当記事の執筆は、管理栄養士  前間弘美が担当しました。
＊シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

シャリシャリとした独特の食感を持つ梨は、ジューシーで甘いのにじつはカロリーと糖質が低い果物なのです。

今回は梨の栄養価や簡単レシピも紹介いたしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

梨1個のカロリーと糖質

梨1個あたり（約300g）のカロリーは114kcal、糖質は24.9gです。

果物の中ではカロリー・糖質ともに低めですが、その要因は水分量にあります。なんと梨の水分量は全体の約88％と果物の中でも特に多いので、他の果物と同じ量で比較するとカロリーや糖質が低いのです。

りんごとの比較

梨とよく似た形の果物と言えばりんごですが、りんごのカロリーは100gあたり56kcal、糖質は12.9gと梨に比べると少し高めです。

カロリーや糖質を気にするのであれば、りんごより梨がよいでしょう。

参考記事：りんごはダイエットに良い？糖質・カロリー・栄養から効果を解説

梨を食べたら太るのか

梨は、適量であれば食べても太りにくい食べものです。なぜなら、

この2点が理由としてあげられるからです。

ただし、1回に2個や3個と食べ過ぎてしまうと太る原因になるので、1日2/3個（200g）程度を目安にするとよいでしょう。

なお、厚生労働省が推進する健康づくり運動「健康日本21」では、健康増進の観点から「1人1日200gの果物」を摂取することを目標にしています。

参考記事：糖質の多い果物ランキング～糖質制限中にオススメの果物もご紹介～

ダイエット中でも安心な梨の食べ方

ダイエット中に梨を食べるなら、朝や昼がオススメです。

なぜなら朝や昼は活動する時間が多く、それに比例してエネルギー消費も多くなるからです。

一方、夜は活動時間が少なくエネルギー消費も少なくるので、余分なカロリーが体に脂肪として蓄積されてしまいます。

梨はカロリーや糖質が低いので、ダイエット中に甘いものを食べたくなった時や小腹がすいたときでも安心して食べられますが、食べる時間帯を朝や昼にするとより安心して食べられるでしょう。

参考記事：ダイエット中に間食を選ぶポイントとは？〜ランキングやレシピも大公開～

梨の栄養価と健康効果

梨に含まれている栄養の中で、代表的なものは以下の5つです。

では、それぞれの効果についてご紹介しましょう。

カリウムが高血圧の予防に役立つ

カリウムは体の中の塩分や水分のバランスを保ってくれる栄養素で、塩分の摂り過ぎを調整し、高血圧やむくみを予防してくれます。

ちなみに、りんごやぶどうなど他の果物と比較すると梨はカリウムを多く含みます。

食物繊維が腸内の環境を整える

梨に含まれる食物繊維は不溶性食物繊維で、腸内環境を整え便通をよくする作用があります。

食物繊維は、水に溶けにくい不溶性食物繊維と水に溶けやすい水溶性食物繊維の大きく2つに分けられ、水溶性食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにします。

ちなみに梨の独特なシャリシャリ感は、石細胞と呼ばれる食物繊維によるものなんですよ。

ソルビトールが便秘解消をサポート

ソルビトールはという成分は整腸作用が期待されている糖の一種で、果物の中で梨に一番多く含まれています。

ソルビトールは便秘解消効果が期待されるので、便秘気味の方にも梨はオススメです。

アスパラギン酸が疲れた体を労る

アスパラギン酸は、アミノ酸の一種で疲労回復の効果が期待されている栄養素です。アスパラガスの汁から発見されたため、アスパラギン酸と名付けられました。

どれくらい多く含まれているのか他の果物と比較すると、なんとりんごの約3.5倍にもなるのです。

参考記事：梨の栄養成分と効能～健康や美容との関係、妊婦さんへの影響も詳しく解説します～

梨のアレンジレシピを紹介

梨はそのまま食べることが多いと思いますが、アレンジを加えるとまた一味違った美味しさがあります。

また、このレシピでは、腸内環境を整える働きを持つ乳酸菌の入ったヨーグルトを使用しておりますので、梨に含まれるソルビトールや食物繊維と併せて、便秘解消効果も期待できますよ。

【梨のヨーグルトスムージー】

【作り方】
①梨は皮をむいて、芯を取り、一口大に切っておく
②材料を全てミキサーに入れて、撹拌（かくはん）する
③コップに移して出来上がり

参考記事：ヨーグルトのカロリー・糖質量は低め〜ダイエットでの活用法も解説〜

まとめ

以上、梨は果物の中ではカロリーや糖質が低いので太りにくく、1日2/3個程度を朝・昼の活動時間帯であれば、ダイエット中でも安心して食べられる、ということがおわかりいただけたと思います。

カロリーや糖質が低いだけでなく、カリウムやアスパラギン酸など健康面で有益な栄養素も含まれているのも嬉しいですね。

また梨に含まれるソルビトールや食物繊維のおかげで、便秘解消効果も期待できます。

それでは、当記事がより良い食生活のお役に立てれば幸いです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・血糖値・血圧などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてくださいね。

■参考文献
文科学省　食品成分データベース
厚生労働省　e-ヘルスネット　
農林水産省　FACT BOOK 果物と健康6訂版
三輪正幸監修「からだにおいしいフルーツの便利帳」（高橋書店）