桃のカロリーと糖質は低いの?〜缶詰・栄養・スイーツレシピもご紹介〜
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
昔話「ももたろう」にも出てくる桃は、歴史も古く弥生時代から親しまれていた果物だったようです。
そんな6月頃に旬を迎える甘い桃は、「カロリーや糖質が多いのかしら…」と気にされている方も多いのではないでしょうか。
意外にも桃のカロリーや糖質は低めです。
そこで当記事では桃の具体的なカロリーや糖質、また桃の栄養や健康効果について分かりやすくお伝えしていきます。
さらには暑い夏にぴったりな、“桃の簡単スイーツレシピ”もご紹介しますので、最後までお付き合いください。
目次
桃のカロリーと糖質(100g換算)
桃のカロリーは、100gあたり38kcal・糖質は8.4gで、カロリー・糖質共に低めと言えます。
桃1個あたりのカロリーと糖質
桃1個は約200gありますので、1個あたりのカロリーは76kcal・糖質は16.8gです。
1個あたりのカロリーと糖質をりんごなど他の果物と比較すると、以下の通りとなります。
カロリー(kcal) | 糖質(g) | |
もも1個(200g) | 76 | 16.8 |
りんご1個(300g) | 168 | 38.7 |
バナナ1本(200g) | 186 | 38.8 |
グレープフルーツ1個(300g) | 40 | 7.5 |
表のように、りんご1個(300g)やバナナ1本(200g)と比べると低めですが、グレープフルーツ1個(300g)に比べると多くなります。
よって、桃は1日1個=200g(※)を目安に食べると良いでしょう。
(※)厚生労働省が定めた「健康日本21」では、健康を保つために1日に200gの果物を摂取する事を推奨
参考記事:りんごはダイエットに向いている?糖質・カロリー・栄養から効果を解説
参考記事:【医師監修】バナナのカロリーと糖質は高い?〜太りにくい理由も解説〜
すもものカロリーは桃より高い?
すもも(=プラム)100gあたりのカロリーは46kcal、糖質は7.8gです。
すもも1個は約50gですので、1個あたりカロリー23kcal・糖質3.9gで、カロリーも糖質も低めと言えます。
ちなみに、すももの名前の由来は「酸っぱいもも」で、早口言葉にも「李(すもも)も桃も桃のうち」がありますが、桃とすももは違うものです。
と言うのも2つともバラ科の果物ですが、さらに細かく分類するとそれぞれ別のグループに属するからです。
桃と同じ6月に旬を迎える甘酸っぱい’すもも’は、甘みより酸味が欲しい時に食べると良いですね。
桃の缶詰のカロリーと糖質は要注意
次に、白桃缶と黄桃缶のカロリーと糖質を見てみましょう。
※100gあたり | カロリー(kcal) | 糖質(g) | |
白桃 | 生 | 38 | 8.4 |
缶詰 | 82 | 16.6 | |
黄桃 | 生 | 48 | 11.4 |
缶詰 | 83 | 16.6 |
白桃の缶詰100gあたりのカロリーは82kcal・糖質は16.6g、黄桃の缶詰のカロリーは83kcal・糖質は16.6gで、どちらも同じくらいのカロリーと糖質量です。
ですが白桃の缶詰や黄桃の缶詰は、生の桃と比べるとカロリー・糖質共に約2倍多くなります。なぜなら缶詰のシロップには、大量の砂糖を使用しているためです。
ダイエット中でカロリーが気になる方や糖質制限をしている方は、缶詰より生の桃が良いですね。
桃の缶詰は食べたら太るのか
桃の缶詰を1回食べただけでは太りませんが、食べすぎると太る可能性はあります。先ほどもお伝えした通り、桃の缶詰は生の桃に比べると、カロリー・糖質共に約2倍多くなるためです。
さらに先ほどの缶詰のカロリーと糖質は果肉のみのものなので、シロップを飲んだ場合にはよりカロリーと糖質を多く摂取することになります。
仮に桃の缶詰を過剰に食べ続けたら、体内へ余分に摂取された砂糖は身体の中で脂肪として蓄えられてしまい、肥満につながるのです。
カロリーや糖質が気になる場合は、缶詰より生の桃を選ぶと良いですね。
参考記事:【医師監修】血糖値とダイエットの関係~急上昇を防ぐ食べ方で太りにくい食生活に~
桃の栄養と健康効果について
桃はみずみずしさが特徴の果物のため、100gあたり水分が88.7gと多いですが、食物繊維やカリウム・ナイアシン等も含まれます。
ペクチンが腸の健康に役立つ
桃には食物繊維の一種であるペクチンが含まれていますが、水溶性ペクチン(※1)と不溶性ペクチン(※2)の両方が豊富です。
(※1)コレステロールに働きかける食物繊維で、コレステロール値を下げる効果がある
(※2)整腸作用が期待できる食物繊維で便通を整える作用がある
カリウムがむくみ解消に効果的
桃にはむくみ解消に効果的なカリウムが含まれています。カリウムはナトリウムを体外に出す働きをして、塩分の摂りすぎを調節するのです。
それに比べ、桃の缶詰は生の桃よりカリウムが1/2減ります。というのもカリウムは水に溶けやすいため、シロップに溶けだしてしまうからです。
生の桃を食べることにより、むくみに解消に効果があるカリウムを効率よく摂りましょう。
その他の栄養素も紹介
さらに桃には、量は多くないもののビタミンCやナイアシンも含まれます。
(1)ビタミンC
水に溶ける水溶性ビタミンのひとつで、オレンジ果汁から発見されました。骨や、骨と筋肉を接合する腱(けん)の成分であるコラーゲンの生成に必要なビタミンです。
また抗酸化作用もあるため、老化防止や病気に対する抵抗力を高める働きもあります。
(2)ナイアシン
水溶性ビタミンでビタミンB群のひとつで、食べたものをエネルギーに変える時に使われるビタミンです。
参考記事:桃の栄養は美容に効果アリ!~缶詰の栄養から食べ過ぎの注意点まで解説~
桃の簡単スイーツレシピを伝授
暑い夏にぴったり!桃のフローズンヨーグルトをご紹介します。
生クリームや砂糖を使わず桃の甘さを活かしたスイーツなので、市販のアイスクリームより低カロリー低脂肪になりますよ。
【桃のフローズンヨーグルト】
・桃 1個
・無糖ヨーグルト 100g
【作り方】
①桃の皮と種を取り、保冷袋に入れつぶす。
②①に無糖ヨーグルトを入れさらに混ぜ、冷凍庫で2時間ほど凍らせる。
<ポイント>
・冷凍庫で凍らせている間、途中で2~3回混ぜることによりサクサクの触感になります。
・完熟の桃を使うことにより、つぶしやすくなるだけでなく桃の甘さも引き立ちます。
参考記事:梨はカロリー&糖質が低めでダイエットにオススメ!〜健康効果もご紹介〜
まとめ
以上、桃100g(1/2個)あたり38kcal・糖質は8.4gで、カロリー・糖質共にやや低めだということが分かりましたね。
また桃には、腸の健康に役立つペクチンやむくみ解消に効果のあるカリウム等が含まれ、健康にも良い作用が期待できます。
しかし桃の缶詰は砂糖を多く使っているので、カロリー・糖質共に生の桃より2倍多くなります。よってダイエット中は、桃缶より生の桃を食べると良いでしょう。
今回の記事より、桃の健康効果を上手く取り入れながら、美味しい桃を楽しんでいただけたら嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・血糖値・血圧などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてくださいね。
■参考文献
文部科学省 食品成分データベース
農林水産省 ももの歴史と主な品種
厚生労働省 eヘルスネット カリウム
農研機構 6月から食べられる「もも」のお話 果樹研究所:一押し旬の話題:核果類の多様性
国立循環器病研究センター病院 食事療法について
健康長寿ネット ナイアシンの働きと1日の摂取量 ビタミンCの働きと1日の摂取量