Sync Health Blog

糖尿病とアルコールの関係~オススメの種類・適量から飲み過ぎ対策も紹介~

  • カテゴリ
  • ※こちらの記事は広告が含まれます
糖尿病と飲酒の関係~アルコールの影響や飲み過ぎないための秘訣を紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士  白石香代子が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

暑い夏にはキンキンに冷えたビールをキューっと1杯いきたいですし、冬は忘年会などでお酒を飲む機会が増えるなど、私たちの生活には何かとアルコールがつきものです。

適量のアルコールを飲むことは身体や健康に良いと言われていますが、多量飲酒は糖尿病を悪化させてしまう可能性があります

さらにアルコールは血糖管理に影響を与えるため、糖尿病の治療においては減酒(量か頻度を減らす)が求められるのです。

今回は、糖尿病の方がお酒とどのように付き合うべきなのかをわかりやすくお伝えします。

糖質の少ないハイボールやワインの飲み方や、お酒を飲み過ぎないための効果的な方法ご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

糖尿病の人はアルコールを飲んでもいいの?

糖尿病の人はアルコールを飲んでもいいの?

食事制限などで血糖管理をしている糖尿病の方にとって、し好品であるアルコールは飲んでもいいのか悩みますよね。

結論から言うと、糖尿病の方でもアルコールは飲めます。ただし、それは適切な量の飲酒であればの話です。

節度を越えた多量飲酒は、アルコールが血糖値へ与える影響やカロリーの摂り過ぎにより糖尿病をさらに悪化させてしまいます。

糖尿病の方は、まずアルコールを飲んで良いかどうか主治医に相談することから始めましょう。

あなたの糖尿病の状態に合わせて、医師にアドバイスをもらうことが大切です。

飲酒OKと言われたら、適量を飲むように心がけます。

【種類別】アルコールの適量と注意点

1日のアルコール目安量は、男性20g、女性10gが適量です。目安量に合わせて、飲む量を決めるようにしましょう。

【お酒の種類と適正アルコール量の目安/男性の場合】

アルコールの種類適量適量に含まれるアルコール量
ビール500ml(ロング缶1本)20g
発泡酒500ml(ロング缶1本)22g
焼酎(ロック)100ml(0.5合)20g
ウイスキー(ロック)60ml(ダブル2杯)19g
ワイン200ml(グラス2杯)10g
日本酒180ml(1合)20g
缶チューハイ350ml(1本)17g

なお、女性は上記の半分量となります。

自分の適量を知り、飲み過ぎないようにすることが大切です。

関連記事
糖質ゼロビールは太らない?~カロリーやオススメ商品についても紹介~

ハイボールは飲んで良いのか

ハイボールは飲んで良いのか

ハイボールはウイスキーをソーダで割った飲み物です。糖質が含まれていないので、糖質量を気にする方を中心に支持されています。

しかし、糖質を含まないとはいえハイボールもアルコールなので、飲酒量は適量までにする必要があります。

適正な量は、350ml缶1本程度ジョッキの場合は1杯程度です。

糖質ゼロといっても、飲み過ぎは血糖管理に悪影響を与える危険性が高いので油断は禁物です。

関連記事
糖尿病の方が外食する際の注意点は?食事のコツやポイントを伝授

ワインも飲んでいいの?

ワインも糖質が含まれていないけど飲んで大丈夫?

赤ワインに白ワイン、ロゼワインなどワインには様々な種類がありますが、どのワインでも飲んで大丈夫です。

ワインもハイボールと同じで糖質はゼロですが、他のお酒と同様、適量を飲むよう心がけましょう。

グラスワイン2杯(約200ml)でアルコールは20gです。ボトル1本空けちゃった…とならないように気をつけましょう。

関連記事
ワインは高カロリーで低糖質〜ダイエット中の楽しみ方やおつまみも紹介〜

ノンアルコールビールなら飲んでも問題ないのか

ノンアルコールビールはアルコールを含んでいませんが、中には血糖値に影響を与えるものもあります。

なぜならノンアルコールビールの原料に、水あめや果糖ブドウといった糖類が含まれていることが多いからです。

糖類が含まれているノンアルコールビールは、まさに砂糖入り麦風味の炭酸飲料とも言えますね。

ノンアルコールビールを購入する時は、原材料表示を見て糖類の入っていないものを選ぶようにしてください。

お酒を飲み過ぎない対策法とは

お酒を飲む時、炭酸水を一緒に飲むのがオススメです。

炭酸水には炭酸ガスが含まれていて、飲むと胃の中でガスの気泡が膨らみます。この気泡が、満腹感をもたらしてくれます。

またスープや味噌汁などの汁ものを早めに注文し、お酒と一緒に飲むのも一つの手です。

温かい汁もので空腹感が落ち着き、ゆっくり飲みながら具材を食べることで、満腹感を覚えすくなります。

炭酸水も汁ものも、飲み過ぎ予防に効果的ですので試してみてください。

関連記事
炭酸水にダイエット効果はある?~飲み方やアレンジ方法について紹介~

おつまみにも一工夫

おつまみにも一工夫

飲み過ぎの工夫とともに行いたいのが、おつまみの選び方です。

アルコールは食欲増進の働きもあるため、飲み会となるとついつい食べ過ぎてしまいがちですよね。さらに、宴会メニューは揚げ物や炭水化物の多いものなど、総じてカロリーの高いメニューが多く並びます。

枝豆や刺身など、カロリーが比較的低いものを選び、唐揚げや天ぷらなどは1つまでなど量を決めて食べるように心がけましょう。

関連記事
糖尿病の方が飲み会で注意すべきポイントは?~食べ物・お酒について解説~

アルコールが糖尿病に与える影響

ここまで「糖尿病の人でも飲酒は可能」とお伝えしたものの、基本的に糖尿病において、飲酒は控えるに越したことはありません。

なぜなら、アルコールによって血糖管理に悪影響を与え、腎症や神経障害といった合併症を発症するリスクが上がってしまうからです。

神経障害についてもっと知りたい方はこちら

アルコールには、肝臓の細胞に蓄えられているグリコーゲン(多数のブドウ糖できた多糖類)の分解を促進する作用があります。

分解が促されるとブドウ糖がたくさん増えますので、お酒を飲んだ後は一時的に血糖値が上昇してしまうのです。

またアルコールの影響で、飲んでいる薬の作用が長引いたり、効きが悪くなったりすることもあります。

飲み過ぎはさらに血糖管理を悪くする

アルコールの飲み過ぎは肝臓(アルコールを分解する臓器)に負担をかけ、肝臓病の初期状態である脂肪肝(肝臓に脂肪がついた状態)を発症しやすくなります。

脂肪肝ではインスリン抵抗性(※)が起こりやすくなり、血糖値が思うように下がらりません。そのため、血糖管理に影響を与えて合併症の発症リスクが高まってしまうのです。

(※)インスリン抵抗性とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪い状態のこと

関連記事
【医師監修】糖尿病の合併症についてまとめました〜発症の順番や予防法も紹介〜

お酒は太る原因にも

お酒の飲みすぎによる影響は、アルコールだけではありません。お酒は意外とカロリーが高い飲み物なのです。

例えば ビール500ccを3缶飲むと630kcalで、これはご飯大盛り1杯(370g)とほぼ同じカロリーとなります。

【お酒のカロリー目安量】

アルコールの種類適量適量に含まれるカロリー(kcal)
ビール500ml(ロング缶1本)210 
発泡酒500ml(ロング缶1本)225 
焼酎(ロック)100ml(0.5合)146
ウイスキー(ロック)60ml(ダブル2杯)140
ワイン200ml(グラス2杯)140
日本酒180ml(1合)200
缶チューハイ350ml(1本)180


多量のお酒を飲むことでカロリーオーバー(摂取カロリー>消費カロリー)となり、糖尿病の原因の一つ「肥満」を招くことも考えられます。

多量飲酒が肥満を引き起こすことで、糖尿病の間接的な原因となる可能性もありますので、先ほどの目安量をしっかり覚えて飲み会にのぞみましょう。

まとめ

糖尿病とお酒まとめ

糖尿病の方はアルコールを飲んでもよいですが、飲みすぎは血糖管理に悪影響を与えるだけでなく、太る原因にもなります。

飲む前に主治医とよく相談し、OKならば適量を飲むようにしましょう。1日のアルコール目安量は、男性20g、女性10gです。

ハイボールやワインの糖質はゼロですが、他のお酒と同じくアルコール飲料です。糖質ゼロだからと安心せず、適量を心がけてください。

また、ノンアルコールビールには原料に糖類が使われているものもあります。原材料表示を見てから購入するようにしましょう。

なお、お酒を飲む時に炭酸水や汁ものを一緒に飲むと、満腹感が得られやすく飲み過ぎ予防につながりますよ。

以上、「糖尿病とお酒」についてご紹介しました。

今回の内容が、お酒を飲む機会の多いあなたのお役に立てると嬉しいです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や食事の記録がカンタンにできます。飲酒による血糖値が気になる方はぜひ、日々の食事管理で活用してみてくださいね。
糖尿病の記録 体重の記録 血圧の記録 生活習慣病の管理はシンクヘルスで一括管理

参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット 
文部科学省 食品成分データベース
Increasing prevalence of diabetes mellitus in association with fatty liver in a Japanese population, Journal of gastroenterology. 2014 Oct;49(10);1406-13. doi: 10.1007/s00535-013-0902-2.

LATEST BLOG最新ブログ記事

記事一覧へ