ゆで卵の栄養はすごい!~体に良い理由を徹底解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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サラダや煮物、お弁当のおかずと幅広く楽しめるゆで卵。
たんぱく質が豊富で筋トレに励む人から人気のゆで卵は、栄養価が高いため筋トレをしない人にも積極的に食べていただきたい食品です。
ところで、ゆで卵1個にはどのような栄養が含まれるのでしょうか?ゆで卵について気になる疑問も解決いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ゆで卵の栄養成分と効能
ここではゆで卵1個(50g)にどのような栄養が含まれるのか、詳しく解説していきます。
筋肉のもととなるたんぱく質
たんぱく質は、筋肉や臓器など体を構成する主要な栄養素です。またホルモンや免疫物質として、体の調節機能も担っています。
ゆで卵1個にはたんぱく質が6.3g含まれ、これは15~64歳男性の1日に推奨されているたんぱく質量(※)の1/10です。
(※)日本人の食事摂取基準によると、15~64歳男性の1日に推奨されるたんぱく質量は65g
さらにゆで卵のたんぱく質は良質なたんぱく質(※)であり、牛肉などの他のたんぱく質を含む食品に比べて消化や吸収に優れています。
(※)良質なたんぱく質:たんぱく質を構成しているアミノ酸の中でも必須アミノ酸(体内で合成できないアミノ酸)がバランスよく含まれているたんぱく質のこと
重要なエネルギー源である脂質
脂質は摂り過ぎると肥満の原因になるため避けられがちですが、私たちの体を動かす重要なエネルギー源です。
ゆで卵1個に含まれる脂質は5.2gで、卵黄にはレシチンと呼ばれるリン脂質(※)の一種が含まれます。
(※)リン脂質:細胞の膜を作る主要な成分
レシチンは脳の発育に必要な栄養素で、私たちはこの栄養素を主に鶏卵から摂取しています。
ゆで卵に含まれる様々なビタミン
ゆで卵にはビタミンAやビタミンD、ビタミンB群が多く含まれており、詳細は以下の通りです。
・ビタミンD:カルシウムの吸収を促進する
・ビタミンB2:エネルギー産生に関与している
・ビタミンB12:赤血球の合成に必要
気になるカロリー量について
ゆで卵1個のカロリーは67kcalと少なめです。お茶碗に入れたご飯1/4膳と、同等のカロリーです。
ゆで卵は体に良いのか
ゆで卵はアミノ酸、ビタミン、ミネラルなど私たちが健康を維持するために必要な栄養素を多く含んでいる、体によい食品といえるでしょう。
そしてゆで卵は体によいだけでなく、比較的安価であること、スーパーやコンビニなど身近な場所で購入できることなど、手軽に取り入れることができるので積極的に利用したいですね。
脂質が多いって本当?
ゆで卵の脂質は多いのか、他のたんぱく質源となる食品と比べてみましょう。
この表を見ると、ゆで卵の脂質は多くないとわかりますね。ですから、たんぱく質を補う際にはゆで卵を活用すると、他のたんぱく質源となる食品を摂るよりも脂質を抑えることができるのでおすすめです。
ゆで卵はダイエット中にオススメ
ゆで卵は栄養価が高いうえに、低糖質ですのでダイエット中にオススメの食品です。ダイエット中は食べる量を制限することが多く、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しがちですが、ゆで卵はそれらを補うことができます。
またゆで卵1個に含まれる糖質は0.2gと非常に少ないため、糖質制限ダイエットにも適しています。
参考記事:【簡単】ゆで卵ダイエットのやり方を注意点をまじえシンプルに解説【栄養士監修】
ゆで卵と半熟卵、生卵、目玉焼きの栄養を比較
ここまでゆで卵の栄養についてお伝えしてきましたが、次は卵の調理法によって栄養や消化・吸収が異なるのか解説します。
卵は調理によって最も損失しやすい栄養素であるビタミンCを含まないため、調理法によって栄養成分は大きく変わりません。
加熱温度が高くなると損失するビタミンもあるため、あえて栄養価の高さに順位を付けるとすれば生卵、半熟卵、ゆで卵、目玉焼きの順になります。
ただし、生卵は火の通った卵に比べてたんぱく質が体に吸収されにくいので、たんぱく質を補う目的で食べる場合は火を通した卵がおすすめです。
筋トレ男子注目!ゆで卵を食べるタイミングはいつ?
結論から申し上げますと、筋トレとゆで卵を食べるタイミングの関係に言及した著名な研究結果はありません。
ですが筋肉はたんぱく質からできているため、筋力アップにはたんぱく質が必須であることは分かっています。
既にお伝えしているように、18~64歳男性が1日に推奨されるたんぱく質量は65gですが、スポーツ栄養の研究では1日に体重1kg当たり1.2~1.8gの摂取が目安とされています。
つまり体重60㎏の方は、たんぱく質の摂取目安が1日72g~108gです。
これは通常の食事でたんぱく質65gを摂れていたとして、さらにゆで卵を1日1~2個食べることで満たせます。
そして、ゆで卵の食べるタイミングとしては「朝食」がおすすめです。
なぜなら寝ている間に体の修復が行われているため、朝は体内のたんぱく質が不足状態だからです。ゆで卵のたんぱく質は良質であり、かつ手軽に食べることができるので、ぜひ朝食にも取り入れて下さいね。
まとめ
以上、ゆで卵の栄養について解説しました。
ゆで卵は「完全栄養食品」と呼ばれるほど栄養価が高く、とくにたんぱく質、脂質、ビタミンA、D、B群を多く含みます。
そしてゆで卵は低糖質、高たんぱくな食品なのでダイエット中や筋力アップを望む方にオススメです。
それでは当記事を参考に、朝食にゆで卵を取り入れていただけたら嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
厚生労働省 e-ヘルスネット
日本家政学雑誌Vol.68 No.6 297~302(2017) 鶏卵の知識とおいしさ
国立研究開発法人 科学技術振興機構 卵を生で食べるのが一番栄養価が高い?
日本スポーツ協会 アスリートの栄養摂取と食生活