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【医師監修】脂質異常症と高血圧は密な関係~なぜ?どうして?をサクッと解説~

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脂質異常症と高血圧は密な関係~なぜ?どうして?をサクッと解説~

当記事は、内科認定医・糖尿病専門医 古賀 萌奈美先生にご監修いただきました。
執筆はライター 前間弘美(管理栄養士)が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

健康診断で脂質と血圧、両方の値を指摘されたけど放置している、という方は多いです。

一方で、どちらの病態も自覚症状が乏しいため、指摘を受けても生活習慣を改善する意欲が湧きにくいという実情があるのも確かです。

この記事では、脂質異常症と高血圧の関係についてわかりやすく解説いたします。ぜひ最後までお付き合いください。

脂質異常症と高血圧の関係性

脂質異常症と高血圧の関係性

脂質異常症と高血圧は、動脈硬化を進行させる危険因子です。

動脈硬化は簡単にいうと「血管の老化」のことで、元々はしなやかで弾力のあった血管が、硬く脆くなる病態をいいます。

動脈硬化は病気の有無に関わらず加齢とともに進行しますが、脂質異常症や高血圧などの要因が加わると、進行スピードが格段に早まるのです。

動脈硬化の怖い点は、無症状のまま進行し、急に脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる病気を発症するところにあります。そのため、脂質異常症においては血中脂質、高血圧では血圧を正常値に近づけることが大切といえるでしょう。

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脂質異常症が高血圧を引き起こすメカニズム

脂質異常症があると血管の内側にコレステロールが溜まり、血管壁が徐々に狭く、硬くなります。

硬く、狭い血管へ血液を送り出すためには通常よりも強い圧力が必要になり、高血圧を引き起こすのです。

なぜ脳梗塞が起きるのか

脳梗塞とは、脳内の血管が細くなったり詰まったりして血流が止まることで、そこから先に酸素や栄養が届かなくなり、細胞が壊死する病気です。

脳梗塞は、麻痺などの障害が残り介護が必要な状態になることも多いことから、予防の重要さがわかります。

なお、脳梗塞が発症する原因には

・脳塞栓
・アテローム血栓性脳梗塞
・ラクナ梗塞
・その他を原因とする脳梗塞

の4種類あります。

脳塞栓とは心臓病を原因として主に心臓で作られた血栓が脳まで流れ込み、脳血管の血流を止めてしまうことです。

一方、アテローム血栓性脳梗塞とは、脂質異常症や高血圧、糖尿病、喫煙を原因として脳の血管内でかたまりができて血管内をふさぐことです。

脂質異常症の方はとくにアテローム血栓性脳梗塞を生じやすく、血栓ができた場所により四肢麻痺や言葉がうまく出てこないなどの後遺症が残ることがあります。

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脂質異常症や高血圧は薬を飲めばなんとかなる?

脂質異常症や高血圧は薬を飲めばなんとかなる?

脂質異常症や高血圧において、治療の基本は食事療法と運動療法です。

脂質異常症や高血圧は食べすぎや運動不足など、生活習慣が深く関係している病気です。

ただし、高血圧や脂質異常症は遺伝子異常が要因となっているものや、他の疾患が原因となっているものも多くあります。

これらは食事療法や運動療法だけでは改善が難しく、また動脈硬化症の進行も早いことから原因検索と薬物療法早期開始が必要です。薬物療法と生活習慣の改善、並行しての治療継続が重要です。

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血圧が低ければ食事療法はいらない?

いいえ、それは違います。

脂質異常症のみでも動脈硬化の強力な危険因子となります。動脈硬化の進行を遅らせるためには、血圧の数値が正常であっても脂質異常症を改善するための生活習慣改善、薬物治療が必要です。

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糖尿病は脂質異常症の合併症

糖尿病は脂質異常症の合併症

脂質異常症と糖尿病は、どちらも血管に負荷がかかり動脈硬化を進行させてしまう病気です。

糖尿病のインスリン作用低下は高TG(トリグリセライド・中性脂肪)血症、低HDL(悪玉)コレステロール血症の原因となります。つまり、脂質異常症と糖尿病はいずれも適切な治療をおこなう必要があります。

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脂質異常症で食べてはいけないもの

脂質異常症で食べてはいけないもの

脂質異常症の方でも、一般的に禁止されている食品はありません。

しかし、食事のカロリーや食品に含まれる脂質の「質」など気を付けた方がよい点もあります。

症状によって重点的に注意したい食品が異なりますので、以下をご覧ください。

・悪玉コレステロール値が高い人【高LDLコレステロール血症】

・コレステロールの多い食品を控える
・飽和脂肪酸の摂りすぎ注意(肉や乳製品などの植物性脂肪に多く含まれている)
・トランス脂肪酸の摂りすぎ注意(マーガリンやショートニングを使った食品)
・大豆製品を積極的に摂る(大豆のたんぱく質にはコレステロールを下げる働きがある)

 

・中性脂肪値が高い人【高トリグリセライド血症】

・糖質を多く含む食品を控える(菓子類や菓子パンなど)
・アルコールを控える(禁酒が望ましい)
・DHAやEPAを多く含む魚を積極的に摂る(サバなどの青魚がオススメ)
・運動する

 

・善玉コレステロール値が低い人【低HDLコレステロール血症】

・トランス脂肪酸の摂りすぎ注意(マーガリンやショートニングを使った食品)
・DHAやEPAを多く含む魚を積極的に摂る(サバなどの青魚がオススメ)
・運動する


※脂質異常症の食事について詳しい内容は関連記事をご覧ください
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まとめ

以上、脂質異常症と高血圧の関係について解説しました。

どちらの病気も動脈硬化を進行させる要因であり、食事や運動といった生活習慣とのかかわりが深い、とわかりました。

それでは、この記事があなたの健康作りに役立てば幸いです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

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参考文献
一般社団法人日本生活習慣病予防協会
一般社団法人動脈硬化学会 生活習慣病とは

 

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