糖尿病に悪化させる&良い食べ物4選~管理栄養士が厳選~
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
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「ケーキやアイスは控えているのに、血糖値が上がり続けるのはなぜだろう…」
血糖値を上げる栄養素は糖質です。ですから、糖尿病の食事で甘いお菓子を控えたり、ご飯のような主食を減らしたりする方法は間違っていません。
しかし良かれと思って日常的に食べているものが、知らず知らずのうちにあなたの血糖値にマイナスの影響を及ぼすこともあります。
そこで今回は、小腹がすいた時に選びがちで、常食すると糖尿病を悪化させてしまう食べ物をご紹介します。
あわせて糖尿病に良い食べ物もお教えしますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
糖尿病が悪くなる原因
血糖値が下がらず高血糖状態が続くと、糖尿病の病状は悪化していきます。
糖尿病とは血液中の糖が多く(高血糖)、血管や血液の状態が悪化する病気です。血液はドロドロの砂糖水状態、血管は傷つけられてボロボロになり、動脈硬化の進行につながります。
そこで高血糖を改善するために有効なのは、食事・運動・お薬での治療です。
運動不足や薬の飲み忘れも糖尿病の悪化に関わりますが、食事においては特に、糖質の過剰摂取が大きな原因となります。
参考記事:【医師監修】食後高血糖になるとどんな症状が起こる?〜改善方法を紹介〜
糖尿病を悪化させる食べ物4選
それでは、糖質の過剰摂取という観点でマイナスとなる食べ物をご紹介します。
今回は、小腹が空いたときによく食べるであろうものから4つを管理栄養士が厳選しました。気になる4選はこちらです。
・シャーベット
・魚肉ソーセージ
・のど飴
あなたがよく食べるものは入っていましたか?それでは、なぜこの4つが糖尿病を悪化させるのか解説いたします。
参考記事:血糖値を下げる食べ物&飲み物ランキング〜注目の食材とは?〜
せんべい
「甘くないお菓子なら良いだろう」と思っているあなた。せんべいはお米から作られていることを忘れてはいけません。
例えば、揚げせんべい2枚あたりの糖質は21.2gで、これはご飯お茶碗軽く半分(60g)と同じ糖質量です。
せんべいはご飯と同じく、血糖値を上げてしまう食べ物であることを知っておきましょう。
普通の米ではなくもち米を原料にしているのが、おかきです。
おかきも血糖値を上げる食べ物ですので、気をつけてください。
参考記事:糖尿病に間食&おやつはダメ?現役管理栄養士が徹底指導
シャーベット
さっぱりとした後味でヘルシーなイメージのあるシャーベットですが、実は糖質量はバニラアイスクリームとさほど変わりません。
たとえば、市販のシャーベットの糖質量は約30g、バニラアイスクリームの糖質量は約35gのものが目立ちます(カップ入りのもの1個あたり)。
サッパリ食べられるからといって毎日のようにシャーベットを食べていると、高血糖を招いてしまいます。普通のアイスと同じように控えめにしましょう。
参考記事:低糖質アイスの選び方~糖質制限中にオススメな商品をランキングで紹介~
魚肉ソーセージ
魚肉ソーセージは、魚のすり身にでんぷん(※)や調味料を加えて作るため、糖質量は1本あたり約10.2g(差引法による利用可能炭水化物)とやや高めです。
(※)植物が光合成により根や茎、種実に貯めた炭水化物
糖尿病の方が間食から摂取する糖質量は、1日10g程度がよいとされています。手軽に食べられるからといって魚肉ソーセージを1日に何本も食べると、糖尿病の悪化につながる可能性がありますので、1日1本程度にしましょう。
参考記事:ちくわの栄養を徹底解説~低カロリーでも食べ過ぎには要注意~
のど飴
のど飴に、たった1粒で2.5〜3.5gの糖質が含まれているものが多いです。
原料が砂糖なので体内への吸収が早く、空腹時に続けて摂ると血糖値が一気に上がってしまう可能性もあります。小腹を満たすために、のど飴を食べるのは避けた方がよいです。
なお、ノンシュガーのど飴なら血糖値への影響は少なく安心です。ただし、ノンシュガーのど飴に使用されている人工甘味料の甘さに慣れると甘味に対して鈍くなり、より強い甘みを欲しがる可能性があります。1日1~2個にとどめておきましょう。
参考記事:糖尿病でも舐められる飴はある?〜どうしても食べたい時のおすすめも紹介〜
糖尿病に良い食べ物4選
次に、糖尿病に良い影響を与える食べ物を4つ紹介いたします。こちらも、小腹が空いたときによく食べるであろうものから4つを管理栄養士が厳選しました。
・ハイカカオチョコレート
・ソイジョイ(SOYJOY)
・ミニトマト
ナッツ
ナッツは低糖質な食べ物です。参考までに、ナッツの糖質量をまとめました。
※目安として、アーモンド100gはアーモンド100個分に相当する量です。
そしてナッツは低糖質なだけでなく、多価不飽和脂肪酸という油が多く含まれています。多価不飽和脂肪酸には動脈硬化や血栓を予防する効果があり、糖尿病の合併症予防につながります。
参考記事:ナッツ類と血糖値の関係〜見落としがちな点をシンプルに解説〜
ハイカカオチョコレート
ハイカカオチョコレートには抗酸化作用の強い(※)ポリフェノールが多く含まれおり、糖尿病合併症である動脈硬化や歯周病の予防につながります。
(※)体内にある活性酸素を抑える働きのこと。活性酸素は増えすぎると鉄が錆びるように体の細胞が傷つき、動脈硬化やがんなどの原因となる。
そして、ハイカカオチョコレートに含まれるポリフェノールは、カカオポリフェノールです。
カカオポリフェノールは、動脈硬化の発症を遅らせる働きが期待されています。さらに、人を対象とした臨床試験では、カカオポリフェノールがインスリン(※)の働きを改善させるとわかっています。
(※)血糖値を下げるホルモン
なお、下のグラフからハイカカオチョコレートのポリフェノール量は断トツで多いことがおわかりいただけると思います。
参考記事:糖尿病とチョコレートのほろ苦い関係~かんたん低糖質レシピも!~
ソイジョイ(SOYJOY)
ソイジョイは大塚製薬が発売している大豆が原料の食べ物で、小麦粉は一切使用されていません。
そのため、血糖値の上昇は緩やかで血糖コントロールに適した食べ物と言えます。
1本あたりの糖質は約10g、中でもソイジョイピーナッツは約5.4gと低糖質でおすすめです。
またソイジョイには1本あたり、食物繊維が2.5〜4.4gほど含まれています。食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにする栄養素です。
さらに最近は、1本80kcalの「SOYJOYカロリーコントロール80」という商品も販売されています。これは、糖尿病食事療法のための食品交換表の1単位に基づいて作られた商品です。1本あたり80kcal、つまり1単位なので食事管理に役立つでしょう。
ソイジョイが気になる方はこちらから
ミニトマト
甘さのあるミニトマト。糖質が気になるかもしれませんが、ミニトマト1個20gあたりの糖質量は約1.2gと低いです。
フルーツ感覚で食べられるのがうれしいですね。
さらにトマトに含まれるリコピンは、インスリンの働きを促す効果が期待されています。リコピンの働きはまだ研究段階ですが、トマトが健康によいことはわかっているので、ぜひ取り入れていきましょう。
参考記事:トマトは糖質があるのに血糖値を下げる?糖尿病にも良いのか検証
まとめ
以上、間食や口寂しい時に選びがちで常食すると糖尿病を悪化させてしまう食べ物・良い食べ物をご紹介しました。
・糖尿病に良い食べ物:ナッツ、ハイカカオチョコレート、ソイジョイ、ミニトマト
当記事が日々の食べ物の見直しにつながり、糖尿病の方の食事管理に役立つと嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や食事の記録がカンタンにできます。様々な食べ物が登録できますので、食事管理でぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット
女子栄養大学出版部 七訂食品成分表2016 香川栄養学園 医学博士 香川芳子監修