きがある成分が中心です。
このように、豆腐には体にとって嬉しい働きのあるたんぱく質と脂質が豊富に含まれています。
毎日食べると健康に悪いか
結論から申し上げますと、豆腐を毎日食べてもさほど健康に悪影響はありません。しかしながら、ヘルシーで低カロリーなイメージのある豆腐1丁あたりのカロリーは意外にも高めの219kcalです。
そのため、豆腐の食べすぎはカロリーオーバーとなり肥満の原因となってしまいます。
良質なたんぱく質と脂質を補える豆腐ですが、1食あたり1/2丁程度を目安にし、普段の食事にプラスして食べ過ぎは避けましょう。
参考記事:豆腐のカロリーと糖質量は少ない~他の栄養素と共にポイント解説~
木綿豆腐・絹ごし豆腐・高野豆腐で栄養に違いはあるのか
豆腐の種類として、代表的な木綿豆腐・絹ごし豆腐・高野豆腐の栄養価の違いを見ていきましょう。
【木綿豆腐・絹ごし豆腐・高野豆腐の栄養価】
上記の通り、木綿豆腐は絹ごし豆腐よりもたんぱく質・脂質・カルシウムの量が多めです。一方で、絹ごし豆腐は豆乳をそのまま固めているので、ビタミン類が流出しにくい点が特徴といえます。
たとえば、豆腐1丁あたりのビタミンB1量は、木綿豆腐が0.27mgであるのに対し、絹ごし豆腐は0.33mgです。また高野豆腐は1個あたりの栄養価が高く、絹ごし豆腐1/2丁分に相当します。
高野豆腐は、水分が少なく噛み応えがあるので、ダイエット中にもぴったりの食材といえます。
摂りたい栄養素や料理、自分の好みに合わせて豆腐を選んでみるといいですね。
卵豆腐や胡麻豆腐は?
同じ豆腐でも、つるりとした食感が特徴の卵豆腐や、胡麻の風味豊かな胡麻豆腐は、一般的な豆腐と栄養素が異なります。
卵豆腐は、100g(おおよそ1個)あたりたんぱく質が6.5g含まれており、木綿豆腐100gの量とさほど変わりません。しかし、卵と塩分の力で固めている卵豆腐は、100gあたり1.0gの塩分が含まれていますので高血圧の方は気を付けたいですね。
また胡麻豆腐は100gあたりのたんぱく質量は1.5gと、木綿豆腐や卵豆腐と比べて少なめです。さらに胡麻豆腐の原料にはくず粉が多く使われるため、意外にも糖質が多く、100gあたり7.8gあります。
参考までに木綿豆腐の糖質は100gあたり0.8g、つまり1g以下です。
ちなみに厳密には卵豆腐は卵類に、胡麻豆腐はでんぷん製品に分類されており豆腐ではありません。このように、卵豆腐や胡麻豆腐は一般的な豆腐と異なりますので、自分の摂りたい栄養素を考えながら選んでみましょう。
湯豆腐にすると栄養面での変化はあるのか
豆腐の加熱による栄養面での変化はほとんどありません。
寒い季節は湯豆腐のように豆腐を加熱して食べる機会が多いでしょう。
そこで気になるのが栄養面ですが、豆腐は材料となる豆乳を作る段階ですでに加熱されています。そのため調理によって多少は栄養成分が変化するものの、問題になるほどの量ではありません。
栄養面にほとんど変化がありませんので、寒い季節にはぜひ湯豆腐にして体の芯まで温まってくださいね。
健康になれる、効果的な食べ方は?
効果的な食べ方として、豆腐を食べるときには、カルシウムの吸収を促すビタミンDを組み合わせることをオススメします。
大豆を含む豆類には、フィチン酸と呼ばれるカルシウムの吸収を阻害する成分が含まれますので、牛乳などの乳製品と比較してカルシウムの吸収率が良くありません。
その一方でビタミンDは、カルシウムの吸収を促してくれる働きがあります。ですから、豆腐を食べるときには魚やきのこ類などビタミンDが豊富な食品と組み合わせるとよいでしょう。
参考記事:きのこの栄養成分で健康をサポート~必見のダイエット効果や食べ方も大公開~
参考記事:ゴーヤの栄養と効能はすごい!~絶品レシピとあわせ徹底解説~
簡単美味しい!ヘルシーな豆腐レシピをご紹介
では、豆腐を使った簡単でヘルシーなレシピをご紹介します。
豆腐をたっぷり入れた豆乳鍋で、大豆の栄養素をダブルで補給できます。さらに、カルシウムの吸収を促すビタミンDが豊富な鮭ときのこが具材です。
市販品を使うことが多い豆乳鍋の素ですが、実は豆乳とだし汁を使って簡単に作れます。手作りすると味つけを自分で調節できるので、塩分が気になる方にもぴったりですよ。
【豆腐と鮭の豆乳鍋】
・豆腐(木綿または絹ごし) 1丁
・生鮭(切り身) 2切れ
・しいたけ 4枚
・えのき 1/2袋
・白菜 3枚
・豆乳(無調整) 400ml
・だし汁 400ml
・白すりごま 大さじ2
・酒 大さじ1
・白みそ 大さじ1
・塩 小さじ1
【作り方】
①豆腐は軽く水切りし8等分にする。生鮭は水気を拭いて4等分し、熱湯をかけて臭みをとる。
②しいたけは石づきを切り落として半分に切り、えのきは根元を切り落としてほぐす。白菜は3㎝幅のざく切りにする。
③鍋にだし汁、白みそ以外の調味料を入れて火にかけ、沸騰したら鮭、豆腐、きのこ、白菜を加えて火が通るまで中火で煮る
④具材に火が通ったら、豆乳・白みそを加え沸騰直前まで加熱して、できあがり。
参考記事:豆腐ダイエットで痩せる方法〜メリット・レシピ・注意点をカンタン解説〜
参考記事:鮭は美肌づくりの救世主!~栄養成分と効能を管理栄養士が解説します~
まとめ
以上、豆腐の栄養について解説しました。
豆腐は、たんぱく質、脂質、カルシウムが豊富な食品です。健康のために毎日食べても問題ありませんが、食べすぎはカロリーの摂りすぎになってしまいますので気を付けましょう。
豆腐に含まれるカルシウムを効率よく吸収させるためにも、ぜひビタミンDが多い食品を組み合わせて食べることをオススメいたします。
ご紹介しました豆腐の豆乳鍋のレシピも活用してみてくださいね。
それでは当記事が参考となり、日々の食事に豆腐を取り入れていただければ幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動や食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
・食品成分データベース
・e-ヘルスネット たんぱく質 脂肪/脂質 骨粗鬆症予防のための食生活
・健康長寿ネット 三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量 三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量 カルシウムの働きと1日の摂取量
・日本豆腐協会 豆腐のあれこれQ&A