糖尿病の方が飲み会で注意すべきポイントは?~食べ物・お酒について解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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糖尿病の方にとって飲み会のお酒やメニューは、良好な血糖管理を乱す原因になりうるものが多くあります。
とはいえ、仕事や友人関係のお付き合いで参加したい場合もありますよね。
そこで今回は、糖尿病の方が飲み会で気を付けたいことについて解説します。覚えておいてほしいポイントをまとめたので、忘年会や新年会などの時期にはぜひチェックしてみてください。
目次
糖尿病があっても飲み会に参加してよいのか
主治医に相談のうえですが基本的には、飲み会に参加しても大丈夫です。
ただし、気を付けたいポイントはたくさんあります。
なかでも、友人との飲み会はどうしても気が緩みがち。「今日だけだから」と、飲んだり食べたりしてしまうと、後悔することになるかもしれません。
では、飲み会へ参加するにあたって気を付けることは以下のとおりです。
・早めに切り上げること
・ハシゴ酒をしないこと
楽しみつつも周りの雰囲気に流されないことが大切となりますよ。
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付き合いだからお酒は飲んでいい?
糖尿病の方は主治医の許可があれば、お酒を飲んでも大丈夫です。絶対にお酒を飲んでいけないわけではありませんが、必ず事前に主治医に確認をとり、飲む量を相談しましょう。
ところで、糖質ゼロのお酒なら大丈夫なのでは?と思う方がいるかもしれませんが、アルコールは1gで7kcalもあります。
しかも、アルコールは「エンプティカロリー(からっぽのカロリー)」と呼ばれているほど、体のために使われる栄養素はなにも含まれていません。
糖尿病がある人は1日あたりの摂取カロリーに上限がありますので、せっかくなら体のためになるものに充てたいですね。
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飲み会メニューの要注意ポイントと対策方法
飲み会の定番メニューにおける要注意ポイントと対策法をピックアップしました。
ビールのお供「枝豆」
おそらく枝豆が出ない宴会などないのでは?
枝豆は「畑の肉」と呼ばれるほどたんぱく質が豊富な大豆を、未熟な状態で収穫したものです。そのため、枝豆にもたんぱく質は豊富ですが、食べすぎるとカロリーの摂りすぎにつながります。
パクパクと食べ進めてしまいがちですが、ほかのメニューも食べるので片手に収まる量にしておきましょう。
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ドレッシングに要注意!「シーザーサラダ」
飲み会のコース料理で出てくるサラダといえばシーザーサラダではないでしょうか。
シーザーサラダはサラダではありますが、低カロリーだと思って食べると思わぬカロリーオーバーにつながります。
なぜなら、カリカリのベーコンとシーザードレッシングは、どちらも高カロリーで高脂質の食品だからです。
野菜なので積極的に食べたいところではありますが、つまむ程度にするか、自分で取り分けられる場合はドレッシングの少ない部分を選びましょう。
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カロリーの横綱「揚げ物」
唐揚げやカキフライなど魅力的なラインナップだとは思いますが、揚げ物はできることなら避けたいメニュー。
なぜなら、油が多いためカロリーが高い料理だからです。
もし食べる場合はどれか1種類に決め、1個までにしましょう。
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香りを活かした食べ方がオススメ「刺身」
魚は肉同様、たんぱく質が豊富な食材です。
魚を素材のままいただく「刺身」は、肉料理と比べて低カロリーのものが多いため、たんぱく質はお刺身から摂取するとよいでしょう。
サーモンやトロは脂が多く高カロリーなので、タイやマグロの赤身などがオススメです。
さらに、お刺身はカロリーだけでなく醤油の塩分も注意したいところ。
糖尿病の方にとって、血管を健康に保つのはとても重要なミッションです。塩分の摂りすぎは高血圧症を引き起こす要因となるため、血管へのダメージが避けられません。
ワサビ・シソの葉・シソの実(穂紫蘇)などを合わせると、刺激や香りが楽しめるだけでなく、醤油の使用量をほんの少しにしても美味しく食べられますよ。
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部位&味付けに注意が必要「焼き鳥」
宴会の定番「焼き鳥」。
焼き鳥は部位によってカロリーが高いものもありますが、糖質は全体的に低めです。
また塩とタレで比べると、タレのほうがカロリー・糖質共に高めですので、食べるのならば塩味のほうがよいでしょう。
しかし塩味は塩分が多いので、高血圧の観点から食べすぎは厳禁です。
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盲点あり「鍋」
鍋がメイン料理となる忘年会や新年会も多いことでしょう。
ヘルシーなイメージの鍋料理ですが、注意すべきポイントがいくつかあります。
鍋料理を食べるときのポイントは、
・野菜をメインに取る
・おかわりしない
・スープは残す
・鍋の〆として作る雑炊や麺類は遠慮する
です。
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飲み会の〆は食べない
「コース料理だけでは物足りないからお茶漬けを頼もうかな」
「仕切り直してラーメン屋さんへ行こうかな」
など、〆のお茶漬けやラーメンはやめましょう。
〆として食べる料理は糖質を多く含むものがほとんどで、血糖値の急上昇が避けられません。
糖尿病の方にとって、血糖値の乱高下は病態を悪化させることにつながるためよくないです。
よって、〆まで食べると気分的には落ち着くかもしれませんが、血糖値は落ち着かなくなることを覚えておいてくださいね。
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まとめ
以上、糖尿病の方が宴会メニューを食べるときのポイントをお伝えしました。
忘年会や新年会のシーズンは大晦日とお正月もあり、普段とは違う食事が続く時期に突入します。1回1回の食事を大切にすごしてくださいね。
それでは、この記事があなたの健康づくりに役立てば幸いです。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース