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炭水化物と糖質は違うもの?〜食物繊維との関係や糖質の計算方法も~

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炭水化物と糖質は違うもの?〜食物繊維との関係や糖質の計算方法も~

当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

最近よく聞く「炭水化物」や「糖質」という単語。

低炭水化物ダイエットや糖質制限ダイエットについて、耳にすることも多いです。

炭水化物や糖質がご飯やパン、お菓子のことを指しているのは、なんとなくわかる方も多いでしょう。では、なぜ炭水化物と糖質、2つの単語があるのでしょうか?

そこで今回は、炭水化物と糖質の違いについてわかりやすく解説いたします。糖質の計算方法や1日の目安量についてもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。

炭水化物と糖質の違いはなにか

炭水化物と糖質の違いは、食物繊維を含むか含まないかという点です。

炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたもの、糖質は炭水化物の中でエネルギー源となるもののことです。

わかりやすく式にすると、

炭水化物=糖質+食物繊維

のようになります。

炭水化物の働き

炭水化物は炭素・水素・酸素が合わさってできたもので、エネルギーをつくる栄養素です。

脂質やたんぱく質と共に三大栄養素と呼ばれ、体を動かすエネルギーの素となります。私たちが摂取するエネルギーの50~60%は、炭水化物由来だといわれています。

参考記事:砂糖のカロリー&糖質は本当に高い?~砂糖を摂ると太るのか徹底検証〜

糖質はエネルギー源

糖質はエネルギー源

糖質は消化酵素で消化され体内でエネルギーとして利用できる栄養素です。

炭水化物由来のエネルギーのほとんどは、糖質によるものだと考えられています。糖質はブドウ糖に変換され、脳のエネルギーとして利用されます。

参考記事:脳の栄養「ブドウ糖」とは〜効果から食べ物まで幅広く紹介〜

食物繊維は第6の栄養素

食物繊維はヒトの消化酵素では消化できず、そのまま大腸までたどり着く栄養素です。

以前、食物繊維は消化・吸収されないため栄養素には含めない、といわれていました。しかし、最近では食物繊維の摂取量と生活習慣病の関連が注目され、5大栄養素(※)に続く「第6の栄養素」と呼ばれるようになったのです。

(※)炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルのこと

参考記事:五大栄養素の働きとは?管理栄養士がわかりやすく解説~主な役割も紹介~

食物繊維がかかわる理由

炭水化物・糖質・食物繊維はいずれも炭素・水素・酸素の3元素で構成されています

そのためエネルギー源といわれる炭水化物・糖質と、エネルギー源でない食物繊維が1つの物質として考えられています。

糖質量の計算方法

糖質量の計算方法

炭水化物=糖質+食物繊維

なので糖質量を計算したい時は、

糖質=炭水化物-食物繊維

と、計算できます。

現在、一般的に販売されている食品のパッケージには栄養成分表示といって、カロリー・たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウム(食塩)の表示が義務付けられています。

ところが、糖質や食物繊維の表示は義務ではありません。つまり炭水化物量は書かれていても、糖質や食物繊維の量は書かれていない食品もあるのです。そこでカロリー・たんぱく質・脂質をもとに、糖質量を計算することができます。

まず前提として三大栄養素のカロリーは、

・糖質=4kcal
・たんぱく質=4kcal
・脂質=9kcal
*1gあたり

です。そして、

・糖質(g)=(カロリー(kcal)-たんぱく質(g)×4(kcal)-脂質(g)×9(kcal))÷4(kcal)

の計算で糖質量を出すことができます。

ちなみに、炭水化物量から上記計算式で求めた糖質量を引いたものが食物繊維量となります。

実測ではなくあくまで計算式による量ですが、パッケージに表示されていない糖質量が気になる方は、ぜひお試しくださいね。

炭水化物に1日の目安量はあるの?

健康な方であれば、炭水化物は1日の摂取エネルギーに対して50~65%が目安量です。1日に必要な摂取エネルギーの適量は、体格や性別、活動量によって異なります。

たとえば30~40代の男性(活動量ふつう)であれば、推定エネルギー必要量は2700kcalです。そのうちの50~60%は1350~1755kcalなので、1日あたり337~438gが炭水化物の目安量になります。

糖質も適量がある

糖質の目安量は炭水化物と同じく、1日の摂取エネルギーの50~65%がよいでしょう。

炭水化物や糖質はエネルギー源として大切な栄養素ですが、摂りすぎると中性脂肪として体に蓄えられてしまいます。そのため目安量が決められているのです。

30~40代の男性(活動量ふつう)の方は1日あたり337~438gの糖質量が目安なので、1食あたりの糖質量は112~146gが適量といえます。

参考記事:【医師監修】血糖値とダイエットの関係~急上昇を防ぐ食べ方で太りにくい食生活に~

食品別の糖質量一覧

食品別の糖質量一覧

1食あたりの糖質量の目安がわかっても、それぞれの食品にどれだけ糖質が入っているのかわからないですよね。

そこで代表的な食品の糖質量を表にまとめましたので、ご参考ください。

 

【食品の糖質量】

食品名糖質量
ご飯(茶碗1杯200g)76.2g
食パン(6枚切り1枚)28.9g
メロンパン(1個)49.7g
おにぎり(1個)38.1g
バナナ(1本)16.7g
みかん(中1個)7.4g
鶏もも肉(1枚)0g
鮭(1切れ)0.1g
じゃがいも(1個)25.5g
にんじん(1/4本)1.9g
レタス(1枚)0.5g

参考記事:ご飯1杯のカロリーと糖質はどれくらい?糖質制限での活用を踏まえシンプルに解説
参考記事:食パンの糖質は高い?〜糖質オフや糖質制限にオススメの商品も紹介〜
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参考記事:糖質の少ない&多い食べ物ランキング~手軽な市販の低糖質食品もご紹介~
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参考記事:人参のカロリーと糖質は高いの?~糖質代謝に配慮したレシピも紹介~
参考記事:レタスのカロリーと糖質は低い?種類による違いやキャベツとの比較も紹介

食物繊維は積極的に摂りたい栄養素

くり返しになりますが、食物繊維の摂取量は生活習慣病と関連があるとされ、積極的に摂りたい栄養素です。ところが、現在日本人の食物繊維の摂取量は不足気味です。

そのため、日本人の食事摂取基準(2020年版)では18~64歳の男性で21g以上、女性で18g以上の食物繊維の摂取を目標としています。

なお食物繊維が生活習慣病と関連があるといわれる理由は、その働きにあります。

・腹持ちをよくして食べすぎを防ぐ(肥満予防
・コレステロールを排出する(脂質異常症予防
・糖質の吸収を緩やかにする(糖尿病予防
・ナトリウムを排出する(高血圧予防
・腸内環境を整える(便秘予防

以上の働きが生活習慣病を防ぎ、健康な生活につながるのです。

参考記事:食物繊維を多く含む食べ物をランキング形式でご紹介~ダイエット中にオススメな理由も解説~

炭水化物と糖質は同じではない

炭水化物と糖質は同じ意味合いで使われることの多い栄養素ですが、完全に同じではありません。

食物繊維の多い食品は炭水化物量が多くても、糖質量は少ない可能性があります。あくまで炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせた栄養素なのです。

お菓子を主食代わりにできない理由

お菓子を主食代わりにできない理由

お菓子と主食では摂取できる栄養素が異なるため、お菓子は主食代わりにはなりません。

同じ適量の糖質を摂るなら、ご飯の代わりにお菓子でもよいのでは?と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし同じ糖質量のお菓子と主食では、摂取する栄養素の量が違うのです。

たとえば、ほぼ同じ糖質量のご飯とクッキーを比較してみます。

栄養素ご飯(茶碗1杯200g)クッキー(13枚104g)
糖質76.2g75.5g
カロリー312kcal532kcal
たんぱく質5g5.9g
脂質0.6g28.7g
食物繊維3g1.5g
塩分相当量0g0.6g

同じ糖質量であっても、ご飯と比べてクッキーはカロリー・脂質・塩分が多いとわかります。カロリーや脂質を摂りすぎると肥満につながる可能性があり、塩分の摂りすぎは高血圧の原因です。

また、たんぱく質はほとんど変わりませんが、食物繊維はご飯の半分しかありません。たんぱく質は皮膚や筋肉の材料で、食物繊維は腸内環境を整える働きをもちます。

私たちが健康な生活を送るには、必要なカロリーの中で十分に栄養素を摂ることが大切です。そのため1日3食、主食(ご飯やパン)・主菜(肉や魚のおかず)・副菜(野菜や海藻のおかず)と乳製品・果物を組み合わせるとよいといわれています。

参考記事:ダイエット中に間食を選ぶポイントとは?〜ランキングやレシピも大公開~

低カロリー甘味料の秘密

最近では、コンビニやスーパーで糖質ゼロや低糖質と表示されたお菓子や飲み物の販売が増えました。

そして糖質を控えた商品のほとんどに、低カロリー甘味料が使われています。低カロリー甘味料には砂糖と比べて甘味が強く少ない使用量で済むものと、体内でエネルギーとして利用されないものがあります。

いずれも砂糖を使用した場合と同じ甘味にもかかわらず、摂取カロリーや糖質量を控えられる点が特徴です。カロリーや糖質を抑えたい時は、適度に活用するとよいでしょう。

参考記事:ラカントのカロリー&糖質はゼロ?~気になる味やダイエット活用法まで解説~

まとめ

炭水化物と糖質の違いは、食物繊維を含むかどうかだとわかりました。

炭水化物は三大栄養素の1つで、体を動かすエネルギー源となる栄養素です。そしてそのエネルギー源は、主に糖質由来のものです。

食物繊維は私たちの体の中では消化吸収できないため、ほとんどエネルギーにはなりません。しかし近年、生活習慣病との関連が注目され、積極的に摂ることがすすめられている栄養素です。

炭水化物や糖質は、ご飯やパンなどの主食やお菓子に多く含まれています。とはいえ、主食とお菓子では摂取するカロリーや食物繊維の量など、栄養面で大きく異なります。

ところが、全ての食べ物の栄養を把握することは難しいですよね。弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは、食事の写真を撮るだけでカロリー・炭水化物・たんぱく質・脂質量が自動計算できる機能が使用できます。ぜひ、お試しくださいね。

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【参考文献】
・厚生労働省 e-ヘルスネット 炭水化物 / 糖質
・消費者庁 栄養成分表示について
・独立行政法人農畜産業振興機構 砂糖以外の甘味料について

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