糖尿病の方に豆乳はオススメできるか〜栄養素を含め丁寧に解説〜
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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豆乳と聞くと、健康にいいイメージですがまさにその通りで、糖尿病の方にもオススメできる点があります。
ですが、選び方を間違えるとかえって血糖値に悪影響があることも。
そこで本記事では、糖尿病と豆乳の関係を簡単に説明するとともに、選び方も解説していきますのでぜひ最後までお付き合いください。
目次
豆乳には糖尿病に嬉しい栄養がいっぱい
豆乳に含まれる栄養素はさまざま。ここでは糖尿病の方にとって特筆すべき栄養素をお伝えしていきます。
たんぱく質
大豆に含まれるたんぱく質には、 以下のような働きが期待できます。
・血圧上昇の抑制
・肥満の防止
・抗酸化作用(※)
このように、大豆のたんぱく質は、糖尿病と深くかかわりのある高血圧や脂質異常症がある人にも、良い効果が多く確認されている栄養素です。
(※)酸化(細胞が傷つくこと)から細胞を守り、老化を防いでくれる働きのこと
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大豆レシチン
レシチンは天然の乳化剤ともいわれ、油と水を混ぜる働きがあります。
この働きによって血中の余分な脂質を体から排泄し、悪玉(LDL)コレステロールを低下させる作用があるのです。
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大豆イソフラボン
大豆イソフラボンはインスリン抵抗性を改善し、高めの血糖値を正常に近づけるのに役立つとされています。
インスリン抵抗性とは、インスリンがあるのにその効果を発揮できず、血糖値が下がりにくい状態のことです。そのためインスリン抵抗性が改善されると、血糖コントロールがしやすくなります。とくに太り気味の方にはオススメしたい栄養素です。
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カリウム
カリウムは高血圧予防が期待できる栄養素です。
塩分摂取が多いことは高血圧の原因の一つですが、カリウムは摂りすぎた塩分を腎臓から排泄して高血圧を防ぎます。糖尿病の人は、高血圧に注意する必要があるので積極的に摂りたい栄養素の一つです。
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大豆オリゴ糖
大豆オリゴ糖は、腸内で良い環境を作る善玉菌のエサになるので、整腸作用も期待できます。
糖尿病の人が良い腸内環境を維持すると、血糖コントロールが良好になったり肥満の予防につながったりするという報告もあります。
また、糖と名の付くとおり甘味がある一方、消化されにくいため糖として利用されず砂糖のように急激な血糖値上昇はみられません。
さまざまな面から血糖コントロールをサポートしてくれますよ。
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糖尿病の人が豆乳を飲むとどんな効果があるのか
豆乳に含まれる大豆たんぱく質は、消化がゆっくりなので腹持ちがよいとされています。
飲んだ後は空腹を感じるまでの時間が長くなるので、間食にもピッタリですね。
血糖値への影響
豆乳自体に糖分が添加されていない「無調整豆乳」であれば、血糖値の上昇は少なくすみます。また、たんぱく質や脂質も含むので、一緒に食べるパンやご飯の糖質の血糖値上昇を抑える働きもあります。
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悪玉コレステロールを下げるって本当?
先ほども述べた大豆たんぱく質の働きによって、悪玉コレステロールの数値を低下させることがわかっており、これは特定保健用食品、通称「トクホ」の成分としても認められています。そのため、気になる方はトクホマークのある商品を選ぶと良いでしょう。
ただしトクホ食品は薬ではありませんので、補助的に使うことをオススメします。
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糖尿病の方が飲むなら無調整豆乳
豆乳には無調整豆乳、調製豆乳、豆乳飲料の3種類があるのをご存じでしょうか。
調製豆乳:無調整豆乳に砂糖や油、塩を混ぜて飲みやすく調整してあるもの
豆乳飲料:調製豆乳にさらに味をつけているもの。大豆成分はその分少ない。
調整豆乳や豆乳飲料は砂糖が入っているため、砂糖の入っていない無調整豆乳に比べて血糖値が上がりやすいです。そのため糖尿病の方にはお勧めできません。
糖尿病の人が飲むときは、無調整豆乳を選ぶとよいでしょう。
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糖尿病にオススメなのは牛乳?豆乳?
豆乳とよく比較される牛乳ですが、糖尿病の人にオススメなのはこっち!と決めることは難しいでしょう。
なぜなら、どちらにもオススメしたい点があるからです。
太り気味の方や、悪玉コレステロール値が気になる方には豆乳がよいですよ。豆乳は牛乳と比べてカロリーが低く、血糖値や悪玉コレステロール値を下げる働きがあるためです。
一方で筋トレをしている人や筋肉量が減っているとお悩みの方には、筋肉がつきやすい種類のたんぱく質を含んだ牛乳が良いでしょう。また牛乳に多く含まれるカルシウムは、高血圧予防やインスリンを正常に分泌するといった効果も期待できます。
大豆は大豆製品、牛乳は乳製品、食品の種類が違うので、両方飲んでもかまいません。あなたの目的にあう方を選びましょう。
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まとめ
以上、糖尿病と豆乳について解説いたしました。
豆乳にはたんぱく質、大豆レシチン、大豆イソフラボン、カリウム、大豆オリゴ糖など糖尿病に良い栄養素がつまった飲み物でした。
とくにコレステロールについては良いこと尽くしでしたね。しかし、調整豆乳や豆乳飲料ですと血糖値が上昇する可能性は高いので、無調整豆乳を選んで飲みましょう。
それでは、当記事を読んで、糖尿病のあなたが豆乳をうまく取り入れられると幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
日本調理科学会誌 大豆たんぱく質の機能性を探る
国立研究開発法人国立がん研究センター イソフラボン接種と糖尿病の関連について
農林水産省 大豆および大豆イソフラボンに関するQ&A