ナッツ類と血糖値の関係〜見落としがちな点をシンプルに解説〜
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
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美容や健康に良いと、健康番組などでもよく取り上げられる「ナッツ類」。近年は低糖質な点にも注目され、血糖値が気になる方がおやつなどで日常的に食べる様子も見受けられます。
ただし、食べる量をきちんと決めておかないと、肥満など健康とは真逆の状態になりかねません。
そこで今回は、ここではナッツ類と血糖値の関係やナッツ類の栄養価などについて、わかりやすくお伝えします!
目次
ナッツ類は血糖値をあげないの?
お米やパンなど糖質量の多いものを食べると、食後の血糖値は急激に上がりますが、ナッツ類を食べた直後の血糖値はほとんど上がりません。
それもそのはず、ナッツ類の糖質量は他のあらゆる食品と比べてとても少ない低糖質な食べ物なのです。
低糖質なナッツ類をうまく活用することは、糖尿病の予防や良好な血糖管理にもつながります。
それでは具体的に、ナッツ類の成分や活用法について見ていきましょう。
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ナッツ類に含まれる成分の特徴
ナッツ類には、脂質や食物繊維が豊富に含まれます。
それぞれの特徴をくわしく見ていきましょう。
健康に良い脂質が多く含まれる
脂質は炭水化物、たんぱく質と並ぶ3大栄養素の1つです。
そして脂質を構成しているのが脂肪酸で、ナッツ類には不飽和脂肪酸が多く含まれています。なお、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。さらに不飽和脂肪酸は2種類あり、それぞれ多く含まれる食品が異なるのです。
脂肪酸の種類 | 脂肪酸 | ||
飽和脂肪酸 | 不飽和脂肪酸 | ||
一価不飽和脂肪酸 | 多価不飽和脂肪酸 | ||
多く含む食品 | 肉・バター・乳製品 | オリーブオイル | 青魚・ナッツ・植物油 |
一価不飽和脂肪酸には血中のLDLコレステロールを下げる効果があり、心血管疾患の発症リスクを減らすことができます。また青魚のDHA・EPAで知られる多価不飽和脂肪酸には、動脈硬化や血栓を防いだり血圧を下げたりする効果があります。
つまりナッツ類を取り入れることは、健康に良い効果をもたらし、糖尿病の合併症予防につながるのです。
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不足しがちな食物繊維が補える
ナッツ類には、現代人に不足しがちな食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は糖尿病を始めとした生活習慣病予防によい栄養素として、多く摂ることが推奨されています。
ナッツ類を日々の食事や間食に取り入れることで、不足分を補う助けとなるでしょう。
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【注意】糖尿病性腎症は摂取が制限されるかも
ナッツ類には、血圧を下げる働きをもつカリウムが多く含まれています。
カリウムは腎臓からしか排泄できないため、腎臓の働きが低下している状況では、血中のカリウム濃度が高くなり、嘔吐やしびれ、危険な不整脈などを引き起こすこともあります。
そのようなリスクを避けるために、糖尿病性腎症があるとカリウムの摂取量に制限がかかることも。
もしナッツ類を食べるなら、ナッツ類以外にカリウムが多い食材の量を減らしたり、水に溶けやすいカリウムを溶かし出すために、一度茹でこぼすか水でさらしたりしながら、調整する必要があります。
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オススメのナッツ類はどれ?
市販のナッツ類を選ぶ際、ポイントとなるのは素焼きのものを選ぶことです。
市販のナッツ類は塩やバターで味がついているものや、油であげているものが多くあります。これらは塩分やカロリーの過剰摂取につながる可能性がありますので、控えたほうがよいでしょう。
つづいて、ナッツの種類ごとに栄養素の特徴などをご紹介します。ご自身が得たい効果に合わせて選ぶ際、参考にしてみてください。
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ピーナッツ
ビタミンEや葉酸、食物繊維が多く、効率よく栄養補給できるナッツです。
また薄皮にはポリフェノールも含まれており、動脈硬化の予防にも効果的。薄皮は剥かずに、そのまま食べましょう。
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アーモンド
噛みごたえのあるアーモンドには、食物繊維がたっぷり。少量で満腹感を得られやすく、特にダイエットに適しています。
肌や髪を健やかに保つビタミンB2も多く含まれます。
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カシューナッツ
ナッツ類の中では糖質がやや多く、柔らかい食感です。一
価不飽和脂肪酸のオレイン酸が、LDLコレステロールを下げ、動脈硬化や心疾患の予防に役立ちます。
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くるみ
n-3系脂肪酸が多いナッツです。n-3系脂肪酸は青魚のDHAやEPAと同じ仲間の脂肪酸でおおよその生活習慣病の予防に効果的です。
くるみ4粒ほどで、1日のn-3系脂肪酸の目安量を補うことができます。
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マカダミアナッツ
パルミトレイン酸が多く含まれるナッツです。
パルミトレイン酸には、血中の中性脂肪を下げる働きがあり、糖尿病合併症予防や動脈硬化予防に役立ちます。
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カロリーに注意しながら、適切な量を
体に良い効果が期待できるナッツ類。
しかし気をつけたいのは、ナッツ類のカロリーです。ナッツ類の脂質は良い脂質ですが、カロリーは高めです。
なので「いつもの食事にナッツ類をプラス」では、カロリーオーバーになってしまうことも。
そこで、ポイントは食べる量になります。
目安として例えば、「ナッツ類で摂るカロリーは80kcalまで」 と決めると 、1日の摂取カロリーが把握しやすく、栄養バランスも整いやすくなりますよ。
食事における1日の油の量も考えながら、ナッツ類を取り入れるようにすると、安心ですね。
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間食(おやつ)にナッツ類を活用
オススメは間食に取り入れることです。
オフィスで小腹がすいた時や残業の時、菓子パンではなくナッツ類を選びましょう。
「ナッツ類を食べて満腹感が得られる→帰宅後の食事の量を少し減らせる」と、夕食でのダイエット効果も見込めます。
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まとめ
ナッツ類は低糖質で、血糖値の上昇が緩やかな食品です。
ナッツ類の良質な脂質は、生活習慣病予防や動脈硬化をはじめとした糖尿病合併症予防に役立ちますのと、間食に取り入れることで、ダイエット効果も期待できます。
今回の内容を参考に、ナッツ類をうまく活用しながら、健康作りに役立ててもらえると嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
日本糖尿病学会編・著2018-2019糖尿病治療ガイドP11 糖尿病に関する指標 ①平均血糖値を反映する指標参照
日本糖尿病学会編・著 2017 医療者のためのカーボカウント指導テキスト P37
女子栄養大学出版部 香川栄養学園長 医学博士 香川芳子監修 七訂食品成分表2016