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【医師監修】CGMとは?~毎回針を刺さない持続血糖測定器で血糖値を知ろう~

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CGMとは?~毎回針を刺さない持続血糖測定器で血糖値を知ろう~

当記事は、内科認定医・糖尿病専門医 古賀 萌奈美先生にご監修いただきました。
執筆はライター 前間弘美(管理栄養士)が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

「CGMは糖尿病の血糖コントロールによい」
「血糖トレンドを把握するために、CGMを使おう」

このような話を聞いたことはあるものの、CGMがなにかいまいちわからない。

今回は、そんなあなたのためにCGMについてお伝えします。簡単にまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

CGMとは

CGMはContinuous Glucose Monitoringの略で、持続グルコース測定の意味です。CGMにはリアルタイムCGMとFGM(isCGM)の2種類があります。

参考記事:【医師監修】CGMで糖尿病と上手に付き合おう~血糖コントロールを良好に~

リアルタイムCGMとは

リアルタイムCGMとは

リアルタイムCGMは腕やお腹などに細いセンサーを刺し、皮下の間質液中のグルコース値を持続的に自動で測定します。血糖値と間質グルコース値はほぼ同じなので、測定を続けると1日の血糖トレンドがわかる仕組みになっています。

ちなみに、間質液は細胞と細胞の間の液体です。私たちが食事から摂ったグルコースは、血管を通して体中に運ばれ、毛細血管から間質液、そして間質液から細胞に移動します。

つまり食事を摂るとはじめに血液中の血糖値が上昇し、その後間質グルコース値が上昇するのです。下降の際も同じくまず血糖値が下降し、次に間質グルコース値が下降します。

血糖値と間質グルコース値の動きは、1日という長い目で見れば変化はほぼ同じです。ただし、食後や運動後は血管から間質液にグルコースが移動する時間分、誤差が生まれるのです。なお、血管から間質液にグルコースが移動する時間は、約10~15分といわれています。

参考記事:糖尿病の方にとってぶどう糖とは~オススメの摂り方も紹介~

FGMとは

FGMはFlash Glucose Monitoring(フラッシュグルコースモニタリング)の略で、測定した時にその時点と過去数時間の血糖値を記録するものです。Flashは、「瞬間」という意味をもちます。

さらに詳しくお話ししますと、FGMは通称名で正式には、isCGM(intermittently scanned CGM)といいます。日本語にすると、間歇(かんけつ)スキャン式持続グルコース測定の意味です。

間歇(かんけつ)とは、 「定期的に物事が起こっては止むような様子」なので、定期的にスキャンすることを表しています。ところが最近ではほとんどの方がisCGMのことを、FGMではなくCGMと呼びます。CGMといっても、リアルタイムCGMとは限らないのでご注意ください。

SMBGについて

SMBGについて

SMBGはSelf Monitoring of Blood Glucoseの略で、自己血糖測定の意味です。

糖尿病患者さん自身が穿刺具(せんしぐ)を使って、針で指先から血を採取し、簡易血糖測定器で血糖値を測る方法です。

日常生活の決められたタイミングで使用することで、血糖値の変動がわかります。また、低血糖時やシックデイ時は対応の指標にもなります。

関連記事:低血糖とはどのような症状?~原因や高血糖についてもわかりやすく解説~
関連記事:【医師監修】シックデイで糖尿病の方が注意すべきこととは?原因や3つの対策法を解説

CGMの精度は?

CGMで測定される間質液中グルコース値は、血糖トレンドを把握するための指標としての精度は高いです。また、日常生活において低血糖を避けられた、という報告もあることから、血糖コントロールに役立つといえます。

ただし、食後や運動後などの血糖変動が大きい時間では、CGMの測定値と実際の血糖値に差が出やすいことも事実です。血管から間質液中にグルコースが移動するのに時間がかかるため、一般的には10~15分ほどの誤差があるといわれていて、とくにインスリン投与後や運動後で急激に血糖値が低下している際には注意が必要です。

CGMは、あくまで血糖トレンドを把握するものであり、正確な血糖値を知るには穿刺(せんし)による測定が欠かせません。低血糖症状がある時は、CGMではなくSMBGによる確認を行ってください。

持続血糖値測定器(CGM)を使用するメリット

持続血糖値測定器(CGM)を使用するメリット

CGMを使用すると、

食事や運動と血糖トレンドの関係を見える化できること
日常生活でのこれまで気づけていなかった高血糖や低血糖状態を見逃さないこと

 

がメリットです。

食事や運動と血糖トレンドの関係を見える化すると、日々の生活での改善点に気付けるほか、モチベーションのアップにもつながります。

さらにCGMは日常生活を送りながら使用できるます。SMBGと異なり穿刺具などの準備が不要なので、忙しい時や外出先でも気軽に血糖測定を行えます。また診察時の血糖値測定や決められた時間の自己血糖値測定では見逃してしまいがちな、高血糖・低血糖状態に気付けます。

糖尿病患者さんの血糖値は食事や運動、健康状態、薬の量によって激しく変動します。とくに、夜間入眠中や早朝など自己測定では難しい時間帯の血糖変動や低血糖を知れる点は大きなメリットです

低血糖はくり返すと自覚症状がうすくなり、無自覚の低血糖を引き起こす可能性があります。CGMを使用し低血糖を起こしやすい状況を把握することで、重症な低血糖に陥る事態を避けるための対策をとりやすくなる、といえるでしょう。

CGMを導入できる病院はこちらから検索できます。
使ってみたい方は一度受診して相談してみてください。

参考記事:【医師監修】個々の血糖トレンドはCGMで把握〜食事・運動の行動変容につなげよう〜

まとめ

以上、CGMについてわかりやすくまとめました。

CGMは、上腕などに刺した細いセンサーで間質液中グルコース量を測定し、1日の血糖トレンドを把握するものです

もちろん穿刺(せんし)による実際の血糖値測定は必要ですが、CGMは日常生活において高血糖や低血糖状態を見逃さないために活用できます。

それでは、当記事があなたの生活の助けとなりますと幸いです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

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【参考文献】
一般社団法人日本糖尿病学会 リアルタイム CGM 適正使用指針
認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク CGM FGM
日本糖尿病学会誌第58巻第9号 Personal CGM および Professional CGM の測定精度の検討

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