肝臓に悪い意外な食べ物ランキング!ご自身の食事を見直してみましょう
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、多少ダメージを受けていても自覚症状が出ません。
したがって自覚症状が表れる頃には、病気が進行していることが多いです。
「自分はお酒を飲まないから肝臓は問題ない」と思っている方も多いでしょう。
しかし肝臓に負担をかけるのは、アルコールだけではありません。
近年、食べ過ぎや運動不足などが原因で肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」の方が増えています。
そこで今回は肝臓に悪い「意外な食べ物」をご紹介しますので、ご自身の食べる頻度を確認したり食事を見直すきっかけにしてくださいね。
なお、脂肪肝について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
目次
肝臓に悪い食べ物をご紹介
お酒をよく飲む方や健康診断で肝機能の数値が高めだった方は、定期的に検査をするとともに食生活を改善しましょう。
さっそく肝臓に悪い意外な食べ物をランキング形式でご紹介します。ご自身の食事を振り返りつつご覧ください。
なおここで紹介する食べ物も適量を摂る分には、健康を害するわけではありません。
あくまでも「過剰摂取に注意すべき食べ物」ですから、ほかの食事とのバランスも考えつつ楽しめるとよいですね。
1位:果物(缶詰、ジュースを含む)
食事に気を付けていても、果物を摂りすぎた場合には脂肪肝を招く恐れがあります。
なぜなら、果物には糖質が多く含まれているからです。
摂りすぎた糖質は、肝臓で中性脂肪に変わります。その結果、脂肪肝や肥満のリスクが高まります。
とくに注意すべき果物は、缶詰やジュースに加工されたものです。
缶詰の場合は甘いシロップに漬けてあるため、生の果物以上に糖質が多いです。
また果汁入りジュースにも、糖分が添加されていることもあるでしょう。
果汁100%のストレートジュースであっても、あらかじめ量を決めておかないと飲みすぎてしまいがちです。
なお生の果物はビタミン、ミネラル、食物繊維を補うのに適していますが、糖質が多いので野菜・食事の代わりにはなりません。
ちなみに国が示す果物の摂取量の目安は1日200gで、これはみかん2個程度に相当します。
生の果物と加工品の違いを理解したうえで、肝臓に負担をかけないよう楽しみましょう。
参考記事:体にいいけど太りやすい飲み物とは?~特徴や要注意の飲料一覧も紹介~
2位:菓子パン
菓子パンは手軽に食べられるので、食事の代わりにしている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、菓子パンをおにぎりのように主食として食べてしまうとカロリーや糖質、脂質が過剰となります。
そして、過剰となったエネルギーは肝臓内に脂質として蓄積されるので、肝臓に負担をかけることになります。
お菓子は控えているけれどパンを食べる機会が多いという方は、種類や頻度を見直してみましょう。
・菓子パンはたまにの間食として楽しむ
・菓子パンを食べた日は運動する
このように、ご自身で調整できるとよいですね。
3位:揚げ物
揚げ物は脂質が多く食べすぎは肥満の原因になるだけでなく、実は肝機能にも影響を及ぼします。
肝臓は脂質を貯蔵してエネルギー源として利用したり、体に必要な物質に作り変えます。
その際、余分な脂質は体内に蓄積され肝機能を低下させるのです。
脂質の摂りすぎを防ぐためにも、揚げ物は週に1〜2回など目安を決めて楽しむとよいでしょう。
肝臓に負担をかける食べ物の特長
肝臓に負担をかけるのは特定の食べ物ではなく、特定の食べ物を食べすぎるなど偏った食事になることです。
つまり肝臓に負担がかかるからという理由で、食べてはいけないものはありません。
ただし糖質、脂質、アルコールの摂取量が過剰にならないよう注意が必要です。
先ほどお伝えした果物の加工品、菓子パン、揚げ物など糖質や脂質が多く含まれているような食べ物には気を付けましょう。
バナナが肝臓に悪いって本当?
手軽に利用できるバナナも、食べすぎはよくありません。
果物の中でもカロリーや糖質が高めなバナナは1日1本までにして、ビタミンやミネラルは野菜で補うことをオススメします。
バナナの加工品としてバナナチップスもありますが、糖質や脂質がとても高いです。
こちらは生のバナナ以上に、食べる量や頻度に注意が必要です。
カレーはどうか
次にカレーについて解説します。
カレーはカロリーや糖質、脂質が多くなりがちなので要注意な食べ物です。
注意すべきポイント3つを順に解説していきます。
②ルーの量:カレーのルーは脂質が多く高カロリーなものが多いので、かけすぎないようにしましょう。
③ご飯の量:カレーはご飯がすすむ味だからといって食べすぎると、カロリーや糖質が多くなります。ご飯の量を減らしてカリフラワーライスなどを活用するのも1つの方法です。
なおカレーに使われるスパイスには、ターメリックなど肝機能を活性化させる働きを持つものも含まれますので、上記の点に気を付けながら適度にお楽しみください。
参考記事:カリフラワーの栄養と効能〜ブロッコリーとの違いやレシピを管理栄養士が解説〜
肝臓に悪い飲み物
肝臓に悪い飲み物の代表格であるアルコール。
肝臓はアルコールを分解・解毒する臓器ですので、過度の飲酒は肝臓に負担をかけ、肝臓病のリスクが高まります。
ちなみに厚生労働省が示す指標では、適度な飲酒は「1日平均純アルコール20g程度」とされています。
純アルコール20gに相当するのは、ビール中ビン1本、日本酒1合、チューハイ(7%)350ml缶1本などです。
また、アルコールの他にも清涼飲料水などの加糖飲料も肝臓に負担を与えますが、これは糖質が関係しています。
糖質の多い清涼飲料水や加糖コーヒーなどは、口当たりがよくつい飲みすぎてしまいがちですので注意が必要です。
なぜなら肝臓は栄養素を貯蔵する働きがありますが、糖質の貯蔵量には限界があるからです。
そのため過剰な糖質は脂質となって体内に蓄積され、脂肪肝の原因となります。
アルコールも加糖飲料も飲む場合は、嗜好飲料として適量を楽しみましょう。
参考記事:【管理栄養士監修】脂肪肝と診断されたら「食べてはいけないもの」ってある?
【番外編】肝臓によい食べ物をご紹介
肝臓が元気でいるためには良質なたんぱく質とビタミン、ミネラルが欠かせません。
良質なたんぱく質とは肉、魚、卵、大豆製品などに含まれるたんぱく質のことで、ビタミンやミネラルは野菜、きのこ、海藻などに多く含まれます。
しかしこれらに偏った食事では、栄養バランスが悪く体調を崩す恐れがあります。
したがって1回の食事でご飯、汁物、主菜1品、副菜2品のように、一汁三菜を意識しましょう。
一汁三菜にすることで自然と栄養バランスが整い、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルを補給でき、肝臓に優しい食事となります。
まとめ
以上、「偏った食事が肝臓に悪い食事であること」をお伝えしました。
とくに糖質や脂質の過剰摂取は肝臓に負担がかかり、脂肪肝の原因にもなります。
アルコールや加糖飲料の飲みすぎにも注意しつつ、一汁三菜を意識した食事を心掛けましょう。
それでは、当記事が皆様の食生活を見直すきっかけとなれば嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット
国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 栄養に関する基礎知識
日本安全食料料理協会 スパイスの効能と効果