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仕事に行きたくないときの乗り越え方!~行きたくない理由も解説~

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仕事に行きたくないときの乗り越え方!~行きたくない理由も解説~

当記事の執筆は、臨床心理士・公認心理師  石倉美希が担当しました。

*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください。

「仕事に行きたくない…」という気持ちは誰しも1度は経験があるのではないでしょうか?

仕事そのものや職場の環境に対するストレスがある場合はもちろん、休み明けなどはとくに大きな理由がなくても、なんとなく今日はやる気が起きない、休みたいと思うことはありますよね。

今回は「仕事に行きたくない」と思ってしまったときの乗り越え方を場面別にご紹介します。すぐに実践できるものばかりですので、効果があるかどうか…と悩む前にまず試してみてください。それでは、ぜひ最後までお付き合いください。

仕事に行きたくない気持ちは甘えではない

仕事に行きたくない気持ちは甘えではない

そもそも、仕事に行きたくないのは「甘えているから」「無責任だから」なのではなく、行きたくないと思うだけの理由があるといえます。考えられる理由は以下の通りです。

仕事の量や内容が負担になっている

仕事量が多く、やってもやっても終わらない状態は、日々大きなプレッシャーとなり、押しつぶされてしまいそうになる方もいるでしょう。厚生労働省の労働安全衛生調査においても、仕事中に感じるストレスの原因として「仕事の失敗、責任の発生」がトップとなっています。

また、仕事の量は適正であっても、自分で決断したりコントロールできる裁量がないと、ストレスになるといわれています。仕事量が多くないからといって、ストレスを軽視するのは危険です。 

人間関係がうまくいっていない

職場は1日の中でも長い時間を過ごす場所です。上司との関係がうまくいっていない、苦手な先輩・同僚がいるなど、人間関係の負担を感じていると、居心地の良くない場所になってしまいます。そんな場所に毎日通うとなると、仕事に行きたくないと感じるのも無理はないでしょう。

仕事中に感じるストレスの原因において、「対人関係」も常に上位にあります。

休み中にうまく休めていない

休み中でも仕事の連絡をチェックしたり作業をしたり、仕事を持ち帰ったりしてしまうことはないでしょうか。休み中も仕事のことを考えていると、うまくリフレッシュができずに疲れが溜まり、仕事から離れたくなるでしょう。また、休みだからとひたすら寝て過ごしていると、生活リズムが乱れるばかりか精神的なリフレッシュにはなりにくいです。休日とのメリハリがついていないと、いくら休んでも「仕事に行きたくない」と考えてしまうかもしれません。

気持ちの切り替えが苦手

休み明けは誰でも気が重いものですが、とくに気持ちの切り替えが苦手な人は、休み明けに仕事に行くのが辛くなりやすいでしょう。ネガティブな気持ちを引きずってしまう人は、そもそも自分の感情や思考に気づきにくかったり、切り替えるための行動レパートリーが少なかったりする場合があります。

やりがいが持てない・モチベーションが上がらない

仕事に対するやりがいが感じられない、仕事に対するモチベーションが低下していると、「さあ仕事を頑張るぞ」という気持ちにはなりにくいですよね。やりがいに関わる要因の1つとしては、先の見通しが立っているかどうかというのがあります。先行きが不透明な仕事を任されていると、今のままでよいのかと不安にかられてしまうこともあるでしょう。

場面別!行きたくない気持ちの乗り越え方

場面別!行きたくない気持ちの乗り越え方

「仕事に行きたくない」という気持ちに気づいたら、以下の乗り越え方を試してみてください。いつも同じ方法が効果的とは限りませんので、1つの方法にこだわらず、あまり役立っていないと感じたらすぐに違う方法に切り替えるのも大切です。

仕事の前の日

とくに休み明けなど「仕事に行きたくない」という気持ちが高まりやすいと予想されるときは、事前準備がオススメです。

仕事の準備をする

休みの間は仕事からしっかり離れるのが大切ではありますが、休みが終わる頃にタスクを整理しておくと、「何から手をつけてよいのか、わからない」という漠然とした不安を解消できます。余裕があれば、休みに入る前にタスクを一覧にまとめておくと、見返すだけでも仕事モードに少しずつシフトできますよ。

ご褒美を用意する

「仕事に行きたくない」と感じるのは朝、起きたときが一番多いといわれています。一番ネガティブな気持ちが高まるタイミングで、好きな朝ごはんメニューを用意したり、いつもより丁寧に飲み物を入れてみたり、自分にとってのご褒美を用意しておくと良いでしょう。

関連記事:コーピングリストでストレスに備える!~具体例100個もご紹介~

仕事に行く直前

家を出る準備をし始められたら、仕事に行くまでのハードルはあと少しです。

お気に入りのものを身に着ける

自分の気持ちが高まる、お気に入りのものを身につけましょう。朝に選ぶ気力がない場合にも備え、前日から洋服の準備をしておくとスムーズです。新しい靴下を履くだけでも、気持ちを切り替えるきっかけになりますよ。

スモールステップをクリアする

自分の行動を細かなステップに分けて、1つひとつクリアしていきましょう。

目覚ましのアラームを止める
・布団から出る
・カーテンを開けて、朝日を浴びる
・白湯を1杯飲む

というように外出するまでのステップを小さく刻んで確認していくと、いつの間にか準備ができていた、という感覚が得やすいのです。

仕事に対する悪いイメージを思い浮かんでしまうのを避けることもできます。

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仕事に無事行けたら

仕事に行きたくない気持ちと葛藤しつつも、無事に仕事に迎えたらそこで安心せず、また起こりうる気分の波に備えましょう。

すぐに終わる仕事から始める

せっかく仕事に取りかかっても、なかなかいつもの集中力が取り戻せないこともあるでしょう。そんなときは、短時間で形になる仕事から始めてみましょう。時間がかかるものや調整が難航しそうな仕事を始める前の準備体操として、すぐに終わる仕事をこなすと仕事の感覚を取り戻せます。

職場の信頼できる人と相談

仕事の量や内容、プレッシャーの大きさに悩んでいる場合などは、上司と相談して根本的な問題解決を図ることも大切です。職場の対人関係に関する悩みは、上司に限らず話しやすい相手に話してみましょう。職場によっては、産業医や保健師などの産業保健スタッフが相談に乗ってくれる場合もあります。

普段からしておきたいこと

仕事に対するネガティブなイメージが作られていると、「仕事に行きたくない」と思う頻度も増えてしまいます。普段から自分の頑張りやストレスに目を向けるのがオススメです。

頑張ったことを記録する

1日の終わりに、今日自分が頑張ったことを3つ書き出してみましょう。些細なことでも大丈夫ですよ。たまに記録を見返して、頑張っている自分を確かめると達成感も得られます。

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ストレスや疲れをため込まない

ストレスや疲れが溜まると体や心、普段の行動に変化が起きることがあります。いつもできていたことができなくなる、意欲がわかないというのも体や心からのサインです。自分の体調や心の状態をいつも観察し、早めに変化に気づけるようにしておきたいですね。

関連記事:ストレスで起こる体や心の異変~生活習慣病への影響も解説~     

休むのはいけないこと?

休むのはいけないこと?

乗り越え方をいろいろと試してみても、「仕事に行きたくない」という気持ちで辛いときは、思い切って休むのも良いでしょう。休んではいけないというプレッシャーから無理をすると、悪循環にはまってしまうこともあります。

良くない休み方

もし仕事を思い切って休んだとき、するべきでないのは以下のような過ごし方です。

ひたすら寝て過ごす
・仕事の連絡を確認する

睡眠不足や身体的不調があるときには、しっかり睡眠をとって休養するのが重要ですが、ずっと寝ていると体内時計が乱れ、次の日に起きるのがさらに辛くなります。実は適度に体を動かした方が疲れが取れるといわれています。

また、せっかく休むのであれば、仕事とも距離を置いて、心もリラックスさせましょうね。

関連記事:睡眠の質を上げる方法をご紹介~1日の過ごし方を見直そう~

行きたくない気持ちが続くときは

行きたくない気持ちが続くときは

「仕事に行きたくない」という気持ちが長く続いたり、体調に影響が出ている場合は専門家に相談した方が良い場合もあります。

職場と話し合う

まずは職場に不調を伝えてみましょう。その際には行きたくないと思う背景にどんな理由がありそうか、ご自身でも整理しておきましょう。業務の調整などで解決できるものもあるかもしれません。

専門家に相談する

意欲がわかない状態が続いているときや、身体的な不調が出ているときはメンタルヘルスの不調に陥っている場合もあります。「仕事に行きたくないというぐらいで病院なんて」と思う必要はありません。医師の診察を受けた方が早く不調から抜け出せることもあります。

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まとめ

今回は仕事に行きたくないときの乗り越え方についてまとめました。

仕事の前日には、仕事の準備やご褒美を用意して、億劫な気持ちを少しでも軽くする準備体操をしましょう。

仕事に行く当日はお気に入りのものを身に着けたり、スモールステップを設定して、出かけるための心理的ハードルを少しでも低くするのがオススメです。

無事に仕事に行けたら、また行きたくないという気持ちが生じにくいように、仕事の取りかかり方を工夫したり、業務について調整をしていきましょう。

どうしても辛いときは、思い切って休むのも大切です。休むと決めたら、生活リズムはそのままにしつつ、体を心をしっかり休めましょう。

辛い状態が長く続くときには我慢せず、周囲へ相談したり受診するようにしてくださいね。

日頃から体調や気持ちの変化を記録しておくと、不調に早く気づき、対処できます。

仕事に行きたくない気持ちが出てきてしまう自分も受け入れ、うまく乗り越える方法を見つけていきましょう。本記事が辛い気持ちを少しでも軽くするのに役に立ちますと幸いです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や血圧の記録だけでなく、メモで出来事や考えたことを自由に記録できます。日々の健康管理でぜひ活用してみてくださいね。

まとめ

参考文献:
厚生労働省 令和5年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況
厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルガイド こころの耳
佐藤他(2020). うつ病等で休職に至る警告サインの明確化 日本精神保健看護学会誌 29 (1).  42-50.

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