スポーツドリンクの糖質量は多め~糖分の比較や上手な活用法も~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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運動時に活用する方の多いスポーツドリンク。
しかし、スポーツドリンクは美味しく飲めるように糖質が多いため、上手に活用する必要があります。
そこで、今回はスポーツドリンクの糖質量やカロリーについて解説いたします。糖分や活用法についてもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
スポーツドリンクの気になる糖質量は?
500ml入りペットボトルのスポーツドリンクの場合、おおよそ20~40gの糖質量が目安になります。
スポーツドリンクはスポーツ時に飲む飲料として知られていますが、その成分はさまざまです。一般的には糖質やミネラルを含んだものを指します。
というのもスポーツドリンクは、スポーツする際に活用されることを想定しているからです。そこでスポーツ時に消費するエネルギー源の元となる糖質を多く含んだものが多いのです。
また汗をかくことでナトリウム(塩分)などを失うため、ミネラルを添加しています。
日本スポーツ協会の指針によると、糖質濃度は4~8%が望ましいとされています。そのためスポーツドリンクと呼ばれる飲料については、糖質濃度4~8%の商品が多いのです。
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糖質量の比較
スポーツドリンクに含まれる糖質量は100g中4~8gです。
ちなみに、濃縮還元オレンジジュースでは、100g中炭水化物10.7gです。よって、糖質濃度の高いスポーツドリンクの場合、濃縮還元ジュースと近い糖質量になることが伺えます。
そのほか、飲む機会の多いジュースなどと糖質量を比較してみました。
【糖質量の比較】
糖質量 | |
スポーツドリンク | 4~8g |
果汁ジュース(濃縮還元) | 10g前後 |
炭酸飲料 | 6g前後 |
エナジードリンク | 10g前後 |
野菜ジュース | 7g前後 |
*100gあたり
スポーツドリンクはスポーツ時でもスッキリ飲めるようになっているものが多く、それほど甘さを感じない場合もあるでしょう。しかし、意外と糖質はその他のジュースと同様に含まれていますね。
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無糖・糖質ゼロ・低糖質の違い
無糖や糖質ゼロの場合は、100g中糖質0.5g未満の商品に、低糖質の場合は100g中5g未満の商品に記載をすることが認められています。
無糖・低糖質・糖質ゼロといった表示は強調表示といい、それぞれの表記をするための基準が定められています。分類すると「無〇〇」「〇〇ゼロ」の表記と「低〇〇」と表記するものにわけられるのです。
つまり、
・低糖質のスポーツドリンクは、100g中5g未満(500mlペットボトルで、25g未満)
となります。無糖・糖質ゼロ・低糖質と表記がされていても糖質を含んでいるので、糖質を控えたい方は注意をしてください。
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砂糖不使用のスポーツドリンクについて
砂糖不使用のスポーツドリンクとは、糖類を添加していないものに記載がされています。ただしフルーツ入り等、原材料として使用されている場合は糖質を含む場合があります。また、人工甘味料を使用しているものも。
そこで砂糖不使用の記載があってもまずは表示内容を確認して、どの程度糖質、エネルギーを含むのか確認しておきましょう。
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毎日飲むと体に悪い?
運動を行わない人が、水分補給のためと毎日スポーツドリンクを飲むことは、余分にエネルギーを多く摂ることにつながり体調を崩す原因になるかもしれません。
汗によって体内から水分が失われる際は、熱中症予防の観点からも、積極的に水分を補給することが推奨されています。しかし、スポーツドリンクには、運動時に使われるエネルギー補給のために糖質を多く含むものが多いため、活動量が少ない状態で毎日飲むことは摂り過ぎにつながりかねません。運動でエネルギーを多く消費している時以外の利用は、エネルギーのバランスを考えた摂取をオススメします。
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糖尿病との関係
スポーツドリンクには糖質を多く含むことをお伝えしました。よって、糖尿病などで、糖質の補給を制限することが求められる方にとっては、注意が必要です。
スポーツドリンクを摂取する際には表示に記載されている糖質量を確認しましょう。また水分補給の観点では、汗で失われるミネラルを補給することが求められますので、ミネラルを含むものを補給するとよいです。
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まとめ
スポーツドリンクには500mlあたり、おおよそ20~40gの糖質が含まれます。
運動時に使われるエネルギーのほか、汗で失われるミネラル補給のための成分が含まれています。運動時に身体を多く動かしている際には、エネルギーとミネラルの補給のためにスポーツドリンクの活用が求められます。
しかし、活動量が高くない時に、糖質を多く含むドリンクを日々摂取することは、糖質の摂り過ぎにつながる場合があります。日々の活動量に合わせ、その状況に応じた補給を意識するようにしましょう。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
日本スポーツ協会 スポーツ活動中の熱中症対策ブック
消費者庁 栄養強調表示等について
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット