鱈の白子は栄養豊富~カロリーや効能、注意したい点をポイント解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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「たち」とも呼ばれる、鱈の白子。
魚偏に雪と書くことからも想像できるように、鱈は冬に旬を迎える魚です。
寿司屋や居酒屋のメニューとして目にすることの多い白子ですが、北海道では家庭料理として親しまれています。
白子は味噌汁の具やポン酢がけなど、意外と簡単に調理できます。
独特の見た目から家庭での調理を躊躇してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、白子はたんぱく質など健康に良い栄養が豊富です。
そこで今回は白子にどのような栄養が含まれるのか、わかりやすく解説していきます。
プリン体や調理の際の注意点など、気になる点についてもお伝えしますので、どうぞ最後までご覧ください。
目次
白子の栄養と効能
高級食材として扱われることもある白子は、たんぱく質やビタミン、ミネラルを含みます。
さっそく順に見ていきましょう。
体を構成するたんぱく質
白子は、100gあたり13.4gのたんぱく質を含みます。
ちなみに同じ真鱈でも、魚肉のたんぱく質量は100gあたり17.6gと白子より多いです。
一方で同じく高たんぱく質なイメージを持つ、豆腐のたんぱく質は100gあたり7.0gです。
ゆえに白子のたんぱく質量は魚肉に比べると少ないですが、一般的な食品の中では多いといえますね。
たんぱく質は、筋肉や内臓のもととなる重要な栄養素です。
またホルモンの材料として、体の機能を調節する役割も持っています。
白子はメインのおかずとしてではなく、小鉢や汁物などで楽しむことが多いでしょう。
その場合の1食分は1口サイズの白子5個程度、およそ50gです。
実のところ卵1個は約50g、たんぱく質は12.2gですから、煮卵1個と1口サイズの白子ポン酢5個の小鉢では同程度のたんぱく質が補えますね。
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体の機能を正常に保つビタミン
白子はビタミンD、E、B群が豊富で、それぞれの働きは以下の通りです。
栄養素 | 働き |
ビタミンD | カルシウムの吸収を促し、骨や歯の発育に役立つ |
ビタミンE | 抗酸化作用が強く、健やかな血管を保ち、老化防止に効果的 |
ビタミンB1 | 糖質のエネルギー代謝に関わる |
ビタミンB2 | 脂質のエネルギー代謝に関わる |
ナイアシン | 別名ビタミンB3、エネルギー産生に関わる |
ビタミンB12 | 赤血球の賛成に関わる |
一般的に、きのこ類はビタミンDが豊富であるといわれています。
白子は100gあたり2.0μgと、きのこであるしめじの4倍ものビタミンDを含んでいるのです。
なおビタミンDとEは油脂との相性がよいので、白子は油を使った調理法や、脂質を含む食材と一緒に食べると効率よく栄養を摂取できます。
またビタミンB群は、一度にたくさん摂取しても余った分は尿として排出されます。
したがってビタミンB群はまとめてではなく、普段からこまめに補うと効果を発揮しやすいです。
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体の調子を調えるミネラル
白子には、カリウムやリンが豊富に含まれます。
カリウムには体内のナトリウム(塩分)を排出する役割があり、高血圧やむくみの予防に効果的です。
またリンは、骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です。
一方で食品添加物として使われているリンは、加工食品の摂取頻度増加による過剰摂取が懸念されています。
なぜならリンの過剰摂取は、カルシウムの吸収を阻害してしまうからです。
日本人の食事摂取基準によると、18歳以上でリンの摂取量は1日3000mgが上限とされています。
ただし白子100gあたりのリンは430mgですから、白子を食べることによるリンの過剰摂取は気にしなくてよいでしょう。
白子のカロリーや糖質はどうか
白子は100gあたり60kcalで糖質0.2gと、一般的な食材の中では低カロリーかつ低糖質です。
参考までに、まぐろ(赤身)は50g(刺身2〜3切れ)で58kcalです。
小鉢1皿分の白子は約50gですから、小鉢2皿分の白子とまぐろ(赤身)の刺身2〜3切れがほぼ同じカロリーになりますね。
ダイエット中も食べられる?
もちろん、ダイエット中も白子を食べられます。
白子は低カロリー&低糖質なだけでなく、たんぱく質も豊富です。
なお、痩せやすい体を作るポイントは「筋肉」にあります。
筋肉が増えると基礎代謝(※)が上がり、消費カロリーが増えるからです。
(※)基礎代謝とは私たちが生きていくうえで、最低限必要なエネルギー消費量のこと。
たんぱく質は筋肉のもととなる栄養素ですから、たんぱく質を豊富に含む白子はダイエットに適した食材であるといえるでしょう。
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食べすぎると体に悪いのか
白子は栄養豊富なうえにダイエットにも適した食材ですが、食べすぎはオススメできません。
もちろんどんな食材でも食べすぎは体によくありませんが、白子はとくに注意すべき食材です。
なぜなら、白子には痛風の原因となるプリン体が多く含まれているからです。
プリン体とは
プリン体は食品のうまみ成分であり、新しい細胞を作り出すために必要不可欠な「核酸」の構成成分でもあります。
つまりプリン体は私たちが生きていくうえで、とても重要な役割を果たしているのです。
しかし近年はプリン体ゼロの商品も多く販売され、プリン体は健康を害するものと過度に敬遠されがちです。
たしかに過剰となったプリン体は尿酸値を上げ、痛風の発症リスクを高めてしまいます。
一方でプリン体を制限しすぎると食事が味気なくなったり、必要な栄養が不足したりします。
プリン体は過剰摂取に注意しつつ、適度に摂り入れると味わい深い食事となるでしょう。
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1日の摂取目安量はどのくらい?
白子を1日に食べる量は、100g(小鉢2皿分)までにしましょう。
高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインによると、プリン体の摂取目安は一日400mgとされています。
白子は100gあたり300mgのプリン体を含みますから、ほかの食品とのバランスも考慮してできれば50g(小鉢1皿分)に抑えたいところです。
なおにプリン体は白子やビールだけでなく、レバー、魚介類、青汁などの健康食品とさまざまな食品に含まれています。
白子を調理するときのポイント
白子を調理するときに注意したいポイントは「アニサキス」の確認です。
アニサキスは寄生虫の一種で、食中毒の原因となります。
アニサキスは長さ2〜3cm、幅0.5〜1mmほどの白い幼虫ですので、調理の際は必ず目視で確認しましょう。
1口サイズに切ると、アニサキスの有無を確認しやすいですよ。
またアニサキスは熱に弱いので、白子を加熱調理すると安心です。厚生労働省は、70度以上もしくは60度で1分の加熱を推奨しています。
まとめ
以上、白子の栄養について解説しました。
白子はたんぱく質やビタミン、ミネラルを含みます。また低カロリーかつ低糖質ですので、白子はダイエットにも適した食材です。
一方で、白子には痛風の原因となるプリン体が多く含まれています。したがって白子を1日に食べる量は、100g(小鉢2皿分)まで、できれば50g(小鉢1皿分)に抑えましょう。
それでは当記事が参考となり、鱈の白子を健康維持に役立てていただけたら幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
農林水産省 たちの味噌汁/スケソウダラの白子の味噌汁 北海道
文部科学省 食品成分データベース
J-STAGE 痛風と核酸代謝
厚生労働省 アニサキスによる食中毒を予防しましょう
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版