野菜ジュースは糖尿病に良い飲み物?〜おすすめの糖質オフ商品もまとめて紹介〜
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
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「野菜をたくさん食べるのは大変だから、代わりに市販の野菜ジュースを飲んでるよ」
簡単に野菜を補える野菜ジュース。健康維持や増進のために、取り入れている方も多いでしょう。
しかし糖尿病で血糖改善が目的ならば、実は野菜ジュースでは効果が得られにくいのです。
そこで今回は、糖尿病に野菜ジュースについて解説することにしました。簡単に作れる野菜ジュースレシピもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
そもそも野菜ジュースとは
野菜ジュースは野菜を絞った汁のことを指し、市販品からミキサーで作るオリジナルのものまで、様々な楽しみ方がある飲み物です。
ちなみに日本での野菜ジュースはトマトジュースから始まったそうですよ。
参考記事:トマトジュースの栄養と効能~オススメの飲み方を知ってより効果的に~
野菜として考えていいのか
結論から言うと、野菜ジュースは野菜の代用とはなりません。なぜなら野菜本来の栄養素には、野菜ジュースで補えないものも含まれているからです。
その代表的なものが食物繊維です。のど越しをよくするため、野菜ジュースを作る工程で食物繊維(野菜のカス)はほぼ除去されています。
また生野菜に多いビタミンC(※)も、野菜ジュースの加工過程にある加熱殺菌によって失われる可能性が高いです。
(※)水溶性ビタミンの1つで、抗酸化作用がありストレスや病気に対する抵抗力を強める効果が期待できる
糖尿病に野菜ジュースは良いの?
糖尿病に野菜ジュースは良いとは言えないでしょう。その大きな理由は、糖尿病の食事療法で野菜摂取を推奨するのは食物繊維を補うのが目的だからです。
野菜に含まれる食物繊維は腸の中に長時間居座り、糖質の吸収を邪魔するため、血糖値の上昇が緩やかになります。
しかし上記でお伝えしたように、市販の野菜ジュースでは飲みやスサを重視するために、野菜の食物繊維を濾してあるものが目立ちます。
参考までに、日本食品成分表に記載されている野菜ジュース(野菜ミックスジュース/通常タイプ)の食物繊維は、100mlあたり0.9gです。
日本人の食事摂取基準では1日あたりの食物繊維の目標摂取量を男性21g以上、女性18g以上(※)としていることからも、野菜ジュースの食物繊維の少なさがおわかりいただけると思います。
(※)18~64歳における目標摂取量
ですが、野菜ジュースでビタミンやミネラルなど体の調子を整える栄養素は補えます。
食事バランスのサポートを目的として、野菜ジュースを飲むのは良いですね。
参考記事:食物繊維を多く含む食べ物ランキング~ダイエット中にオススメな理由も解説~
野菜ジュースが血糖値に与える影響
仮にフルーツ入りの野菜ジュースを飲んだ場合、血糖値が急に上がる可能性があります。
なぜなら繰り返しになりますが、血糖値の上昇を抑える食物繊維も少ない上に、主に果物などに含まれる果糖は体に吸収されやすい糖です。
ですので原料に何が使われているか、確認してから飲むことをお勧めします。
参考記事:【医師監修】血糖値を下げる飲み物&食べ物ランキング〜注目の食材とは?〜
飲み過ぎで逆に糖尿病になることもあるのか
野菜ジュースを飲む量と頻度によっては、糖尿病発症リスクの可能性はゼロではないでしょう。といいますのも、野菜ジュースには糖質も含まれているからです。
例えば毎日朝晩の2回、350mlの野菜ジュースを野菜の代わりとして飲んだと仮定します。
一般的な野菜ジュース(野菜ミックスジュース/通常タイプ)には100mlあたり3.7gの糖質が含まれます。なので、この例ですと野菜ジュースだけで約26gの糖質を摂ることになり、これは6枚切りの食パン1枚より多い量なのです。
2型糖尿病は遺伝的な影響のほか、食べ過ぎや運動不足、肥満などの要素が関わって発症する病気です。ですから野菜ジュースの飲み過ぎが直接的な発症リスクになると断言はできませんが、飲む量には気をつけてください。
参考記事:【医師監修】2型糖尿病とは〜原因・症状や治療についてわかりやすく解説〜
糖尿病に良い野菜で野菜ジュースを手作りしよう
一年中手軽に購入できる、小松菜を使ったレシピをご紹介しましょう。ミキサーを使えば、食物繊維をそのまま摂ることが出来ます。
余談ですが、糖尿病では骨粗鬆症になりやすいことも分かっています。カルシウムが豊富な小松菜は骨粗鬆症の予防にも効果的な野菜です。
なお野菜をミキサーにかける際、水分がないと液状にならないため、ここでは糖質の少ない豆乳を使用しました。
【豆乳入り小松菜ジュース】
・小松菜 50g(2株)
・無調整豆乳 100ml
・ラカントなどの甘味料 小さじ1
・レモン汁 少々
【作り方】
①一口大に切った小松菜と豆乳、甘味料、レモン汁をミキサーにかけて混ぜる
②コップに注いで、できあがり
参考記事:【医師監修】骨粗しょう症は糖尿病の合併症?〜血糖との関係・検査・対策をポイント解説〜
参考記事:小松菜の驚くべき栄養成分~加熱による変化や効能を高める食べ方も伝授します~
参考記事:牛乳のカロリー&糖質を調べました〜豆乳と比較しながらポイント解説〜
市販の糖質オフ野菜ジュースを紹介
最後に、糖質をオフした野菜ジュースをご紹介します。
カゴメから発売されている糖質オフの野菜ジュースで、1本(200ml)あたり糖質は3.6gしか含まれません。
手軽に栄養素を補給したい時、ちょっと野菜が足りなかった時などにオススメです。
まとめ
以上、野菜ジュースでは血糖値の抑制に必要な食物繊維が摂りにくいため、糖尿病に良いとは言い切れない飲み物であることがおわかりいただけましたね。
しかし、野菜ジュースでビタミンやミネラルなど体の調子を整える栄養素を補うことは出来ますので、栄養バランスのサポート役として飲むのは良いでしょう。
市販品では低糖質な野菜ジュースの活用がオススメです。ご紹介した小松菜と豆乳のジュースレシピも、ぜひお試しください。
それでは当記事が、あなたの血糖コントロールのお役に立つことを願っています。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動や食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
・日本食品成分表 2021 八訂 医歯薬出版株式会社
・文部科学省 食品成分データベース
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・カゴメ 公式ホームページ