糖尿病とラーメンの上手な付き合い方~血糖値が上がりにくい食べ方のコツを紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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老若男女、多くの方から愛されるラーメン。
もはや日本の国民食ともいえるポジションを確立しており、行きつけのラーメン屋さんに足しげく通う方も多いのではないでしょうか。
しかし糖尿病の方や血糖値が気になる方の中には、「ラーメンは好きだけど我慢している」「罪悪感を持ちながらラーメンを食べている」という方も多いはず。
そこで今回は、ラーメンを食べた時の血糖の上がり方や、血糖値を上げにくい食べ方の工夫等も紹介いたします。ぜひ最後まで読んで理解を深めていってくださいね。
目次
ラーメンは血糖値を上げやすいの?
ラーメンは糖質が多く、メニューによっては野菜や肉類が少ないため血糖値が上がりやすいメニューだといえます。
そのため、血糖値の急上昇を避けたい糖尿病の方は要注意です。ただし、絶対食べてはいけないというわけではありません。
まずはラーメンの糖質量やカロリーを把握して、食べられる量や食べる順番の工夫を確認していきましょう。
ラーメン1杯の糖質・カロリーをチェック
お店で食べるしょうゆラーメン1杯のカロリーは443kcal糖質65.4gです。
これはごはん茶碗1.5膳分以上の糖質量。残念ながらラーメンの糖質は多めです。
一方、カロリーについては低く感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。この数値はあくまで「あっさり」系のラーメンであって、背油など油脂系の入った「こってり」系のラーメンはカロリーが高めです。
参考までに、こってり系のラーメンはお店によって950kcalほどもあり、これは成人の1日に必要なカロリーの約40~50%にあたります。カロリーの摂り過ぎは血糖値というより、肥満につながることが問題です。
肥満になると細胞の血糖を取り込む力が低下し、血糖値が高くなりやすい体質になってしまいます。巡り巡って血糖値へ悪影響があるため、カロリーの摂り過ぎにも注意が必要なのです。
関連記事:肥満と糖尿病の関係〜治療と予防における2つの基本をカンタン解説〜
インスタントラーメンはどうか
お湯を注いだり煮込むだけで手軽に食べられるインスタントラーメン。お店で食べるラーメンと比べると、カロリーや糖質は低いのでしょうか?
今度はカップラーメンやインスタントの袋麺のカロリー・炭水化物量を紹介します。
【インスタントラーメンのカロリー・炭水化物量】
上の表の通り、飲食店で食べるラーメンと比べてインスタントラーメンは、比較的カロリーが控えめです。
小さめのカップラーメンを選べば糖質も多くはありません。ただし、これだけではラーメン店のラーメン以上に食物繊維とたんぱく質が足りません。サイドメニューを追加するなどの工夫でバランスを整える必要があります。
血糖値を上げにくい食べ方
エネルギーや糖質多めのラーメンですが、やっぱりラーメンが食べたいというときもありますよね。そんな時に役立つコツを紹介いたします。血糖値を上手にコントロールするために、ぜひやってみてください。
麺の量は1玉まで
ラーメンの糖質を抑えるためには麺の量を減らすのが一番です。ラーメンを食べるときは、1玉までとして、替え玉や大盛はガマン!また、ラーメンに炒飯や白ごはんをプラスするのは控えましょう。
もし、お家で作るなら糖質カット麺というものあります。一度チャレンジしてみるのもいいですね。
食物繊維やたんぱく質をプラス
血糖の急上昇(血糖値スパイク)を防ぐには、食物繊維やたんぱく質を一緒に(できれば事前に)とりたいところ。もし野菜たっぷりのラーメンがあれば、そちらがオススメです。大好きなラーメン屋さんに行く前に何か野菜を食べておくなんてことも血糖コントロールの技のひとつですね。
参考記事:【医師監修】食後に注意!血糖値スパイクとは?原因と予防を初心者でもわかるよう解説
【注意】トッピングやサイドメニューの選び方
血糖値の急上昇を防ぐために食物繊維やたんぱく質などをとるのがよいとお話しましたが、たんぱく質としてトッピングにチャーシューを追加することはオススメできません。脂身の多いチャーシューは、たんぱく質より動物性脂質をとり過ぎてしまう可能性があります。
実は脂質を摂ることで血糖値スパイクは避けられますが、一方で糖質×脂質の組み合わせは体脂肪として蓄積されやすいので要注意です。たんぱく質としては煮卵がオススメですよ。
また、自宅や職場でカップラーメンを食べる際のサイドメニューは、おにぎりではなくサラダチキンと野菜サラダなどを組み合わせるのが良いでしょう。袋麺なら野菜や卵と一緒に煮込むこともできますね。
「〆のラーメン」が食べたくなる理由
お酒を飲んだ後にラーメンを食べる方も多いのではないでしょうか。
「〆のラーメン」が食べたくなるのは、アルコール作用でいつもより食欲旺盛になっているからです。
また、アルコールは血糖値の急上昇急降下を引き起こす特徴がありますので、急降下のタイミングでラーメンが食べたくなっているのかもしれません。
しかし、アルコールやおつまみですでにカロリーオーバーになっていることが予想されますので「〆のラーメン」はやめておきましょう。
日ごろから出来る取り組み
食べ方の工夫以外にも、食後の運動が血糖値の改善につながります。
「ラーメンを食べるのが生きがい」というラーメン好きの方は、食べたら電車やバスを一区間前で降りて歩くなど、運動習慣をつけてみるのはいかがでしょうか?
脂肪を減らし、筋肉の量を増やして食後の血糖値が上がりにくい体をめざしましょう。
参考記事:食後の運動は血糖値の改善につながる〜オススメの運動を動画で紹介〜
まとめ
ラーメンの栄養成分から、血糖値の上がり方を説明しました。
まとめますと、
・麺を1玉にして、大盛やご飯ものの追加をやめれば糖質は抑えられる
・血糖の急上昇を予防するために、ラーメンを食べる前に野菜やたんぱく質を食べるといい
・ラーメンを食べた後に軽い運動をすると血糖が上がりにくい
・〆のラーメンはやめる
・普段から体脂肪を減らし、筋肉量を増やして、糖質の多いラーメンを食べても血糖が上がりにくい体質を作っておくことも大切
となります。
それでは当記事を参考に、ラーメンと上手にお付き合いいただければ幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・血糖値・血圧などの記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにぜひ活用してみてくださいね。
【参考文献】
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版
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