はちみつの栄養成分と効能~注目の成分やメリット・デメリットを解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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はちみつの魅力は、何といってもコクのある甘さと独特の香りですね。ホットケーキやヨーグルトには、ついついたっぷり使いたくなります。
ところで、はちみつにはどんな栄養が含まれているのかご存知でしょうか?
ただ甘いだけと思われがちなはちみつですが、じつは近年その健康効果が注目されているのです。
今回は、そんなはちみつの栄養と効果についてわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
はちみつの栄養と効果
はちみつは砂糖と同じ糖類に分類されます。生活習慣病を予防する観点からみると、摂取量には注意が必要なのですが、じつははちみつには砂糖では得られない効能があるのです。
ここでははちみつの栄養と効果について、解説していきます。
体を動かすエネルギーになる糖質
はちみつは水分を除くとほとんどが糖質(100g中75.3g)で占められています。ちなみに、カロリーは100gあたり329kcalで、山盛りのご飯(200g)に匹敵するほど。
ダイエットをする方には嫌煙されがちな糖質ですが、私たちの体を動かすうえでなくてはならない存在なのです。
はちみつの糖質は、おもに果糖とブドウ糖からなります。この2つの糖質は体内に素早く吸収され、エネルギーに変換されます。つまり、はちみつは素早くエネルギー補給ができる食材なのです。
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砂糖より多く含んでいる栄養素
糖質以外にも、はちみつには砂糖にはない多くのビタミン、ミネラル、酵素やポリフェノールが含まれます。
また、肌の老化を防ぐポリフェノールや、腸内でビフィズス菌などの善玉菌を増やす作用を持つグルコン酸など、健康を気にする人にはありがたい栄養素が含まれているのが特徴です。
ちなみに、ミネラル類ははちみつの産地によって異なるという研究結果がありますので、それぞれの土地の特徴を活かして利用をしたいですね。
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はちみつとローヤルゼリーの違い
ローヤルゼリーとは、別名「王乳」と呼ばれ、女王蜂だけが口にできるものです。
このローヤルゼリーには肌の水分保持や、血圧低下作用などの機能性がうたわれています。
はちみつは、通常働き蜂が花の蜜を集め巣で熟成させたものですが、一方でローヤルゼリーは働き蜂の体内から分泌される成分です。ローヤルゼリーを食べた女王蜂の身体は大きく育ち、寿命も長くなることからも、栄養価が高いことがうかがえます。
そのため、ローヤルゼリーは栄養ドリンクやサプリメントなどに広く使われているのです。
マヌカハニーはなぜ「すごい」のか
近年、はちみつの中でも高価な「マヌカハニー」が注目を集めています。
そもそもはちみつには、抗菌活性作用があるといわれていますが、マヌカハニーははちみつの中でもとくにその作用が強いのです。
そのため、健康意識の高い方の間ではスーパーフードとして重宝されています。
マヌカハニーの人への健康効果については研究が進められている段階なので、さらなる「すごい」発表に期待しましょう。
はちみつの効果的な食べ方
せっかく健康のためにはちみつを食べるなら、目的の効果に応じて食べ方や合わせる食材を変えるとよいですよ。
ヨーグルトにかけて腸内環境改善
はちみつのグルコン酸は、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌の餌となり、腸内環境を改善する効果が期待できます。また、腸内環境の改善には食物繊維も必要です。
食物繊維が豊富なフルーツをヨーグルトにのせてはちみつをかければ、腸活にピッタリですよ。
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運動前後のエネルギーチャージに
先ほどお伝えした通り、はちみつの糖質は体に吸収されやすく運動前後のエネルギーチャージにピッタリです。
そのまま食べたり、水分補給もかねて水にレモン汁とはちみつを一緒に入れたはちみつドリンクとして飲むのもよいでしょう。
食べ続けると太る?
はちみつを食べ続けると必ず太るわけではありませんが、必要以上に食べすぎてしまえば当然太ってしまいます。
はちみつのカロリーは、100gあたり329kcalです。一回の使用量を10g(小さじ山盛り1杯)とした場合は33kcalで、それほど大きな数値とは感じられないかもしれません。
しかし、太る原因は摂取カロリーが消費カロリーを上回る点にあります。
たとえ一回の量が33kcalと思っていても、これを毎日余分に摂っていると太る原因につながるのです。日々の活動量との見合った食事量を確認しておきましょう。
また、はちみつの糖質は素早くエネルギーとして使われる半面、使われなければ中性脂肪として蓄えられてしまいます。
食べ過ぎに注意し、適量の範囲内で楽しみましょう。
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はちみつを摂取するメリットとデメリット
メリット
はちみつのメリットとしては、砂糖と比較した場合のエネルギー量や、その他栄養素を含む点があげられます。
また、甘さについては砂糖よりも感じやすく、少ない量で十分な甘さを感じられます。使う量を少量に抑えることが出来るのもメリットと言えるでしょう。
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デメリット
一方デメリットとしては、糖尿病など血糖値を気にする疾病をお持ちの方は、血糖値が急上昇するかもしれません。
体にいいからといって自己判断で摂取せず、まずはかかりつけの医師や食事指導を受けている管理栄養士などに相談しましょう。
【要注意!】はちみつを食べてはいけない人
はちみつは、1歳未満の乳児に与えてはなりません。
なぜなら、はちみつにはボツリヌス菌という菌が潜んでいるからです。1歳未満の乳児は腸内が未発達なので、乳児ボツリヌス症を発症する危険性があります。
また、ボツリヌス菌は熱に強い性質があるため、たとえ加熱調理にはちみつを使用しても、1歳未満の乳児には与えないようにしてください。
まとめ
はちみつの大半は糖質が占めている一方、砂糖にはないミネラルやポリフェノールなどを含んでいます。
日ごろから食事や飲み物などに砂糖を利用している方は、これを機に時々は、はちみつに置き換えてみてはいかがでしょうか?
ただし、1歳未満は乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があるため、与えないようご注意ください。
それでは、当記事を参考に日々の生活にはちみつを取り入れていただければ幸いです。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース
J-Stage マヌカハニーの特徴とその機能性
消費者庁 ローヤルゼリー
厚生労働省 ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから