糖尿病の方の食事メニュー1日分を紹介~作り置きおかずレシピも~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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病院やクリニックで糖尿病と診断されると、医師の指示を元に管理栄養士から栄養指導があります。
しかし栄養指導を受けたからといって、急に糖尿病の方向けの食事を用意できるかというと難しいのが現実です。
たとえば、
・毎食カロリーや糖質量の計算をするのが手間
・忙しくて料理に時間をかけられない
・そもそも料理は苦手
といった理由から、食事の準備に関して不安やプレッシャーを感じる方も、多いのではないでしょうか?
そこで今回は糖尿病食の献立を1日3食分紹介するとともに、外食やお惣菜を選ぶ際のポイントをお伝えいたします。ぜひ最後までご覧ください。
目次
【1日3食】糖尿病食の献立
今回は、糖尿病食で一般的な1600kcal(炭水化物60%)の献立を紹介します。
なおカロリーや炭水化物量(※)の割合は、あなたの体の状態に合わせて主治医が設定します。血糖値の適切な管理や糖尿病の合併症を防ぐために、設定されたカロリー・炭水化物量を守りましょう。
(※)糖質と食物繊維を合わせたもの
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朝食
・食パン6枚切り1枚半(マーガリン4g小さじ1・いちごジャム7g小さじ1)
・野菜サラダ(レタス40g・ブロッコリー30g・ミニトマト20g・和風ドレッシング15g)
・目玉焼き(全卵1個・油小さじ1)
・コーヒー牛乳(ブラックコーヒー・牛乳60ml)
・りんご(1/4個)
昼食
・ご飯普通盛り(200g)
・肉野菜炒め(豚モモ肉50g・塩0.5g・油4g・鶏がらスープの素2.5g・こしょう少々・キャベツ100g・玉ねぎ40g・にんじん10g)
・えのきポン酢(えのき50g・ぽん酢5g小さじ1)
夕食
・ご飯軽く1杯(150g)
・焼き魚(鮭90g・塩0.5g)
・きゅうりとわかめの酢の物(きゅうり50g・乾燥カットわかめ1g・酢5g・ラカント2g・塩0.2g)
・きんぴらごぼう(ごぼう30g・にんじん10g・こんにゃく10g・ごま油4g・醤油3g・ラカント3.0g)
・小松菜の味噌汁(小松菜30g・油揚げ5g・味噌10g・和風顆粒だし5g)
間食
・フルーツヨーグルト(ヨーグルト120g・バナナ50g1/2本・ラカントシロップ小さじ1)
1日の合計 カロリー1596kcal 炭水化物241.3g(糖質221.4g・食物繊維22.5g)
糖尿病の食事メニューの基本
糖尿病の食事メニューは、決められたカロリー・炭水化物量の中で1日3食「主食・主菜(肉・魚・卵のおかず)・副菜(野菜・海藻のおかず)」をそろえ、1日に1~2回「果物・乳製品」を取り入れるのが基本です。
まずは主食の量を覚え、主菜・副菜の選び方を身につけるとよいでしょう。
1日どのぐらいの量のご飯を食べられるのか
1日の摂取カロリー1600kcal(炭水化物60%)の方であれば、500gのご飯が食べられます。ご飯は茶碗に軽く1杯で150gなので、1日でお茶碗軽く2杯と普通盛り1杯程度と考えられるでしょう。
なお6枚切りの食パンだと1日に5枚、うどんだと3玉半弱に換算されます。つまり、糖尿病食だからといって、極端に主食を減らす必要はないのです。
ちなみに糖尿病食では芋類やかぼちゃ、栗、とうもろこしといった糖質の多い野菜は主食の仲間として考えます。そのためおかずに糖質の多い野菜を食べる場合は、主食の量を減らします。
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ランチが外食のときは
ランチを外食にするときは、
・メイン料理
・付け合わせ
を確認することが大切です。
それぞれの確認するポイントをくわしく解説いたします。
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主食量
主食は糖質量が多いので、摂取炭水化物量に大きく影響を与えます。
そこで外食では主食の量を、自分自身の1食あたりに食べられる量と比較します。普段から家で主食の量を測り、目で見て覚えておくとよいですね。
一例として、外食でのご飯の量をまとめましたのでご参考ください。
普通盛り | 大盛り | |
ご飯(茶碗) | 200g | 300g |
ライス(お皿) | 200g | 250g |
カレーライス | 250g | 300g |
*参考 女子栄養大学出版部 外食・コンビニ・惣菜のカロリーガイド
もし外食での主食が多そうであれば、あらかじめ減らしてもらうか残しましょう。お持ち帰りさせてもらえる場合もあるので、お店の方に確認するのもよいかもしれません。
またどうしても主食量を減らせない場合は、夕食の主食量を減らして調整する方法もあります。ただしあなたの体の状態によってはこの方法を選べない場合もあるので、必ず主治医の指示を優先してください。
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メイン料理
メイン料理は選ぶものによって、摂取カロリーが大きく変わります。そのため、1食分の設定カロリー内におさまるものを選ぶ必要があるのです。
メイン料理が魚の場合は、調理方法を意識します。フライや天ぷらよりも焼き魚や刺身の方が、カロリーは低いです。
肉の場合は、肉の種類と調理法に注目しましょう。豚肉や牛肉は脂質の少ないモモ肉やヒレ肉、鶏肉はむね肉やササミのカロリーが低めです。
なお肉の調理は、焼いたり揚げたり油を使用することが多いです。炒めやソテーといった焼く調理法は、からあげやフライよりカロリーが低くなります。
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付け合わせ
付け合わせは、食物繊維の摂取量を左右します。食物繊維は血糖値の急上昇を抑えるため、糖尿病食において重要な栄養素です。
そこで付け合わせにはサラダや和え物、酢の物といった、野菜やきのこ、こんにゃくのたっぷり使われたものを選びましょう。
ちなみに芋類やかぼちゃを使った料理は糖質が多いので、付け合わせではなく主食として考えます。ポテトサラダやかぼちゃの煮物などを食べるときは、主食量を調整してくださいね。
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市販の弁当や総菜を選ぶポイント
コンビニやスーパーで弁当や総菜を選ぶ場合であっても、考え方は外食と同じで、
・メイン料理
・付け合わせ
のポイントをおさえて選びます。
弁当や総菜の場合は、カロリーや炭水化物(糖質・食物繊維)量を記載していることが多いです。ご自身の摂取カロリー・炭水化物量と照らし合わせて調整しましょう。
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糖質制限食とはなにが違うの?
糖尿病食と糖質制限食では、糖質を調整する目的が違います。
糖尿病食は血糖値の管理や糖尿病の合併症の予防を目的に、決められたカロリー・糖質量の中でバランスのよい食事を目指します。
一方で、糖質制限食は主にダイエットを目的として、1日に摂る糖質量を制限するのです。糖質制限食では、最低120gは糖質を摂るよう決められています。
実は糖尿病食1600kcal(炭水化物60%)での糖質量の目安は、おおよそ220gです。つまり糖尿病食と比べて、糖質制限食はかなり糖質を減らしているとわかりますね。
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糖尿病予備群の場合
糖尿病予備群の場合、自分に必要なカロリー・炭水化物量を計算して、1日3食「主食・主菜・副菜」と1日1~2回「果物・乳製品」を摂るのが理想です。
「まだ予備群なのにそこまではできない」と感じるのであれば、まずは血糖値の上がりにくい食べ方を身につけましょう。
1日に摂る糖質量や食べる順番・スピードを意識するだけでも、血糖値の上昇度は変わりますよ。
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糖尿病でもOKな作り置きおかずレシピを伝授
糖尿病食で大切なことの1つは、野菜やきのこ、こんにゃくをたっぷり食べることです。
とはいえ、毎日おかずをたくさん作るとなると負担が大きくなります。そこで野菜やきのこやこんにゃくを使ったおかずの作り置きをしておくと、毎日の負担は軽くなるかもしれません。
【レンジで野菜のナムル】
・ほうれんそう 1把
・もやし 1パック
・にんじん 1/4本
・ごま油 大さじ1
・鶏がらスープの素 小さじ1
・白ごま 大さじ1
【作り方】
①ほうれんそうは食べやすい大きさ、にんじんは千切りして、もやしは洗ってザルにあげておく
②耐熱容器ににんじん・ほうれんそう・もやしの順に重ねてふんわりとラップをかけ、電子レンジ600wで10分加熱する(様子を見ながら時間を追加する)
③野菜に火が通ったら調味料と白ごまを混ぜて、できあがり
※野菜は小松菜やピーマンなど好きなものに変えてOKですよ
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【きのこの和風蒸し】
・えのき 1パック
・舞茸 1パック
・酒 大さじ3
・めんつゆ 大さじ1
【作り方】
①えのきは食べやすい大きさに切り、舞茸は手でほぐす
②フライパンか鍋に①・酒・めんつゆを入れたらふたをして、火をつける
③きのこに火が通れば、できあがり
※きのこはしめじやエリンギでもおいしいですよ
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【しらたきのにんにく炒め】
・しらたき 1パック
・油 小さじ1
・にんにくチューブ 3cm
・醤油 大さじ1
【作り方】
①しらたきはさっとゆでておく
②フライパンに油とにんにくを入れ火をつける
③②にしらたきを入れ炒める
④しらたきに火が通ったら、醤油を入れてできあがり
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まとめ
以上、糖尿病食1日分の献立や外食、お惣菜を選ぶ際のポイントをお伝えいたしました。
糖尿病の方の食事において大切なのは、まず主食の量を覚えることです。そして主菜・副菜・間食においても、自分にとっての適量を把握できるようになるとよいでしょう。
食べ方によっても血糖値の上がり方は変わるので、少しずつ身につけていきたいですね。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や食事の記録がカンタンにできます。自分にとっての適量を把握するツールとしても役立つので、ぜひ活用してくださいね。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
日本糖尿病学会 糖尿病食事療法のための食品交換表
女子栄養大学出版部 外食・コンビニ・惣菜のカロリーガイド