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ココアの栄養成分で体や心を健康に~効果的な飲み方も紹介~

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ココアの栄養成分で体や心を健康に~効果的な飲み方も紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

寒い時期やホッとしたい時に飲みたくなるココア。

そして「ココアは甘くて美味しい上に栄養がある」と、聞いたことのある方も多いでしょう。

たしかにココアには健康によい栄養成分が含まれます。ただし、ココアの種類によって含まれる栄養成分の量が違うので、知っておいて損はありません。

今回はココアに含まれる栄養成分について、くわしく解説いたします。効果的な飲み方もお伝えするので、ぜひ最後までお付き合いください。

ココアの栄養成分と効能効果

ココアには純ココア調整ココアの2種類あり、それぞれ食物繊維やミネラル、ポリフェノールを含みます。

純ココアとはカカオ豆を焙煎してすり潰したカカオマスからココアバターを除いたあと、粉末状にしたもののことです。そのままでは苦みが強いので、砂糖や牛乳を入れて飲むことが多いです。また、お菓子の材料としてもよく利用されています。

そしてお湯や牛乳に溶かすだけで飲める甘いものを、調整ココアと呼びます。調整ココアは、純ココアにあらかじめ砂糖や脱脂粉乳を混ぜて飲みやすく加工したものです。

お通じや血糖値の悩みを解決する食物繊維

お通じや血糖値の悩みを解決する食物繊維

食物繊維は、便秘解消や血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。

ココアには飲み物の中ではトップクラスの食物繊維が含まれます。そして、その多くが水に溶けにくい不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は、水分を含むと膨らみ腸を刺激して便秘を解消します。

なお、水に溶けやすい水溶性食物繊維は腸内でジェル状になり、糖質の吸収をゆっくりにします。そのため、血糖値を緩やかに上昇させるのです。

ココアの食物繊維量をマグカップ1杯分に換算すると純ココアは1.2g、調整ココアは1.1gです。同じ飲み物であるお茶やコーヒーの食物繊維はゼロなので、食物繊維が手軽に摂れる飲み物は珍しいといえますね。

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体の働きをサポートするミネラル

ミネラルは体の調子を整える栄養素です。

ココアには、マグネシウムやリン、鉄、亜鉛、銅などのミネラルが豊富に含まれます。それぞれの主な働きは下記のとおりです。

マグネシウム 筋肉の収縮や体温、血圧の調整
リン 骨や歯を正常に発達させる
 血液中でヘモグロビンとなって、体中に酸素を運搬する
 ヘモグロビンをつくる際に、鉄の吸収を助ける


さらに動物試験において、ココアの原料であるカカオマスのミネラルは、アーモンドなど他の種実類と比べて体内で栄養効果を発揮しやすいという報告もあります。

なお、ほとんどのミネラルは調整ココアと比べて純ココアの方が多く含まれます。

体の酸化に対抗するポリフェノール

ポリフェノールは、活性酸素の発生や働きを抑える抗酸化物質です。

活性酸素は免疫機能などの働きがあり、微量であれば私たちの体にとって悪いものではありません。ところが、活性酸素が増えすぎると細胞を傷つけ、心疾患や生活習慣病の原因となります。

そこで抗酸化作用のあるポリフェノールなどを摂って、体の活性酸素量を一定に保つ必要があるのです。

ちなみに純ココアのポリフェノールは、調整ココアの4.5倍含まれます。

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ココアを飲むと健康になれるの?

ココアを飲むだけで健康になれるわけではありませんが、健康によい効能があるのは事実です。ここでは、ココア特有の効能を紹介いたします。

カカオポリフェノールの効能

ココアに多く含まれるカカオポリフェノールの抗酸化作用は生活習慣病などの予防効果が期待されます。

すでに人を対象とした臨床試験の結果においても、

・健常者や血圧が少し高めの人の血圧が低下した
・インスリン(※)の働きを改善
・脂質代謝異常の改善

とわかっています。

(※)血糖値を下げるホルモン

さらに、カカオポリフェノールには動脈硬化の発症を遅らせる可能性が期待されています。

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体を温める効果も

体を温める効果も

まだはっきりとしたことはわかっていませんが、純ココアが体を温める可能性がある、と示された実験結果があります。

その実験は健康な18~24歳の女性を対象としたものです。純ココアなどの飲み物を飲んだあとの体表温と手足など体の抹端における血流量の変化をみてに、体を温める効果があるのか考察しています。

結果として、ココアには体温を上昇または維持する効果があると示されました。一方で、私たちの体表温には個人差が大きく、指標とするには難しいのが現実です。今後の研究結果が楽しみですね。

飲みすぎはデメリットになることも

調整ココアは砂糖を多く含んでいるため、飲みすぎるとカロリーオーバーとなり太る原因になります。

また、ココアにはカフェインが含まれているため、カフェインを控えたい方は飲まない方がよいのではないかと思いますよね。

ところが、ココアに含まれるカフェインの量はコーヒーの1/2程度と言われているため、過剰に気を遣う必要はありません。

ココアには精神安定効果もあるのか

ココアの材料であるカカオマスは、精神的ストレスを抑制・改善するため精神安定効果がある、といわれています。つまり、疲れた時にココアを飲むとホッとするのには、科学的根拠があると考えられているのです。

ストレスを低減させる効果

まだ動物実験の段階ですが、ココアにはストレスを低減させる効果が期待されています。

実験によると、ラットにストレスを与えた後カカオマスを摂取すると、精神的なストレス反応が抑えられたそうです。

これはカカオマスを使った実験ですので、ココアを飲んでストレスが解消されるかはわかりません。しかし、ココアには心を落ち着かせる可能性があるといえますね。

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効果的な飲み方

ココアの栄養成分や効能を活かすには、おやつとして飲むのがオススメです。

ココアはケーキなどの洋菓子やおまんじゅうなどの和菓子と比べて栄養豊富です。そこでおやつとして飲むと、手軽に栄養補給できます。

ポイントは、おやつのお供でなくおやつ代わりに飲むことですよ。

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オススメなタイミング

オススメなタイミング

ココアは15時台までに飲むのがオススメといえます。

というのも、活動量の少なくなる夕方から夜にカロリーや糖質の多いココアを飲むと、消費できずに中性脂肪として体に蓄積される可能性が高いからです。

中性脂肪が増えると肥満や生活習慣病になるリスクが高まるので、ココアは15時台に飲むのがオススメですよ。

1日に飲んでよい量

ココアは1日に1杯程度、おやつとして飲みましょう。

なぜなら、ココアはカロリー・糖質が多い飲み物だからです。調整ココアはお湯で作ったものは1杯80kcal、糖質は15gです。牛乳120mlで作ると、156kcal20.8gになります。

では、純ココアならカロリーや糖質が控えめなのでは?と思うかもしれません。ところが、純ココアはそのままお湯に溶かすと苦いため、飲む際に牛乳と砂糖を入れる必要があります。ちなみに牛乳と砂糖で作った純ココアのカロリーは122kcal、糖質は23.7gです。

一般的に、健康な成人の間食は1日に200kcalまでといわれています。つまり、牛乳で作ったココアを2杯以上飲むと間食の目安を超えてしまいます。そこでおやつとしてココアを飲むなら、牛乳で作ったものは1杯までお湯で作った調整ココアは2杯までと覚えておくとよいですね。

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まとめ

まとめ

以上、ココアは体や心を健康にする栄養成分が含まれているとわかりました。

ココアには純ココアと調整ココアの2種類あり、それぞれ食物繊維やミネラル、ポリフェノールを含みます。ほとんどの栄養成分は純ココアに多いため、純ココアの栄養価はかなり高いといえます。

一方で、調整ココアも飲み物の中では栄養価が高く、手軽に栄養補給できるのがメリットです。

ただし、純ココア・調整ココアともにカロリー・糖質が高いので、おやつとして1日1杯程度を目安に飲むようにしましょう。

それでは、当記事を参考におやつとしてココアを楽しんでいただけるとうれしいです。

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参考文献
厚生労働省食品に含まれるカフェインの過剰摂取について
文部科学省 食品成分データベース
J-STAGE カカオポリフェノールの包括的研究 長期経腸栄養患者の銅欠乏に対する,ココアによる銅補充及び維持療法の検討
日本食品科学工学会誌 ココア摂取がヒト体表温に及ぼす影響
日本チョコレート・ココア協会

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