糖尿病の方におすすめなヨーグルトの食べ方~上手に食べれば効果的~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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ヨーグルトは腸内環境を整えるいわゆる「腸活」に役立つ食品として今注目を集めています。
しかし、ヨーグルトの魅力はそれだけではありません。
間食としてヨーグルトを食べた場合、他の菓子類より糖質が低めである・腹もちがいい・血糖が急上昇しにくい等、血糖値が気になる方・糖尿病の方にオススメしたい魅力がたくさんあります。
今回は糖尿病の方がヨーグルトを食べる際の注意点、効果的な食べ方を中心にお話しします。最後までお付き合いください。
目次
ヨーグルトは糖尿病に効果的?
「ヨーグルトは体にいい」というイメージがある一方で、「糖尿病の人にもいいの?」と疑問をお持ちの方も多いと思います。
結論から申し上げますと、無糖ヨーグルトを選んだり、食べるタイミングを工夫すれば、ヨーグルトは糖尿病の方の血糖コントロールに有効です!
ヨーグルトに期待する効果として、乳酸菌やビフィズス菌の働きにより腸内環境を整え、便通をよくすることが知られていますが、さらに肥満の予防になるのではないかと考えられています。
そして今、ヨーグルトを食べることや腸内環境を整えることが糖尿病にどう影響するのかについて、研究が進んでいますのでその一部をご紹介します。
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【注目】ヨーグルトを食べると糖尿病のリスクが下がる
先ほど腸内環境を整えることが、便通や肥満予防に有効であることをお話ししましたが、糖尿病にも有効であることが分かってきました。
腸内環境が悪くなると、インスリン抵抗性が上がる(※)という報告があり、ヨーグルトを食べて腸内環境を整えることは血糖コントロールのためにも良いというわけですね。
実際アメリカではヨーグルトを食べた人は、2型糖尿病のリスクが下がるという研究結果も出ています。当研究に関してまだ詳細は明らかになっていない部分もありますが、糖尿病の方は適量のヨーグルトを食べて血糖コントロールに役立てたいですね。
※血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪くなること
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血糖値を下げると話題のヨーグルト
スーパーなどで、「食後の血糖値の上昇をおだやかにする」と表示されたヨーグルトを見たことはありませんか。これらのヨーグルトは、ヨーグルトに「難消化デキストリン」を加えたものです。
「難消化デキストリン」は特定保健用食品(トクホ)(※)のお茶などにも含まれる成分で、食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇をおだやかにします。
(※)消費者庁の審査を受けて認められた特定の健康を保つための食品
血糖を下げる効果が解明されつつあるヨーグルトに、すでに国が効果を認めた成分をプラスした商品と言えますね。
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オススメの食べ方は「間食」
糖尿病の方にオススメしたいヨーグルトの食べ方は、今まで間食として食べていたお菓子の代わりにヨーグルトを食べることです。
体に良いとはいえ、今までの食生活にヨーグルトを追加してしまうと、どうしてもその分血糖値が上がってしまいます。追加するのではなく、今まで食べていた食品、血糖値を上げやすい食品と交換するのがベストです。
たとえば、夕方「ちょっと小腹が空いたな」ということはありませんか。
夕食まではまだ時間があるし、手軽に何か食べたい!と感じた時、何を間食に選ぶかが血糖コントロールに重要です。なるべく血糖値を上げないもの、腹もちがいいものを選びたいですよね。その点ヨーグルトは間食としてはオススメなのです。
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間食でよく食べる食品とカロリー&糖質&たんぱく質を比較
まず、普段間食としてよく食べる菓子類とヨーグルトのカロリー・糖質・たんぱく質を比べてみましょう。
カロリー | 糖質 | たんぱく質 | 1食の目安量 | |
ヨーグルト(無糖) | 56kcal | 3.9g | 3.6g | 100g |
ドーナツ | 265kcal | 31.6g | 5.0g | 1個(70g) |
プリン | 139kcal | 17.4g | 6.8g | 1個(120g) |
チョコレート | 138kcal | 14.8g | 1.7g | 板チョコ1/3枚(25g) |
大福 | 112kcal | 26.7g | 2.3g | 1個(50g) |
ヨーグルトはチョコレートやドーナツと比べて、カロリーも糖質も低いことがおわかりいただけますね。
もし、高たんぱくタイプのヨーグルト(オイコス、パルテノ、TANPACTなど)を選べば、たんぱく質をしっかりとれます。
たんぱく質は腹もちがいいので、長く空腹感を和らげたいときにピッタリです。
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GI値が低いヨーグルトは間食にオススメ
GI値とは血糖の上昇度を表す数字で数字が大きいほど食後の血糖値が急上昇しやすく、糖尿病の合併症の元凶になっています。
実は、間食でよく食べられる菓子類は非常にGI値の高いものが多いのです。
ドーナツや大福がGI 値80前後なのに対して無糖ヨーグルトはGI値25と非常に低いです。ですから、ヨーグルトは血糖の急上昇を起こしにくいといえます。この点からも糖尿病の方の間食としては優秀だと言えますね。
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糖尿病によくないヨーグルトの食べ方
これまで糖尿病の方にヨーグルトがオススメであることをお話ししてきましたが、注意点もあります。
「ヨーグルトは体に良い」という思いが食べ過ぎを招いたり、砂糖が砂糖が入ったヨーグルトを選んで糖質を余分にをとってしまうことになってしまっては、よくありません。
ここでは特に糖尿病の方に注意していただきたいヨーグルトのとり方をお話しします。
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食べ過ぎること
たまに「ヨーグルトは体にいいから」とたくさん食べている方がおられます。
たしかにヨーグルトは菓子類に比べるとカロリー控えめですが、食べ過ぎてしまうと乳脂肪のとり過ぎ、カロリーオーバーになりますので要注意です。
1日あたりで考えると100~200gが適量です。牛乳など他の乳製品を摂る場合は、200g程度が適量でしょう。
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砂糖などが加えられたヨーグルト
ヨーグルト自体は比較的低カロリーで血糖値の急上昇を起こしにくいのですが、砂糖入りのヨーグルトを選んでしまうと話は別です。
砂糖は血糖の急上昇につながるので糖尿病の方はできるだけ、無糖のものを選びましょう。
また、表示を見て「砂糖」と表示がないからといって安心していませんか?「果糖ぶどう糖液糖」「ぶどう糖果糖液糖」が入っていないよく確認しましょう。これらは血糖を急上昇させますので、砂糖以上に要注意です。
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まとめ
以上まとめます。
・菓子類に比べるとカロリー、糖質控えめで、血糖の急上昇もしにくいので間食にオススメ
・砂糖等が加えられたものや食べ過ぎは糖尿病の方にはカロリーオーバーなので要注意
それでは当記事を参考に、ヨーグルトを上手に利用して日々の食生活を整えましょう。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
BMC Med 12、215 乳製品の消費と 2 型糖尿病のリスク: 米国成人の 3 つのコホートと最新のメタ分析
ハーバード大学公衆衛生大学院 Yogurt may reduce type 2 diabetes risk
順天堂大学 日本人2型糖尿病患者における「腸内フローラのバランスの乱れ」を発見