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五大栄養素の働きとは?管理栄養士がわかりやすく解説~主な役割も紹介~

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五大栄養素の働きとは?管理栄養士がわかりやすく解説~主な役割も紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

五大栄養素とは、私たちが生きる上で必要な栄養素を働きごとに、5つのグループにわけたものです。

そもそもほとんどの食品は、五大栄養素がいくつか含まれて構成されています。そして、その割合はそれぞれの食品によって違います。つまり、1つの食品ばかり食べ続けていると摂取する栄養が偏ってしまうのです。そのため、食事はさまざまな食品をバランスよく食べることが大切だ、といわれています。

今回は、五大栄養素とその働きについてわかりやすくまとめました。役割についても、食品群に焦点を当てて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください

五大栄養素とその働き

五大栄養素とは

・炭水化物
・脂質
・たんぱく質
・ビタミン
・ミネラル

の5つのことです。

くり返しになりますが、五大栄養素は私たちが健康な体を維持するために必要な栄養素です。

それぞれの働きについてくわしく見ていきましょう。

体を動かすエネルギーとなる炭水化物

炭水化物は、消化吸収されて脳や体のエネルギー源となる糖質消化吸収されない食物繊維を合わせたものです。

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脳のエネルギーとなる糖質

糖質は、私たちが摂取するエネルギーの50~60%を占めるエネルギー源です。また、脳はグルコース(ブドウ糖)という糖質由来のエネルギーしか利用できません。そのため、糖質は私たちが生きる上で必要不可欠な栄養素といえます。

ちなみに血液中のブドウ糖濃度は血糖値と呼ばれます。そこで、糖尿病かどうか調べる検査の1つは、75gのブドウ糖を溶かしたサイダーのようなものを飲み、30分後・1時間後・2時間後の血糖値を測定するのです。

でも、本当に75gのブドウ糖負荷試験を行うと血糖値が変化するのか実感の湧かない方も多いと思います。そこで、実際に弊社の健康な社員(20歳代)が検証してみました。

75gのブドウ糖負荷試験

このグラフは横軸が時間、縦軸はCGM(持続グルコース測定)を使って測定した皮下の間質液中のグルコース値です。皮下の間質液中グルコース値は、実際の血糖値と差はあるものの同じ動きをします。

グラフからわかるとおり、75gのブドウ糖を飲んで30分後から徐々に上がりだした血糖値は、1時間40分後にピークを迎えています。血糖値は、ピーク時でおおよそ85mg/dL上昇しました。

参考までに、カップアイスを1個食べた際の血糖値の上昇値はおおよそ25mg/dLです。ブドウ糖がいかに血糖値を上昇させやすいか、わかりますね。

※ここでいう血糖値はCGMで測定した間質液中グルコース値です。実際の血糖値とは異なる場合があるのでご了承ください。

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便秘解消や満足感につながる食物繊維

食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の2種類あり、それぞれ働きが異なります。

不溶性食物繊維は便の量を増やすので、腸を刺激し便秘解消に効果的です。水溶性食物繊維は水分を吸収して満腹感を得られるようにするほか、食後血糖値の上昇を穏やかにします

さらに、食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える手助けもします。

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効率よいエネルギー源の脂質

効率よいエネルギー源の脂質

脂質は、炭水化物やたんぱく質の2倍以上のエネルギーを作り出す栄養素です。たとえば、100gの炭水化物やたんぱく質を食べると400kcalのエネルギーを摂取できます。ところが、100gの脂質を食べると、なんと900kcalのエネルギーを摂取できるのです。

少量で多くのエネルギーを摂れるので、脂質は効率のよいエネルギー源といえます。

さらに、脂質は細胞膜やホルモンの材料となります。

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体をつくるたんぱく質

たんぱく質は、筋肉や肌、血液、骨など、私たちの体をつくる上で欠かせない栄養素です。

ちなみに、たんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されています。そして、私たちが体内でつくれない、もしくは十分な量つくれない9種類のアミノ酸を、必須アミノ酸と呼びます。

よく耳にする「良質なたんぱく質」とは、必須アミノ酸がそれぞれ私たちの体に必要な量そろった食品のことです。

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少量で体の働きを調整するビタミン

ビタミンはエネルギー源や体をつくる材料にはなりませんが、少しの量で体内のさまざまな働きを調整する栄養素です。

つまり、エネルギー源や体の材料となる栄養素を、実際に使えるよう調節する役割を担っています。そのためビタミンが不足すると、病気になることも。たとえば、ビタミンB1不足による脚気(※1)や、ビタミンC不足による壊血病(※2)が有名です。

(※1)神経に影響し手足のしびれや倦怠感、足のむくみがあるほか、重症化すると心不全を起こす病気
(※2)あざのような皮下出血や歯肉からの出血、傷の治りが遅くなって感染症にかかりやすくなる病気

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体の構成成分であるミネラル

体の構成成分であるミネラル

ミネラルは、骨や歯の材料、血液やホルモンの構成成分として体に必要な栄養素です。ミネラルは体内でつくれないため、食べ物から摂取する必要があります。

ただし、それぞれのミネラルは体内でお互いに影響しあうため、バランスよく摂ることが大切です。

一例として、加工商品に多く含まれるリンを摂りすぎると、カルシウムの吸収が妨げられます。一方で、サプリメントなどでカルシウムを摂りすぎると、マグネシウムの吸収が妨げられてしまいます。

通常の食事から摂取するミネラルはあまり気にしすぎる必要はありませんが、加工食品やサプリメント由来のミネラルは摂りすぎに注意しましょう。

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三大栄養素はどれのことか

三大栄養素とは、

炭水化物
脂質
たんぱく質

の3つをさします。

三大栄養素は「エネルギー産生栄養素」とも呼ばれ、私たちの体を動かす原料です。

エネルギーは運動する時だけでなく、生きる上で必要な呼吸や心拍、体温の維持にも使います。そこで、生きるために必要なエネルギーをつくり出す栄養素のことを三大栄養素と呼ぶのです。

六大栄養素もあるの?

六大栄養素もあるの?

正確には「第六の栄養素」で、食物繊維のことです。もともと食物繊維は消化・吸収されないので、栄養素には含めないといわれていました。ところが近年、食物繊維の摂取量と生活習慣病の関連性に注目が集まり、栄養素として認められるようになったのです。

食物繊維の

・満腹感を与え過剰なエネルギーの摂取を防ぎ肥満を予防する
・血中コレステロールの上昇を抑えて動脈硬化を予防する
・血糖値の上昇を緩やかにし糖尿病を予防する

といった働きが、生活習慣病の予防に効果的と考えられています。

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【検証】本当に血糖値の上昇を緩やかにしてくれるの?

食物繊維の有用性についてお話ししましたが、実際に生活習慣病の予防に効果があるのか疑問ですよね。

そこで、弊社の健康な社員(20歳代)が検証してみました。肥満や動脈硬化の予防は長期的な観察が必要なので、今回は短期でもわかりやすい血糖値の変化を見ます。

なお、このグラフは横軸が食べ始めてからの時間(分)、縦軸は食べ始めをゼロとした血糖値の上昇値(mg/dL)を示しています。※実験に使用した炭水化物は、毎回同じ量です。

【炭水化物のみ】

CGM実験炭水化物のみ

まず炭水化物を多く含む主食のみを食べた場合、食後30分で約45mg/dL上昇します。

【炭水化物と食物繊維】

CGM実験 炭水化物+食物繊維

次に主食と一緒に食物繊維を多く含む食事を食べた場合、食後30分で約35mg/dLの上昇と血糖値の急上昇が抑えられたことがわかります。

【炭水化物とたんぱく質】

CGM実験 炭水化物+たんぱく質 

実は、食物繊維だけでなくたんぱく質にも血糖値の急上昇を抑える働きがあります。試したところ、食後60分で約25mg/dLの上昇値とかなり緩やかに上昇しました。

以上の3つの実験結果から、食物繊維やたんぱく質には血糖値の急上昇を抑える働きがあるとわかりました。食事を摂る際は炭水化物の多い主食だけでなく、食物繊維やたんぱく質を含むおかずと一緒に食べるとよいですね。

血糖値の急上昇を抑える方法は、Instagramでも紹介しています。

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五大栄養素と六つの基礎食品群の違い

五大栄養素は栄養素に、六つの基礎食品群は食品に焦点を当てて分類している点が違います。

六つの基礎食品群は、三色食品群と呼ばれる赤・黄・緑の3色に分類した食品をさらに細かくわけたものです。

三色食品群は、食品の中で似たような栄養素を主に含むグループにわけたものです。三色食品群

保育園や幼稚園、小学校の食育でよく使用します。

 

六つの基礎食品群

六つの基礎食品群

このように赤を1・2群、緑を3・4群、黄色を5・6群にわけたものです。

毎日の食事にこの6つの食品群を組み合わせると、栄養バランスのとれた食事がとれると考えられています。

食事バランスガイドはどうやって使うのか

食事バランスガイドはどうやって使うのか

農林水産省のHPより引用

食事バランスガイドは、自分の普段の食事量とバランスを把握するために使います。

先ほどの三色食品群や六つの基礎食品群は、食品に含まれる栄養素や働きはわかっても実際どのぐらい食べたらよいのかわかりにくい点がデメリットです。

食事バランスガイドはなにをどのぐらい食べると、バランスのよい食事ができるのか視覚的にわかりやすくしたものです。

たとえば3色食品群や6つの基礎食品群でも普段食べている食品の働きはわかりますが、それぞれの食品群の摂取量は適量かどうかはわかりません。

食事バランスガイドは、1SV(サービング)という単位を元に、自分が食べている食事のエネルギー量やバランスを把握できるのです。

さらに食事バランスガイドチェックシートを活用すると、自分に必要なエネルギーとそのエネルギーの範囲で食べるべき主食・主菜・副菜・乳製品・果物の量もわかります。

食事バランスガイドを活用すると、普段の食事量やバランスだけでなく、理想の食事量とバランスを見つけられるようになるのです。

・農林水産省による食事バランスガイドのチェックシートはこちら 
・もっとくわしく食事バランスガイドについて知りたい方はこちら

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まとめ

五大栄養素の働きは

炭水化物 体を動かすエネルギーとなる
脂質 効率よいエネルギー源
たんぱく質 体をつくる
ビタミン 少量で体の働きを調整する
ミネラル 体の構成成分

とわかりました。

五大栄養素は、どれも体に必要不可欠な栄養素です。食品群や食事バランスガイドを活用して、バランスよく摂取できるようにしましょう。

それでは、当記事があなたの食事バランスを整える手助けになると、うれしいです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
糖尿病の記録 体重の記録 血圧の記録 生活習慣病の管理はシンクヘルスで一括管理

参考文献
実教出版 オールガイド食品成分表2023
東京法令出版株式会社 新食品成分表FOODS2023
農林水産省 早分かり!食事バランスガイド

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