【医師監修】血糖値を下げる飲み物&食べ物ランキング〜注目の食材とは?〜
当記事は、そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院 院長 薗田 憲司先生にご監修いただきました。
執筆はライター 松原知香(管理栄養士)が担当しました。
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「血糖値の下がる食べ物があれば苦労しないのに…」
「飲み物で血糖値が下がるなんてありえないよね」
実は、あなたが驚くほど身近に血糖値を下げる飲み物や食べ物があります。
そこで今回は、血糖値を下げる飲み物や食べ物をランキング形式で紹介いたします。なお、ランキングは身近なコンビニやスーパーで手に入りやすい、という観点で作成しました。
現在、注目を浴びているお茶とその効果についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
簡単に手に入る!飲み物編ランキング
次に、血糖値を下げるオススメの飲み物です。
1位:緑茶
日常的な水分補給としても取り入れやすい緑茶が、第1位となりました。
緑茶に含まれるカテキンには、食後の血糖上昇を抑える効果があるといわれています。
また、緑茶を多く飲めば飲むほど、糖尿病の発症リスクが低いという研究報告もあります。この研究は健康な方を対象にしたもので、緑茶を1日6杯以上飲む人は、週1杯以下のほとんど緑茶を飲まない人と比べ、糖尿病の発症率が33%も少なかったそうです。
参考記事:糖尿病に効果のある飲み物はあるの?トクホ飲料やコーヒーの効果も解説
2位:牛乳
朝食時に飲む方も多い牛乳が、第2位です。
牛乳を食事と一緒に飲むと、食後の血糖値の上昇が緩やかになります。
なぜなら牛乳にはたんぱく質が含まれるからです。たんぱく質には血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。
下の表は、ご飯を食べる際に牛乳を飲むと血糖値がどのように変化するのかを調べた結果です。
牛乳を飲むと、食後30分、60分、90分後で大きな差が見られました。
忙しくて食事がパンのみ、おにぎりのみ、になりそうな時は、牛乳を一緒に摂るようにすると良いですね。
参考記事:牛乳の栄養を徹底解説~メリット・デメリットまで詳しくお伝えします~
3位:コーヒー
ホッと一息つくときのお供であるコーヒーが第3位です。
コーヒーは、糖尿病発症のリスクを低下させる効果があるかもしれないといわれています。
ある研究によると、コーヒーをほとんど飲まない人と比べて、コーヒーをよく飲む人は糖尿病発症リスクが低くなる傾向がある、と示す結果が出ました。
なお、コーヒーに砂糖を入れると血糖値が急激に上昇するので糖尿病の発症リスクは上がります。コーヒーは無糖で楽しみましょう。
参考記事:コーヒーが糖尿病を予防するってホント?~目安量や注意点を解説~
意外と身近にある!食べ物編ランキング
まず、食べ物からみていきましょう。今回選んだ3つの食材は、どれも手軽に食べられるものばかりです。仕事や家事で忙しい方でも、簡単に取り入れられますよ。
1位:ハイカカオチョコレート
ハイカカオチョコレートには、食物繊維が多く含まれるので血糖値の上昇を抑える効果があります。
血糖値を下げるためにチョコレートを食べましょう、と言うと驚くかもしれません。ただし、ここでいうチョコレートはカカオ成分70%以上のハイカカオチョコレートです。
どれほどの効果があるのか、食後にハイカカオチョコレートを食べた場合と、食べない場合で比較してみました。
上のグラフから、食後にハイカカオチョコレートを食べた方が血糖値の上昇が緩やか、だとわかります。
目安量は、1回あたり1片(5g)、1日3~5片(15~25g)までです。血糖値が上昇しにくいとはいえ、ハイカカオチョコレートは決してカロリーの低いものではなく、糖質や脂質も含まれます。適量を守って、効果を得られるようにしましょう。
参考記事:糖尿病とチョコレートのほろ苦い関係~かんたん低糖質レシピも!~
2位:いり大豆
いり大豆をオススメする理由は、食物繊維の量にあります。食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにする栄養素です。いり大豆の食物繊維は大豆製品の中でもトップクラス、野菜やきのこ類より多いのです。
なお、いり大豆が苦手という方は茹で大豆や蒸し大豆を食事にプラスするとよいでしょう。
参考記事:大豆の栄養価は高い!~子どもにも大人にも嬉しい成分が豊富~
3位:ヨーグルト
ヨーグルトに含まれるホエイプロテインは、血糖値の上昇を抑える手助けをすると考えられています。
血糖値を下げるホルモンのインスリンは、すい臓にあるβ細胞から分泌されます。そしてインスリンが分泌しやすいように働きかけるホルモンが、小腸から分泌されるインクレチンです。
ホエイプロテインには、このインクレチンの分泌を刺激する効果があるといわれています。インクレチンが分泌された結果、インスリンがスムーズに分泌されて血糖値の上昇を抑えられるといわれているのです。
なお、甘いヨーグルトに含まれている砂糖は血糖値を上げる要因となります。ヨーグルトはできるだけ無糖のものを選びましょう。
参考記事:糖尿病の方におすすめなヨーグルトの食べ方~上手に食べれば効果的~
番外編:糖質対策のお茶ならこれ!ランキング
最近「糖が気になる方に」とうたったお茶をよく見かけますよね。
そこで、番外編では血糖値に効果があるお茶をまとめました。
1位:からだすこやか茶W
コカ・コーラの「からだすこやか茶W」は、難消化性デキストリンの働きにより糖の吸収をおだやかにするブレンド茶です。
特定保健用食品で「糖の吸収をおだやかにするので、食後の血糖値が気になり始めた方に適した飲料」という表示許可のもと、販売されています。
1本350mlあたりの難消化性デキストリンは5.0gで、500mlですと約7.1gと多いのも嬉しいですね。
さらに、「からだすこやか茶W」には血糖値に良い影響を与えると言われるカフェインが含まれていることも特徴の一つです。
ほうじ茶に烏龍茶や紅茶がブレンドされています。和洋中どのような料理にでも合う優しい味のお茶です。
2位:綾鷹 特選茶
コカ・コーラの「綾鷹 特選茶」は、食後の血糖値が気になり始めた方に向けた特定保健用食品(※)です。
※特定保健用食品とは、目的にあたる効果が得られる成分を含む食品のことです。日本の制度で認められており、使う用途に適すること(例:痩せたい方に)を表示できます。
綾鷹 特選茶には「食事から摂取した糖の吸収をおだやかにして、食後の血糖値の上昇をおだやかにします」という表示許可がおりています。
なお、綾鷹 特選茶1本500mlあたりの難消化性デキストリンは5.0gです。少し渋めの飲み味で、日本人の好みに合うお茶という印象です。
3位:伊右衛門プラス血糖値対策
サントリーから発売されている伊右衛門プラス 血糖値対策」は、食後血糖値の上昇をおさえる働きが期待できる機能性表示食品(※)です。
※機能性表示食品とは、企業などの責任において機能が表示できる食品のこと
桑の葉由来イミノシュガーの働きにより、糖質を分解する酵素の働きが妨げられるので、糖質の吸収スピードが緩やかになります。これにより、食後の血糖上昇をおさえられるのです。
1本350mlと小ぶりなサイズで持ち運びもしやすいですよ。
まとめ
以上、身近にある血糖値を下げる飲み物や食べ物をランキング形式で紹介いたしました。
1位 緑茶
2位 牛乳
3位 コーヒー
【食べ物】
1位 ハイカカオチョコレート
2位 いり大豆
3位 ヨーグルト
1位 からだすこやか茶W
2位 綾鷹 特選茶
3位 伊右衛門プラス血糖値対策
注意として、今回紹介した食べ物や飲み物はあくまでサポート役です。血糖変動を安定させるには、バランスのとれた食事と適度な運動が基本です。生活習慣を整えた上で、補助として血糖値を下げる食べ物や飲み物を取り入れましょう。
それでは、当記事があなたの健康な生活に役立つとうれしいです。
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参考文献
BMJ journals Glucose-lowering effect of whey protein depends upon clinical characteristics of patients with type 2 diabetes
HARVARD T.H.CHAN Yogurt may reduce type2diabetes risk
厚生労働省 e-ヘルスネット
Soy product and isoflavone intakes are associated with a lower risk of type 2 diabetes in overweight Japanese women, 2010 Mar;140(3):580-6.doi: 10.3945/jn.109.116020. Epub 2010 Jan 6.
国立研究開発法人 国立がん研究センター コーヒーと糖尿病の関連について
Effects of Timing of Acute and Consecutive Catechin Ingestion on Postprandial Glucose Metabolism in Mice and Humans, Nutrients 2020, 12(2), 565; 高橋将記ら