なすのカロリーと糖質は低い〜栄養やヘルシーレシピもまとめて紹介〜
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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和食では煮びたしや天ぷら、中華では麻婆茄子、洋食ではパスタなど、幅広いジャンルの料理で活躍するなす。
なすはカロリー・糖質が低い上に、クセがなく様々な味付けと合う万能な食材です。
そこで今回は、なすのカロリーや糖質について詳しくお話ししたいと思います。なすの栄養やヘルシーなレシピもまとめてご紹介いたしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
なすのカロリーと糖質量 (100gあたり)
なす100gあたりのカロリーは18kcal、糖質は2.6gです。
なすは93%が水分なので、カロリー・糖質共に低くなります。
なす | きゅうり | とうもろこし | トマト | |
カロリー | 18kcal | 13kcal | 89kcal | 20kcal |
糖質 | 2.6g | 2.0g | 12.5g | 3.7g |
*100gあたり
なすと同じく夏に旬を迎える他の野菜と比べてみても、カロリー・糖質共に低いほうだということがお分かりいただけますね。
参照記事:きゅうりの糖質&カロリーは低い〜栄養やダイエットでの活用法も紹介〜
参照記事:とうもろこしのカロリー&糖質は高い?ダイエットに良いか栄養の観点からも解説
参照記事:トマトは糖質があるのに血糖値を下げるの?~糖尿病にも良いのか解説~
1本あたりのカロリーと糖質量
なすは1本あたり大体150gで、カロリーは27kcal、糖質は3.9gとなります。
なすは蒸しなすや焼きなすなど、1人で丸々1本食べることも多いので、ご参考にしてください。
蒸しなす・焼きなす・素揚げ(揚げなす)の比較
蒸しなす | 焼きなす | 素揚げ(揚げなす) | |
カロリー | 18kcal | 42kcal | 184kcal |
糖質 | 2.6g | 4.6g | 4.9g |
*100gあたり
なすは調理方法によってカロリーや糖質が変わります。
蒸しなすはなすをそのままふっくらと蒸しあげるので、生のなすとカロリー・糖質がほとんど変わりありません。
焼きなすは焼くことで水分が減るため、100gあたりのカロリーや糖質が増えます。
揚げなすは揚げる際に油を吸収するため、カロリーが高くなります。なすは油を吸収しやすいため、ダイエット中は少量の油で調理して食べると良いでしょう。
なすの漬物はどうか
小鉢に盛ったなすの漬物(50g程度)のカロリーや糖質をご紹介します。
塩漬け | しば漬け | |
カロリー | 11kcal | 13.5kcal |
糖質 | 1.3g | 1.3g |
*50gあたり
なすは塩に漬けると脱水作用で水分が抜け、その結果、生のなすと比べて100gあたりのカロリーや糖質が高くなります。
なお漬物は食べやすく美味しいのですが、塩分が高いので食べ過ぎにはご注意ください。
参考記事:糖尿病でも塩分制限は必要?~塩分の摂取目安量や控える方法も解説~
なすの栄養や成分について
なすにはカリウム・ポリフェノール・食物繊維などの栄養素が含まれています。
カリウム
カリウムは体の中の塩分や水分のバランスを保ってくれる栄養素です。塩分の摂りすぎを調節し、高血圧を予防します。
アントシアニン
なすの紫色の皮部分に含まれているアントシアニンは、抗酸化物質(※)であるポリフェノールの一種で、動脈硬化予防効果が期待されています。
抗酸化物質は活性酸素の発生や働きを抑えたり、活性酸素を取り除く物質のことです。活性酸素は身体に必要な物質ですが、増え過ぎると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化・免疫機能の低下などを引き起こすので、抗酸化物質によって活性酸素の発生や働きを抑える必要があります。
食物繊維
なすに含まれる食物繊維は不溶性食物繊維が多く、腸内環境を整え便通をよくする作用があります。
食物繊維は、水に溶けにくい不溶性食物繊維と水に溶けやすい水溶性食物繊維の大きく2つに分けられ、水溶性食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにします。
なすの食物繊維は、同じくカロリーの低い夏野菜であるきゅうりのなんと2倍も。ただし、なすの食物繊維は皮に多く含まれるので、食物繊維を摂りたい場合は皮ごと食べましょう。
参考記事:管理栄養士が解説!知って得するナスの栄養成分と効能効果
参考記事:血圧を下げる方法〜食べ物や生活でのポイントを分かりやすく解説
カロリーと糖質控えめ!なすのレシピを紹介
それでは、なすのカロリーや糖質の低さを生かしたレシピをご紹介いたします。
ご紹介するレシピはどちらもなすを皮ごと使用しますので、ポリフェノールや食物繊維も摂れますよ。
栄養たっぷり!なす味噌炒め
まずは家庭で作られるなす料理の定番ともいえる、味噌炒めです。
味噌炒めはこってりとした甘辛い味付けが美味しいのですが、ここでは味噌や砂糖の使用量を少し抑えて、糖質控えめにしています。
さらにすでにお伝えした通り、なすは油を吸収しやすいため油を使わずに電子レンジで調理する方法をご紹介いたします。
また、このレシピでは豚肉やピーマンも使用して、栄養たっぷりに仕上げているので夏バテ予防にもぴったりですよ。
なす 2本
ピーマン 2個
豚肉(こま切れ) 100g
味噌 大さじ2
ラカントなどの甘味料 大さじ1
みりん 大さじ1
【作り方】
①なすは1cmの輪切りにし、水につけてアクを抜く
②ピーマン・豚肉は2cmの角切りにする
③調味料を混ぜ合わせておく
④水を切ったなすと②を耐熱容器にいれたら③を上からかけ、ふんわりとラップをして、600wで3分加熱する
⑤全体を混ぜて、600wで3分加熱する
⑥もう一度全体を混ぜて600wで1分加熱し、そのまま2分程蒸らしてできあがり
*まだ生の部分があったり、水っぽいようであれば、追加で加熱してください
参考記事:豚肉のカロリーと糖質が多め?〜部位別にわかりやすく解説〜
参考記事:ピーマンの栄養成分は素晴らしい!~素材を活かした調理法と最強レシピを公開~
さっぱりでヘルシー!なすの煮浸し
なすの煮浸しは素揚げしたなすを、味付けしただし汁に浸して味を浸み込ませた料理です。
本来は素揚げすることでなすの皮の色が安定し綺麗に仕上がるのですが、このレシピでは素揚げではなくフライパンで焼くことで、よりヘルシーに仕上げています。
なす 2本
生姜 1かけ
油 大さじ2
だし汁 200ml
醤油 大さじ2
みりん 大さじ1.5
ラカントなどの甘味料 小さじ2
かつお節 お好みで
【作り方】
①なすはヘタを落とし縦半分に切り、味が染みやすいように皮に切り込みを入れる
②さらに縦半分に切り、水につけてアクを抜く(炒める前に取り出して、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を取る)
③生姜はおろしておく
④フライパンに油を入れて、弱めの中火で生姜を炒めフツフツしてきたら、いったん火を止める
⑤なすの皮を下にして並べたら、中火で皮がきれいな紫色になるまで焼く
⑥残りの2面も軽く焼いたら、調味料を加えて3~4分煮る
⑦なすに火が通ったら、できあがり。好みでかつお節をかける
*できたても美味しいですが、2~3時間おいて味をなじませて食べるのがおすすめです。
参考記事:生姜の栄養は男女ともにオススメ!~効果的な食べ方についても解説~
まとめ
以上、なすはカロリーや糖質が低い野菜だとわかりました。
さらに、カリウムやアントシアニン、食物繊維といった健康によい栄養素も含まれています。
なすは油を吸収しやすいため、素揚げなどの調理方法だとカロリーがかなり高くなります。ただし、調理方法によってカロリーを調整できますので、ご紹介したレシピもぜひお試しください。
それでは当記事を参考に、あなたの食生活になすを取り入れていただけるとうれしいです。
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参考文献
文科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
農研機構 「ナス」のお話