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脂質異常症は治るの?~日常生活の改善点や食事の摂り方までサクッと解説~

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脂質異常症と言われたら~日常生活の改善点や食事の摂り方までサクッと解説~

当記事の執筆はライター  松原知香(管理栄養士)が担当しました。
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健康診断で脂質異常症と初めて言われた方は、「一体どのような病気なのか?」「治る病気なのか?」と不安に思っていらっしゃることでしょう。

じつは、脂質異常症は「治る」「治らない」で表現できる病気ではありません。なぜなら、脂質異常症は動脈硬化を引き起こす原因ですが、動脈硬化のように一度硬くなった血管は元の状態に戻らないからです。

ただし、食事内容や生活習慣を変えていけば、進行を遅らせることはできます

そこで今回は、脂質異常症について診断基準から生活改善ポイントまで分かりやすく解説します。

脂質異常症とは

脂質異常症とは

脂質異常症の改善ポイントに触れる前に、まずは脂質異常症はどんな病気なのかについてお話ししましょう。

脂質異常症とは、血液中にある脂質の濃度が基準を外れた状態のことです。

健康診断後に医師から「脂質の値が高い」と指摘を受けたにも関わらず、自覚症状がないことから放置したままの人は多いはずです。

さて脂質異常症は食事や運動などの生活習慣、そして遺伝的要因が深く関わっている病気です。好ましくない生活習慣、たとえば暴飲暴食や運動不足が積み重なることで発症するため生活習慣病と呼ばれています(糖尿病や高血圧症も生活習慣病の一種です)。

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脂質異常症は動脈硬化を進行させる

では体に不調が現れないのに、なぜこれほどまでに脂質異常症が問題視されているのでしょうか。その理由は、脂質異常症が進行すると動脈硬化症(※)を進行させるからです。

※動脈硬化症とは、動脈の壁が厚く硬くなり柔軟性が低下した状態のこと。しなやかに動かなくなった血管は血液を流すポンプ機能が弱まって全身の血液の流れが悪くなる状態

血液中の脂質にはいくつか種類があり、いずれの脂質濃度が異常の場合も動脈硬化を促進させます。

動脈硬化症を進行させる要因としては、糖尿病や高血圧症や喫煙などもありますが、脂質異常症が最大の危険因子とも言われています。

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動脈硬化の先にある「合併症」が怖い

メディアなどでも度々取り上げられる動脈硬化ですが、じつは動脈硬化症そのものに命の危険はありません。しかし動脈硬化症が進行すると、命に関わる虚血性心疾患(※1)や脳梗塞(※2)などの合併症を引き起こすことがあります。

※1:虚血性心疾患とは、心臓に血液を送り込む動脈が狭くなることで発症する狭心症や、血液を送り込む動脈が塞がることによって発症する心筋梗塞などの総称
※2:脳梗塞とは、脳内の血管がふさがり血液が流れなく病気のこと

脂質異常症は、命に関わる病気が発症する「はじまり」なのです。

さて、脂質異常症は生活習慣病の一種だと説明しましたが、同じく生活習慣病の糖尿病や高血圧症を併発している人は少なくありません。この場合は脂質異常症だけの場合よりも、動脈硬化の進行が顕著になります。

つまり、生活習慣の改善が動脈硬化を進行させないために重要であり、合併症の予防策となるのです。

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脂質異常症の診断基準(ガイドライン)

脂質異常症の診断基準(ガイドライン)

脂質異常症の診断基準(空腹時採血)はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)・HDLコレステロール(善玉コレステロール)・中性脂肪・non-HDLコレステロールの4項目から判断します。

ちなみに、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)・HDLコレステロール(善玉コレステロール)・中性脂肪はそれぞれ体の中で以下のような役割があります。

LDL(悪玉)コレステロール
細胞膜やホルモンの材料となる。必要以上に存在すると、使われなかった分は血管壁に沈着し、血管壁は傷ついて硬くなる(動脈硬化)。

HDL(善玉)コレステロール
増えすぎたコレステロールを回収する。善玉コレステロールが多いと動脈硬化のリスクは低くなる。

中性脂肪
体を動かすエネルギー源となったり、皮下脂肪となって体温維持や内臓を外部の衝撃から身を守る。善玉コレステロールを減らす作用があるため、血中に増えすぎると動脈硬化を促進する。


そして、脂質異常症の診断基準は以下の通りです。

LDLコレステロール140mg/dL以上高LDLコレステロール血症
120~139mg/dL境界域高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール40mg/dL未満低HDLコレステロール血症
中性脂肪150mg/dL以上高トリグリセライド血症
non-HDLコレステロール170mg/dL以上高non-HDLコレステロール血症
150~169mg/dL境界域高non-HDLコレステロール血症

※動脈硬化性疾患予防ガイドラインを参考に作成
※non-HDLコレステロールとは総コレステロールから善玉コレステロールをひいたもの

上の表からわかる通り、脂質異常症の判断基準は血液検査の数値のみで体重は関係ありません。つまり「痩せている人でもかかる病気」というわけなのです。

最近では上の表の基準に加えて、血液中にあるコレステロールのバランスを見る「LH比」が重要視されるようになりました。

LH比血管内の状態
1.5以下健康
2.0以下コレステロールがたまり始めて動脈硬化が疑われる
2.5以下血栓ができている可能性から心筋梗塞のリスクあり

「LH比」は「LDLコレステロール(悪玉)÷HDLコレステロール(善玉)」で求められ、血管内部の状態を知る目安となります。

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早期発見のポイント

早期発見の要は定期健診を受けることです。

脂質異常症は自覚症状がないまま進行する厄介な病気なので、採血しない限り気づきません。ゆえに痛みや不快を感じることがなくても体の中では着実に動脈硬化は進行しているため、脂質異常症はサイレントキラーと呼ばれることも。

よって、ご自身の体の状態を確認するために忘れずに定期健診を受けましょう。

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脂質異常症の治療法

脂質異常症の治療法

脂質異常症の治療目的は血管を管理して動脈硬化の進行を抑えることです。

動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017年版に従い、目標値は各個人のリスクにより決められます。まずは食事療法と運動療法が基本となります。生活習慣が改善し血液検査の結果も改善すると薬物治療は不要です。

また薬物治療が開始されたとしても生活習慣の改善は必須です。

日常生活で見直したいポイント

日常生活で見直したいポイント

脂質異常症は、好ましくない食習慣や運動不足が原因となって起きる病気です。

そのため、健康的な生活習慣を身につけて実践し続けることが大切ですよ。

まず改善すべきは食生活

脂質異常症の方にオススメしたい食生活のポイントを5つに絞ってご紹介しましょう。

①1日3回栄養バランスを考えた食事を摂る
②脂肪は量だけでなく質にも注意する
③血中コレステロールを下げる働きのある食物繊維を十分に摂る
④動脈硬化を進行させる高血圧を予防するために塩分を控える
⑤飲酒量は主治医の指示を仰ぐこと

脂質異常症の方は、カロリーの摂りすぎに注意して栄養バランスの良い食事を心掛けましょう。また、自己流のダイエットは治療の妨げになる可能性もあるため、主治医に相談してからに行ってくださいね。

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塩分は控えめに

塩分の摂りすぎは高血圧のリスクを高めたり動脈硬化を進行させるため摂取量には注意が必要です。

血圧と食塩摂取量には関係があることから、日本高血圧学会では1日あたりの摂取量について6g未満を推奨しています。(具体的な塩分量については主治医からの指示に従いましょう)

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運動習慣を身につけよう

運動はHDLコレステロール値を上げて中性脂肪値を下げることが分かっています。

運動の種類としては、少し汗ばむ程度の有酸素運動(ウォーキングやサイクリング)を1日合計30分間行うのがオススメです。

血中脂質の量は短期間では改善されませんので毎日継続し続けることが大切です。

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適正体重を維持しよう

肥満傾向の方は、体にたまっている余分な脂肪を減らし適正体重に近づけましょう。

脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪がありますが、とくに内臓脂肪は血液中の脂質濃度を高める原因となるため生活習慣病を悪化させます。

そのため自身の体重を管理することは治療の一環なのです。

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禁煙しよう

脂質異常症の治療の目的は血管を管理して合併症を防ぐことです。

しかし、タバコに含まれる化学物質には交感神経を刺激したり軽度の一酸化炭素中毒を引き起こすなど、血管を傷めて動脈硬化を確実に進行させる作用があります。

また、冠動脈疾患を発症するリスクは糖尿病や高血圧と同程度の影響を与えます。年齢が65歳以上では喫煙しているだけで高リスクです。

タバコはまさに「百害あって一利なし」ですので、1日も早く禁煙に踏み切りましょう。

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食べてはいけない食品はある?

食事のポイント

「これは食べてはいけない!」といった食品はないですが、食べる頻度や量を控えたほうが良い食品はあります。

悪玉コレステロール値が高い方は、飽和脂肪酸を多く含む肉の脂身・バター・ラード・生クリームなどは控えましょう。コレステロールを多く含む食品についても注意が必要ですが、まず取り組むことは飽和脂肪酸の摂取量を減らすことです。

その理由は、血中の悪玉コレステロール値は食品に含まれるコレステロールと関連しますが、飽和脂肪酸のほうが影響は大きいからです。

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まとめ

以上、脂質異常症について解説しました。

脂質異常症そのものには症状がないですが、進行すると命に関わる合併症を引き起こす可能性があることがお分かりいただけたと思います。

さらに生活習慣を改善することが治療であり、進行を遅らせる手段であることもお伝えしました。

ただし、高コレステロール血症は遺伝的素因も大きく、生活習慣の改善だけでは目標値まで下がらないこともあります。各個人のリスクにより目標値は異なりますので、必要時には薬物治療を行うことも大切です。

それでは、この記事を参考により健康的な日々をお過ごしください。

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参考文献
特定非営利活動法人 日本高血圧学会 減塩・栄養委員会
厚生労働省 健康づくりサポートネット
一般社団法人 動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防のための脂質異常治療のエッセンス
医療法人社団 恵誠会 大西病院 ほほえみvol.18
協会けんぽ 【脂質異常症】コレステロールと中性脂肪がたまると…

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