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糖尿病の方にとってぶどう糖とは~オススメの摂り方も紹介~

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糖尿病 ぶどう糖

当記事を監修した専門家:管理栄養士・糖尿病療養指導士 川瀬薫、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください)

あなたは「ぶどう糖」と聞いて何を想像しますか?

糖尿病の方や血糖値が高めの方なら、「ぶどう糖負荷試験」を受けたことがあるかもしれません。また、「ぶどう糖は脳の唯一の栄養源」と聞いたことがある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

ぶどう糖は糖尿病の方や血糖値が気になる方にとって、とても重要です。そこで、今回はぶどう糖についてしっかり理解していただけるよう、分かりやすく説明いたします。ぜひ最後までお付き合いください。

糖尿病とぶどう糖の関係

糖尿病とぶどう糖の関係

「血糖値」とは血液中のぶどう糖の量ですので、「ぶどう糖を食べると血糖値が上がる」というのはイメージしやすいかと思います。実際、ぶどう糖は他の糖質と比較して、非常に早く血糖値を上げてしまいます

その仕組みをぶどう糖の化学構造から説明します。

ぶどう糖とは

ぶどう糖はグルコースとも呼ばれ、最も代表的な単糖です。単糖とは糖の最小単位で他に果糖(フルクトース)やガラクトースがあり、この単糖がいくつか連なってさまざまな糖質を構成しています。

砂糖はぶどう糖と果糖が1つずつ連なった形、ごはんやパンに含まれるでんぷんはぶどう糖がたくさん連なった形です。

ぶどう糖とは

複数個連なった糖質は消化液で分解され、1つの単糖になって初めて体に取り入れることができます。つまり、たくさんの単糖が連なったでんぷんよりも、2つの単糖が連なった砂糖の方が早く消化・吸収されます。

ぶどう糖は、はじめから1つの単糖なので消化液で分解する必要がなく、砂糖よりさらに早く吸収されるのです。

なお、糖尿病検査のひとつ「ぶどう糖負荷試験」は、ぶどう糖が入ったジュースを飲んで、どれだけインスリンが出るか、血糖値を下げる力があるかを調べる検査です。

参考記事:糖尿病の検査ってどうやってやるの?〜診断基準や方法を分かりやすく紹介〜

脳の唯一の栄養源というけれど⁉

脳の唯一の栄養源というけれど

ぶどう糖は脳の唯一の栄養源」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

確かに通常の生活で、脳のエネルギー源になるのはぶどう糖だけです。脳は非常にエネルギーを必要とする臓器で1日に120gのぶどう糖が必要と言われています。

そう聞くと「脳のためにぶどう糖をしっかりとらないといけないのかな」と感じるかもしれません。しかし、待ってください!だからといって糖尿病の方、血糖値が気になる方が普段からぶどう糖をとることはオススメできません

というのも先ほどもお話した通り、ごはんやパンに含まれるでんぷんは消化されてぶどう糖になります。それだけでなく、体の中ではいつでもぶどう糖を利用できるよう備蓄されています。また、私たちの体には体内の脂質やたんぱく質をぶどう糖に変える仕組みがあるので、直接ぶどう糖の形で摂取しなくても大丈夫です。

とくに血糖値が高い方は、血液中にたくさんのぶどう糖があるということです。低血糖でない限り、ぶどう糖は不足しません。

参考記事:脳の栄養「ブドウ糖」とは〜効果から食べ物まで幅広く紹介〜

糖尿病の方のぶどう糖との付き合い方

糖尿病とは血液中のぶどう糖の量をうまくコントロールできない病気です。健康な人なら血糖値が70~140mg/dlの範囲内にコントロールされていますが、糖尿病になるとそれより高い状態が続く反面、極端に血糖値が低くなることもあります。

糖尿病の方は正常範囲内に血糖値をコントロールすることが目標で、低血糖の時と高血糖の時では対処方法が変わってくるのでご注意ください。

簡単に言うと「普段はぶどう糖を食べない方が良いけれど、低血糖の時だけはぶどう糖が必要」です。

普段の間食にぶどう糖を食べない方がいい!その理由

普段の間食にぶどう糖を食べない方がいい!その理由

先ほどお話した通り、ぶどう糖は血糖値を急激に上げるため、普段の間食としてはオススメできません。

食後、急に血糖が上がることを血糖値スパイクといい、この血糖値スパイクが血管を傷つけ、さまざまな合併症の原因になります。糖尿病の方、血糖値を気にしている方は普段から砂糖を控えている方も多いかと思いますが、砂糖より急に血糖値を上げてしまうぶどう糖はさらに要注意です!

また、糖尿病の方の中に「低血糖が怖いから」と普段からぶどう糖を食べている方がいらっしゃいますが、これもよくありません。なぜなら血糖値が高い時にぶどう糖のような血糖値を急激に上げるものを摂取すると、血糖スパイクを招くだけでなく、その反動で一時的な低血糖になる可能性があるのです。

血糖コントロールのコツは、血糖値の変動をできるだけ緩やかにすること。まずは、今の血値値が高いのか低いのか正しく把握し、ぶどう糖は本当に低血糖の時だけ利用しましょう。

関連記事:食後に注意!血糖値スパイクとは?原因と予防を初心者でもわかるよう解説

ぶどう糖が必要なのはどんな時?

糖尿病の方にとってぶどう糖が必要なのは、低血糖時です。低血糖は重症化すると意識を失うなど大変危険ですので、すぐに対処が必要です。

オススメのぶどう糖と目安量

血糖値が70mg/dlを下回ったら、ぶどう糖10gをとり、15分たって改善しなければさらにぶどう糖10gをとります。

この時、砂糖20gでも代替えできるのですが、もしαグルコシターゼという種類のお薬を服用されているなら、砂糖ではなくぶどう糖でないといけません。普段からぶどう糖を持ち歩くのがオススメです。

ぶどう糖10gというと、

参考:大丸本舗 ぶどう糖

例えば上記画像のタイプのぶどう糖なら3~4個、

森永ラムネ
参考:森永製菓 ラムネ

大粒ラムネなら11個です。

なお、低血糖時の対応の詳細については、かかりつけの医師、管理栄養士にご確認ください。

ぶどう糖果糖液糖って何?

ジュースなどの原材料表示に「ぶどう糖果糖液糖」と書かれているのをご覧になったことはありませんか?これは異性化糖といってでんぷんから作られたぶどう糖と果糖が混ざった液糖です。

砂糖が消化された形をイメージするとわかりやすいです。砂糖より血糖値を急に上げるので、普段はできるだけとらないようにしましょう。

一方で、低血糖の際はぶどう糖果糖液糖入りのジュース150~200mlを目安に飲むとぶどう糖10gをとれます。

まとめ

以上、糖尿病の方とぶどう糖の付き合い方について説明いたしました。

まとめますと、

・ぶどう糖は急激に血糖値を上げるので、普段はあまりとらない方がいい
脳にとって重要なエネルギー源であるが、私たちの体は脳に不足なくぶどう糖を供給できるような仕組みがいくつもある。
低血糖の際にぶどう糖は有効普段から持ち歩き、1回に食べる量を確認しておくのがオススメ

以上です。糖尿病の方にとってぶどう糖と上手に付き合うことが、血糖コントロールのカギになります。

当記事を参考に、ぶどう糖の理解を深めていただけると幸いです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

【参考文献】
厚生労働省e-ヘルスネット ぶどう糖
日本イーライリリー株式会社 低血糖の症状とは?原因・対処法
有限会社大丸本舗 ぶどう糖商品情報
森永製菓株式会社 ラムネ商品情報

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