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糖尿病の人がちらし寿司を食べる時のポイントは?血糖変動に注目して解説

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糖尿病の人がちらし寿司を食べる時のポイントは?~明日からできる方法をご紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

桃の節句であるひな祭りには、酢飯の上に彩り豊かな具材がのったちらし寿司を食べる風習があります。

ごはんはもちろん、すし酢や具材に砂糖を使うためちらし寿司は意外と糖質が高い料理です。糖尿病の方のように、血糖変動への配慮が必要な方はどのような点に気を付ければ安心して食べられるのでしょうか。

そこで今回は、糖尿病の方がちらし寿司を食べる際のポイントや、ちらし寿司以外に注意したいひな祭りの定番メニューについてご紹介します。

ぜひ最後までお付き合いください。

ちらし寿司を食べると血糖値は急上昇するのか

ちらし寿司を食べた後の血糖変動は、のせる具材やご飯の量に影響を受ける可能性があります。

具材の味付けとご飯の量が原因かも

ちらし寿司の場合は、酢飯に醤油や砂糖で味付けして煮た具材を混ぜるため、血糖値は上がりやすいと考えられます。

さらに、もう一つ注意したいのがご飯の量です。

レシピや商品によりますが、ちらし寿司1人前に使用するご飯の量は約200gでその糖質量はなんと76.2g。その原因として、大きめの皿や容器に盛り付ける点があげられます。

ちなみに、ごはん茶碗1杯は約150gです。ちらし寿司1人前を食べると普段よりもご飯を食べすぎてしまうので、糖尿病の方は量の調節が必要なのです。

参考記事:ご飯の糖質量やカロリーを知ろう!糖質制限での活用を踏まえシンプルに解説 

ばらちらしは醤油の量にも注意

ばらちらしの場合

ばらちらしとは、ちらし寿司のうえにのせる具材を酢飯に混ぜこみ、細かく切った海鮮やキュウリ、卵焼きがのったものを指します。

ちらし寿司と比べて糖質は大きく変わりませんが、さらに具材を追加するのでその分カロリーは高くなります。

また、ばらちらしで気を付けたい点は塩分です。

まぐろやサーモンなどの海鮮をのせて食べる際は醤油をかけて食べますが、すでに酢飯や混ぜこむ具材に塩分が含まれているので、かける醤油の量が多いと塩分を摂り過ぎてしまいます。

塩分の摂り過ぎは高血圧の原因です。糖尿病の方は心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高く、高血圧が加わるとさらにリスクが高くなってしまうことも。

糖尿病の方がばらちらしを食べる際は、かける醤油の量に注意しましょう。

参考記事:糖尿病と高血圧の関連性~症状と対策をわかりやすく解説~ 

酢飯は白米より血糖値が上がりにくいの?

酢飯は白米に比べて血糖値が上がりにくいの?

酢飯は酢と一緒に砂糖を混ぜて作るため、白米を食べたときに比べて血糖値が高くなると思われますが、実は血糖値は上がりにくいのです。

実際、酢飯と白米を食べた際の血糖値を比較したところ、酢飯の血糖上昇が緩やかだったという実験結果もあります。

お酢のどのような成分が血糖値に影響を与えたのかまではわかっていないので、今後の研究発表に期待したいですね。

ただし、酢飯の効果がちらし寿司の具材やご飯の量の影響を帳消しにするわけではないので、ご注意ください。

糖尿病の方のように血糖変動が気になる方は、次でご紹介するちらし寿司を食べる際のポイントを実践するとよいでしょう。

参考記事:お酢にダイエット効果があるってホント?~飲み方やタイミングも解説~

市販のちらし寿司を食べるときのポイント

ひな祭りの時期が近づくと、スーパーやコンビニ、寿司チェーン店でもちらし寿司が並びます。家では作らず、買って食べるという方も多いのではないでしょうか。

そこで、糖尿病の方がちらし寿司を買って家で食べる際のポイントを2つご紹介します。

①野菜や海藻、きのこメインのおかずを付け足す

野菜や海藻、きのこメインのおかずを付け足す

野菜や海藻、きのこ類など食物繊維豊富なおかずを一緒に買って食べるのがよいです。食物繊維は、血糖値の上昇を穏やかにする働きがあるため、ちらし寿司の前に食べるのがコツです。

たとえば、わかめの酢の物など塩分がなるべく少なめのもので、小鉢1杯分(約50g)ほどの量がオススメですよ。

一方で、ポテトサラダはいも類がメインの料理で糖質が多いため、控えたほうがよいでしょう。

②量が多い場合は2回に分ける

先ほども触れましたが、ちらし寿司1人前は普段よりもご飯が多めです。そのため、1人前を1回で食べきるとカロリー・糖質の摂りすぎになります。

昼食なら夕食、夕食なら翌日の朝に分けて量を調節するとよいでしょう。

なお、分けたちらし寿司は常温でなく必ず冷蔵または冷凍保存するようにしてください。

参考記事:血糖値を上げない食べ方について管理栄養士が解説~順番や糖質量も~

ひな祭りの定番メニューで気を付けたいもの

ひな祭りでは、ちらし寿司の他にも食べ方や量に気を付けたいメニューがあります。

甘酒は砂糖不使用でも要注意

甘酒は砂糖不使用でも要注意

「飲む点滴」とも呼ばれ独特の甘みが特徴の甘酒ですが、実は米麹をつかった甘酒には砂糖が含まれていません。甘さのもとになっているのは、米麹を発酵した際にできるブドウ糖なのです。

砂糖は使っていませんが、砂糖よりも吸収が早いブドウ糖を含んでおり、一度にたくさん飲むと血糖値が急激に上がる可能性があります。

糖尿病の方が甘酒を飲むなら、小さなおちょこに少量ずついれて、ゆっくりと飲むのがオススメです。

参考記事:糖尿病の人が甘酒を飲んでも大丈夫なの? 

ひなあられは食べ方を一工夫

ひなあられは食べ方を一工夫

ひな祭りの祝い菓子として定番のひなあられも、意外と糖質が高いため糖尿病の方は注意が必要です。

ひなあられの形状は地方によって異なりますが、関東では甘いポン菓子(※)、関西ではしょっぱいおかきのことを指すようです。

どちらも原材料は米なので、軽い食感にのせられて食べ進めてしまうと、糖質の摂りすぎにつながります。

食べる際は小皿などに取り分けて、あらかじめ量を決めておくと食べ過ぎ防止になりますよ。

(※)ポン菓子とは米に圧力をかけた後、一気に減圧して膨らませたもの。

アルコールは食事の量と相談

アルコールは食事の量と相談

お祝いの席では気持ちが開放的になり、ついお酒が進んでしまいますよね。

糖尿病の方がアルコールを飲んではいけないことはありません。

しかし、ちらし寿司や甘酒、ひなあられなどいつもより糖質を多く含むメニューが並ぶため、アルコールの量はなるべく控えた方がよいでしょう。

参考記事:糖尿病とビールの付き合い方をサクッと解説~気になる選び方もご紹介~ 

まとめ

まとめ

糖尿病の方がちらし寿司を食べる際には、ご飯の量を調整したり食物繊維豊富なおかずを一緒に食べたりするなどの工夫をすると、急激な血糖上昇を防ぐことができるでしょう。

糖尿病になると「これは食べてはいけない」のような話が気になってしまいますが、お酒や甘いものを一度食べただけで、必ずしも血糖管理が乱れるとはかぎりません。

糖尿病の食事において大事なことは、カロリーや糖質の多い食べ物の量をコントロールすることです。

当記事を参考に、食べることを怖がり過ぎず、お祝いの席を家族や友人と一緒に楽しんでいただければ幸いです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動や食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。

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【参考文献】
農業産業振興機構 優れた砂糖の効果を知って、食生活を豊かに!
イートスマート

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