糖尿病のおやつにたい焼きはアリ?ナシ?~中身による違いも大公開~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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昔から老若男女に人気のたい焼き。鯛の形をしたほんのり甘い生地に尻尾までたっぷり入った甘いあんこは、寒い冬にピッタリのスイーツです。
しかし、「糖尿病」と診断されると、多くの方がたい焼きなど甘いもの全般を我慢しようとします。もともと甘いもの好きだった方が、ある日を境に食べられなくなるのは辛いですよね。
そこで今回は、糖尿病の方がたい焼きを食べてもよいのかどうかについてお伝えします。
食事のコントロールが重要な糖尿病とお菓子の付き合い方について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
糖尿病の人がたい焼きを食べてもいいのか
結論から申し上げますと、糖尿病でもたい焼きは食べられます。ただし、オススメできるかというと話は別です。
糖尿病の方は、基本的にたい焼きのようなお菓子を控えた方がよいといわれています。
なぜなら、食事に加えてお菓子を食べてしまうと、カロリーと糖質のとりすぎにより肥満や血糖コントロール不良に陥るからです。食事のコントロールは糖尿病治療の一環として大切なことなのです。
さらに一般的なお菓子は油や砂糖が多く使われており、食事とは別に食べるとカロリーや糖質を摂りすぎる原因になります。
糖尿病の方がたい焼きを食べる場合は、かかりつけ医や食事指導を受けている管理栄養士と相談しましょう。
たい焼きのカロリーと糖質
一般的な小麦粉で作った生地にあんこが入っている場合、1個(94.9g)あたりカロリーが213kcal、糖質は38.3gです。生地に使う小麦粉や、中身のあんこにたっぷり含まれる砂糖によって、糖質は高めです。
なお6枚切りの食パン1枚半が223kcal、糖質は43.4gです。たいやきを1個食べると主食並みのカロリー、糖質を摂ることになります。
また、最近では生地をクロワッサンにしたり、薄い生地にあんこをたっぷり入れたりと、たい焼きにもいろいろな種類がありますよね。
いわゆる進化系のたい焼きは、通常のものと比べてカロリーや糖質が高い傾向にあります。食べる際は、いつもより量を減らすなどの工夫が必要です。
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中身があんこ以外ならどうか?
たい焼きの中身はあんこが定番ですが、カスタードなどさまざまな種類もみかけますよね。
中身のカロリーはどれくらい違うのか、たい焼きの中身を50gと仮定してあんことカスタードを比べてみましょう。
※50gあたり | あんこ(つぶあん) | カスタードクリーム |
カロリー | 120kcal | 87kcal |
糖質 | 27.4g | 13.1g |
※1個あたり
あんこはカスタードよりカロリー、糖質ともに高いという結果でした。カロリー・糖質を抑えたいならカスタードのほうがオススメです。
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たい焼きと上手に付き合うための3STEP
かかりつけ医や管理栄養士に相談し、晴れてたい焼きを食べてもよいといわれたからといって、大手を振って喜んではいけません。
たい焼きの食べすぎによる体重増加、血糖コントロール不良にならないためには、これからご紹介する3つの段階を頭に入れておくとよいですよ。
STEP1 食べすぎないように量を決める
糖尿病の方の場合、とくにたい焼きのようなお菓子の食べすぎは絶対避けなければなりません。
先ほども申し上げた通り、糖尿病の方はお菓子を控えたほうがよいですが、どうしても食べたい場合は量を決めてから食べるようにしましょう。
その際に参考になるのは、「糖尿病食事療法のための食品交換表(以下、食品交換表)」です。
食品交換表とは、ごはんや芋類、肉や魚、脂、野菜など6つのグループに分類し、80kcalで1単位として1日に食べる量を各グループに当てはめています。カロリーではなく「単位」で示すことにより食材の置き換えがしやすく、食事コントロールしやすくなるメリットがあるのです。
1単位80kcal分のたい焼きを具体的な量にすると、あんこのたい焼きであれば約1/3個分となります。1日の摂取カロリー量は個人差があるので、ご自身にあった量はかかりつけ医や管理栄養士と相談した上で決めましょう。
STEP2 夜中に食べるのはNG
食べる量の次は食べる時間も工夫しましょう。
とくに、夜遅くに小腹が空いたからといってたい焼きを食べるのは厳禁ですよ。
というのも、夜10時以降は食べたものが脂肪に変わりやすく、太りやすいとされています。太りすぎると、血糖値を下げる「インスリン」というホルモンの効きが悪くなってしまうので、糖尿病の方にとって肥満の予防と解消は重要なポイントなのです。
たい焼きを食べるなら、おやつの時間(14時~15時)がよいでしょう。
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STEP3 食べた後は運動をする
おやつを食べて罪悪感にかられているなら、そのエネルギーを運動に向けましょう。
糖尿病の方にとって、適度な運動は血糖コントロールを改善する上でも効果的です。
ウォーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニングを行うと、糖のや脂肪が利用されて血糖値だけでなく血圧低下やインスリン感受性(※)がよくなり、糖尿病が改善すると言われています。
運動をすると、食べた分のカロリーを消費するだけでなく、糖尿病の改善にも効果があるなら一石二鳥ですね。
(※)インスリン感受性とは、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンに対する反応のこと。インスリン感受性が低下した状態をインスリン抵抗性という。
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まとめ
砂糖たっぷりのあんこや生地の小麦粉により、カロリー、糖質ともに高めなたい焼きですが、量や食べる時間を工夫すれば糖尿病の方でも食べられますよ。
量は個人差がありますので、かかりつけ医や管理栄養士と相談しながら決めるとよいでしょう。また、夜中に食べるのはNGです。食べるなら14時~15時のおやつの時間がオススメですよ。
さらに、ウォーキングなどの運動は糖尿病の改善にも役立ちます。「おやつを食べた後は散歩に行く」などご自身でルールを決めておくと、習慣化しやすいですね。
それでは、当記事の情報が「毎日食事管理を頑張っている自分へのご褒美が欲しい!」という方のお役に立てれば幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動や食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
日本糖尿病学会編・著 糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版
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