Sync Health Blog

【医師監修】SGLT2阻害薬とは 〜種類一覧・副作用・市販薬についても解説〜

  • カテゴリ
  • ※こちらの記事は広告が含まれます
【医師監修】SGLT2阻害薬とは 〜種類一覧・副作用・市販薬についても解説〜

当記事は、内科認定医・糖尿病専門医 古賀 萌奈美先生にご監修いただきました。
執筆はライター 前間弘美(管理栄養士)が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

SGLT2阻害薬という種類の薬を処方されたけれど、どんな薬なのかわからない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、SGLT2阻害薬についてわかりやすくお伝えいたします。副作用や市販薬についても解説するので、ぜひ最後までお付き合いください。

SGLT2阻害薬とは

SGLT2_服用の注意点

SGLT2阻害薬とは、腎臓に働きかけて糖の再吸収(※)を阻害することで、血液の中の余っている糖を尿中に排出させて血糖値を下げる薬です。

(※)SGLTという輸送体が腎臓の近位尿細管でほぼ全てのブドウ糖を細胞の中に再度取り込むこと

糖尿病患者にSGLT2阻害薬を使用した場合、1日あたり約400kcalのグルコースが排出されるため、SGLT2阻害薬には、体重を減少させる効果もあります。

参考記事:GLP-1受容体作動薬とは〜飲み薬・副作用についても解説〜
参考記事:糖尿病の薬「DPP4阻害薬」とは 〜種類や副作用などシンプルに解説〜

薬の種類を一覧で紹介

以下の表にて、SGLT2阻害薬を一覧で紹介いたします。

一般名製品名効能・効果
イプラグリフロジンスーグラ1型糖尿病・2型糖尿病のどちらも対象
タパグリフロジンフォシーガ1型糖尿病・2型糖尿病のどちらも対象
ルセオグリフロジンルセフィ2型糖尿病が対象
トホグリフロジンデベルザ2型糖尿病が対象
カナグリフロジンカナグル2型糖尿病が対象
エンパグリフロジンジャディアンス2型糖尿病が対象

それぞれの薬の違い

SGLT2阻害薬は6種類あります。

そして2型糖尿病に関しては、全ての薬が適応可能です。

スーグラとフォシーガは、1型糖尿病にも適応がありますが、インスリン治療との併用が必要です。

ジェネリック薬はある?

ジェネリックはあるの?

SGLT2阻害薬は、2014年から使われるようになった比較的新しい薬です。そのため、ジェネリックはまだありません

心不全の治療薬として使用される場合も

フォシーガとジャディアンスは、心不全の薬としても使われています。ただし、心不全の中にもフォシーガが適用になる場合と適用にならない場合があるので確認は必要です。

またフォシーガとカナグル、ジャディアンスは末期腎不全または透析中の患者を除く慢性腎臓病へも適応があります。

SGLT2阻害薬の副作用について

SGLT2阻害薬の副作用について

SGLT2阻害薬を使用する際に注意したい、副作用は主に3つあります。

口渇感や倦怠感といった脱水症

普段より糖分の高い尿が排出されることで尿の浸透圧(※)が高くなり、その結果、尿の量が増加することで起こります。また皮疹の出現が内服開始から2週間以内で多く見られます。脱水がその一因ともされており、皮膚の保湿が発症抑制に有用です。

(※)2つの濃度が異なる水が隣り合った際、濃度を一定に保とうとして水分が移動する力

②排尿時痛などの尿路感染症や性器感染症

原因は、菌の栄養となる糖が多く含まれる尿の排出です。比較的女性に多く見られます。

ウォシュレットの使用でリスクを下げることができます。

吐き気・嘔吐・腹痛・脱力感

これはケトアシドーシス(※)によるものです。SGLT2阻害薬の内服によって血中内のグルコース量が減少し、エネルギーを補うために脂肪の分解が進みケトン体が増えることで起こります。

(※) ケトン体の蓄積によって体液が酸性に傾いた状態

SGLT2阻害薬はあくまで薬なため、副作用が出ることもあります。もし副作用が出た場合は、かかりつけの医師に相談してくださいね。

SGLT2阻害薬の市販薬

SGLT2阻害薬は市販で販売していません。

また、薬は主治医があなたの状態に合わせて量を調整して処方するものです。自己判断で薬を減らしたり増やしたりすると、血糖値の管理ができずに病状が悪化する可能性も。

必ず、医師の処方した量の薬を服用しましょうね。

ダイエットに良いって本当?

体重減少

SGLT2阻害薬には体重減少の効果があります。そのため、ダイエットに効果があるといわれることがあるようです。

ただし、SGLT2阻害薬は糖尿病の薬です。糖尿病ではない人の、ダイエット目的での内服はおすすめできません。

まとめ

以上SGLT2阻害薬は、腎臓に働きかけて糖の再吸収を阻害することで血糖値を下げる薬だとわかりました。また体重減少の効果もあります。

SGLT2阻害薬の副作用は、脱水・尿路感染症・性器感染症・ケトアシドーシスが考えられます。副作用がみられた場合は、主治医に相談してくださいね。

それでは当記事を参考に、SGLT2阻害薬についてあなたの理解が深まれば嬉しいです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や食事の記録がカンタンにできます。薬の記録もできますので、日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。
糖尿病の記録 体重の記録 血圧の記録 生活習慣病の管理はシンクヘルスで一括管理

 

参考文献
・医療情報科学研究所 病気がみえる vol.3 糖尿病・代謝・内分泌 第5版,メディックメディア,49
・糖尿病リソースガイド SGLT2阻害薬 薬剤一覧表

LATEST BLOG最新ブログ記事

記事一覧へ