糖尿病だとお餅は食べられない?~血糖値が急上昇しにくい食べ方も紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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冬が近づくと、スーパーでよく見かけるようになるお餅。普段は食べないけれど、この時期だけはお餅を食べるという方も多いでしょう。
糖尿病の方にとっては、糖質の多そうなお餅は食べていいのか迷う食材ですよね。
今回は、糖尿病の人がお餅を食べられるのか、くわしく紐解いていきます。ぜひ最後までご覧ください。
目次
糖尿病をもっているとお餅は食べてはいけないのか
適量であれば、糖尿病でもお餅は食べられます。もちろん食べすぎると血糖コントロールに影響しますが、お餅を食べると糖尿病が悪化するわけではないのでご安心ください。
何個なら食べてもいい?
基本的には1食あたり1〜2個が目安量です。お餅は糖質の多い主食なので、ご飯やパンの代わりに食べてください。
ただし同じ糖尿病であっても、体格や活動量、性別、年齢、血糖コントロールの状態、合併症の有無によって、摂ってもよい糖質やカロリーは違います。
かかりつけの主治医や管理栄養士に相談してくださいね。
お餅が糖尿病によくないといわれる理由
お餅は糖質が多い上に、普段主食としているご飯と比べて食べやすいため、糖尿病によくないといわれています。
実は、お餅の糖質・カロリーはご飯と比べて大きな差はありません。茶碗1杯のご飯(150g)と切り餅2個であれば、糖質とカロリーは、ほぼ同等です。
ただし、ご飯と比べてお餅は食べやすく、1食で3〜4個ペロリと食べてしまうこともあります。
お餅だと普段のご飯よりもたくさん食べてしまう、という方は血糖コントロールが悪くなるので、注意が必要です。必ず適量を守りましょう。
参考記事:餅のカロリーと糖質は高いから太る?〜餅料理やわらび餅のカロリーもご紹介~
お餅は体に悪いの?
食べすぎはよくないですが、お餅そのものは体に悪いものではありません。お餅は糖質が多く食べすぎには注意が必要ですが、適量であれば体に害のないものです。
適量の糖質は、脳や体を動かすために必要なエネルギー源です。ただし摂りすぎると、糖尿病や肥満などの原因となります。
自分にとっての適量を把握し、体に害のない範囲で食べましょう。
血糖値を上げにくいお餅の食べ方をご紹介
お餅は食物繊維やたんぱく質の豊富なおかずと一緒に食べると、血糖値が急上昇しにくくオススメです。
たとえば、サラダや煮物などの野菜のおかずや、肉や魚、卵をメインに使ったおかずをお餅と一緒に食べるとよいでしょう。
また、大根おろしをからめた「からみ餅」や、のりを巻いた「磯部巻き」も血糖値を急激に上げにくい、と考えられます。
汁物に入れてもよい
野菜やお肉で作った汁物に、お餅を入れて食べるのもよいですね。
地域によりますが、お正月に食べるお雑煮は野菜やお肉を使って作ることが多いです。食物繊維の豊富な野菜やたんぱく質源である肉で作ったお雑煮は、血糖値の急上昇を防ぐためにも理にかなった食べ物といえます。
参考記事:糖尿病の方がお雑煮を食べてもいいの?管理栄養士が解説します
糖尿病の方が注意したいお餅の食べ方
きなこ餅やあんこ餅は注意が必要です。
きなこもあんこの材料である小豆も食物繊維やたんぱく質が豊富なため、一見血糖値を急上昇させないように感じられるかもしれません。
しかし、きな粉は砂糖を混ぜ、あんこは砂糖をたっぷり入れて作るため、糖質量が大幅にアップします。砂糖の甘味が美味しく、ついつい食べすぎてしまう点も注意が必要です。
そこで、きなこ餅やあんこ餅は間食として、1/3個を目安に食べましょう。
*1個あたり
きなこ餅(餅50g・きなこ大さじ1・砂糖小さじ1)
あんこ餅(餅30g粒あん30g)
参考記事:きな粉の栄養成分と効能~健康効果だけでなく注意点も解説~
まとめ
以上、糖尿病の方でも適量であれば、お餅を食べられるとわかりました。
お餅は糖質の多い食べ物ですが、血糖コントロールに悪影響のない量であれば体に害はありません。ただし、ご飯やパンの代わりに主食として食べてください。
さらに、食物繊維やたんぱく質の豊富なおかずと一緒に食べると、血糖値の急上昇が防げるのでオススメです。野菜やお肉を使ったお雑煮にしてもいいですね。
それでは、当記事を参考に適度にお餅を食べて、健康に過ごしましょう。
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【参考文献】
文部科学省 食品成分データベース