【医師監修】糖尿病になると足がつりやすいのはなぜ?〜原因・対処法を解説〜
当記事は、内科認定医・糖尿病専門医 古賀 萌奈美先生にご監修いただきました。
執筆は、健康運動実践指導者 河内義紀が担当しました。
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糖尿病の方は足がつりやすい傾向にあります。
しかし、糖尿病の方が気にする血糖値と足のつりやすさの関係性については、よく知らない方も多いのではないでしょうか。
また、足をつる頻度が多いと「糖尿病が進行しているのでは?」と不安になりますよね。
そこで今回は、糖尿病と足がつる現象の関係性について解説いたします。原因や対処、予防法についてもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
糖尿病の方が足をつりやすい原因とは
なぜ糖尿病だと足をつりやすいのか、はっきりとはわかっていません。
ただし、可能性があるものとしては以下の3点があげられます。
・下肢の動脈閉塞性疾患
・電解質異常
それぞれについて、簡単に解説いたしましょう。
糖尿病性神経障害
糖尿病の方にみられる足のつりの原因としてあげられるのが、糖尿病性神経障害の初期症状です。
糖尿病性神経障害は糖尿病の合併症で、主に末梢神経という手や足など末端に張り巡らされている神経に起こります。
そして、足のつりは神経障害が軽症の段階で起こりやすく、重症になると逆に起こりにくくなると言われています。
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下肢の動脈閉塞性疾患
糖尿病の方の中には、血管合併症として下肢の動脈閉塞性疾患を合併し、これにより足のつりが引き起こされていることもあります。
足のつりが頻発する場合には、これらの合併症検査が必要だといえます。
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電解質異常
足のつりには、体内の電解質異常が関わることもあります。
電解質とはナトリウム(塩分)やカリウム、マグネシウムなどで、よくミネラルと呼ばれている物質です。
糖尿病の方は血清マグネシウムの異常が報告されており、インスリン治療で特に低値を取るとされています。これが足のつりの一因となっているのです。
また糖尿病の方は、高血糖による脱水が原因で電解質異常が起こり、足がつる可能性もあります。
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足がつるとはどのような状態?
足がつるとは、足の筋肉が異常に収縮することをいいます。ふくらはぎや太もも、足の裏にも起こることが多いです。
一般的に足がつる原因は、筋肉の疲れや脱水、塩分喪失などと言われており、その他には降圧剤などの薬剤が関係する場合もあります。
糖尿病の方はいつつりやすいのか
一般的に、足のつりは夜間に起こることが多いのに対し、糖尿病の方では昼間帯にも出現します。
またついやすい部位として、糖尿病の方は足以外にも腕やお腹などの上肢にあらわれる違いがあるのです。
とくに、女性の方やインスリン投与中の方に多くみられるとされています。
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足がつった時の対処法
足がつった時には、その箇所の筋肉を伸ばすと症状が治まると言われています。
ここでは日本医師会企画の記事に掲載された方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。
【座りポーズでのふくらはぎの伸ばし方】
①つった方の足を立膝にします。
②前方に体重をかけ、30秒伸ばしましょう。
【立ちポーズでのふくらはぎの伸ばし方】
①壁に向かって両手をつき(肩の高さ)、つった方の足を後ろに引き、かかとを床につけて膝をしっかり伸ばします。
②かかとを床につけたまま重心を前方へ移動し、30秒伸ばしましょう。
日本医師会 日医ニュース 健康ぷらざN0.462 こむらがえりー足がつった時の対処法ー (指導:千葉大学大学院医学研究院整形外科学 助教 赤木龍一郎)
まとめ
糖尿病の方が足がつりやすい原因は、はっきりとわかっていないものの
・下肢の動脈閉塞性疾患
・電解質異常
以上の3点が可能性としてあげられるとわかりました。
神経障害は完治することは難しいですが、初期から治療を開始することで進行を抑えたり改善したりすることができます。
なお、足がつった際は、その箇所の筋肉を伸ばすと症状が治まります。血行促進のために「手足ぶらぶら運動」するのもおすすめなのでぜひお試しください。
それでは、当記事があなたのお役に立つことを願っています。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や運動の記録がカンタンにできます。ヨガの記録もできますので、日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
厚生労働省 糖尿病性神経障害
J-STAGE 糖尿病患者にみられる有痛性筋痙攣(こむらがえり)の特徴 糖尿病性神経障害
日本医師会 日医ニュース 健康ぷらざN0.462 こむらがえりー足がつった時の対処法ー (指導:千葉大学大学院医学研究院整形外科学 助教 赤木龍一郎)
糖尿病34 (10): 865~871, 1991