糖化を防ぐ飲み物を一挙公開!~食べ物や食事の摂り方についても解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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「糖化は肌によくないって本当?」
「病気の原因にもなるの?」
肌トラブルや病気の原因となる糖化は、近年注目を集めています。
そこで今回は糖化のメカニズムについて解説し、糖化を防ぐ飲み物や食事について紹介します。
いつまでも若々しく、そして健やかでありたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそも糖化とは?
糖化は「体のコゲ」ともいわれ、体内にある余った糖分がたんぱく質とくっついて、細胞を劣化させる現象です。
この現象によって作られるのがAGE(終末糖化産物)で「糖化が起こる=AGEが増える」といえます。
では糖化すると、体の中ではどのようなことが起こるのでしょうか。
まず、AGEがAGEの受容体(結合することで働くたんぱく質)にくっつくと、もともと私たちの体を作っているたんぱく質に攻撃し始め、細胞に炎症が起こります。
炎症が起こった細胞は当然ダメージを受けていますから、細胞の機能の低下、劣化につながるのです。
その結果、次のような症状が出る可能性があります。
・動脈硬化の進行
・白内障(眼球の水晶体が濁り、視力低下が起こる病気)
・骨がもろくなる
・アルツハイマー病
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糖化を防ぐ身近な飲み物
さっそく、糖化を防ぐ飲み物について紹介します。
糖化を防ぐことは、糖化が原因で発症するたるみやシワなどの肌老化や動脈硬化の進行抑制につながるでしょう。
また骨折やアルツハイマー病の予防など、健康を維持するうえでも糖化を防ぐことは重要です。
オススメは「お茶」
スーパーなどで市販されている身近なお茶にも、糖化を防ぐ効果が期待できます。
ここでは10種類のお茶を紹介します。
②紅茶
③甜茶
④緑茶
⑤ドクダミ茶
⑥ジャスミン茶
⑦ハマ茶
⑧プーアール茶
⑨ウーロン茶
⑩ほうじ茶
なお、糖化を防ぐメカニズムはさまざまです。
たとえば緑茶には、糖化の反応を邪魔してAGEが増えるのを抑える働きが報告されています。
また、ドクダミは血液中のAGEを減らし、肌の弾力性を高める可能性が期待されているのです。
コーヒーには注意が必要
コーヒーには、糖化を促進させる要因となる「酸化」を抑制させる働きがあります。
つまりコーヒーの抗酸化作用が、糖化を抑制させるというわけです。
一方で、コーヒーにはAGEが多く含まれます。
そしてコーヒーを飲むことによる、糖化抑制とAGE摂取のバランスについて記載した著名な論文は見当たりませんでした。
1日1杯など、コーヒーを適度に楽しむ分にはAGE摂取に対して過度な心配は不要と考えられますが、さらなる研究にも期待したいところですね。
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血糖値の上昇を抑える飲み物もオススメ
糖化を防ぐには、食後血糖値の上昇を抑えることも大切です。
なぜなら血糖値が過度に上昇してしまうと、糖化が進んでしまうからです。
血糖値の上昇を抑えるオススメの飲み物には「緑茶や牛乳、お酢」などがあります。
・牛乳:たんぱく質
・お酢:酢酸
上記の成分が血糖値の上昇を抑えるため、これらを食事と一緒に飲むことで食後血糖値の上昇抑制が期待できるのです。
ただしお酢は原液のまま飲むと刺激が強すぎるので、適度に薄めて飲むとよいでしょう。
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糖化を防ぐ食べ物はある?
糖化を防ぐ働きのある食べ物も、いくつかご紹介します。
・ふきのとう
・新しょうが
・ローズマリー
・よもぎ粉
・サニーレタス
・食用菊
たとえば、よもぎやサニーレタスにはAGEの生成を抑制したり、分解・排出を促したりする働きがあります。
モロヘイヤやふきのとうなどは季節が限られているものの、スーパーでも手に入りやすい食材ですから取り入れてみるとよいでしょう。
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糖化対策!食事のポイント4選
糖化対策にオススメの食事方法を4つ紹介します。
②GI値の低い食品を選ぶ
③食べる順番を変える
④調理法を工夫する
それでは、具体的な方法を見ていきましょう。
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①糖質を摂りすぎない
糖質の過剰摂取は、糖化を促進させます。
糖質はご飯やパンなどの主食や菓子類に多く含まれますので、これらを食べすぎないようにしましょう。
とくに主食を大盛りにする方、丼物を食べる頻度が高い方、ラーメンとご飯など1回の食事で2種類の主食を食べる方は糖質の過剰摂取となっている可能性が高いです。
今一度、ご自身の食事を見直してみましょう。
②GI値の低い食品を選ぶ
GI値とは食後血糖値の上昇度を示す指標のことで、値が低い食品ほど血糖値は上昇しにくいです。
主食であるご飯やパンの場合、玄米や全粒粉のパンなど茶色いものは、白米や普通のパンと比べてGI値が低い傾向にあります。
もちろんGI値の低い食品であっても、たくさん食べれば血糖値は上昇しやすくなります。
GI値の低い食品だからと油断せず、適量を食べましょう。
③食べる順番を変えてみる
同じ食事でも、食べる順番を工夫すれば食後血糖値の上昇が抑えられ糖化予防に役立ちます。
いわゆる「べジファースト」と呼ばれる方法で、次の順番で食事を摂ります。
②たんぱく質の豊富な、肉や魚、卵、乳製品、大豆製品など
③糖質の多い、ご飯やパン、麺など
弊社の行った実験でも、べジファーストをした場合とそうでなかった場合で血糖値の変動に違いが認められました。
【べジファーストなしの場合】
【べジファーストありの場合】
※あくまで一個人の結果で、必ずしも同様の結果になるとは限りません。今回は、20代女性(疾患なし)が別日の昼食に同じ食事を摂り、野菜から摂取した場合といきなり主食などを摂取した場合の食後血糖変動について比較しました。
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④焦げはNG!調理法を工夫する
調理法はできるだけ、ゆでたり蒸したりすることをオススメします。
なぜなら、AGEは糖質が焦げたところに大量に発生するからです。
したがって、こんがりきつね色に焼けたパンケーキ、西京焼きの焦げ部分には注意が必要です。
また、同じ食材でも「生→煮る→焼く→揚げる」の順に、AGEの発生率が上昇しますよ。
【番外編】糖化した肌は戻るの?
焼けたパンを焼く前の状態に戻せないように、糖化した肌そのものを戻すことはできません。
しかし、肌は常に作り変えられているため改善が見込めます。
糖化を防ぐ飲み物や食べ物、食事方法を取り入れながら、睡眠や運動など生活習慣全般を見直すことが健やかな肌へとつながるでしょう。
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まとめ
今回は、糖化を防ぐ飲み物や食事について紹介しました。
糖化を防ぐオススメの飲み物は、下記のお茶です。
②紅茶
③甜茶
④緑茶
⑤ドクダミ茶
⑥ジャスミン茶
⑦ハマ茶
⑧プーアール茶
⑨ウーロン茶
⑩ほうじ茶
そのほか、食後血糖値の上昇を抑える働きがある緑茶や牛乳、お酢も糖化対策にオススメの飲み物といえるでしょう。
あわせて糖化を防ぐためには、次のような食事方法も有効です。
②GI値の低い食品を選ぶ
③食べる順番を変える
④調理法を工夫する
糖化は肌や血管を老化させたり、さまざまな病気の原因となったりします。
若々しい肌や健やかな体を目指す方は、ぜひ上記のお茶や食事方法を取り入れてみてくださいね。
それでは、当記事があなたの健康作りに役立つことを願っています。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
同支社大学 抗糖Helath2sync化 ” で健康長寿の社会を実現!
J-STAGE 糖化ストレスと抗糖化作用の評価 糖化制御と生活習慣病の予防