トマトはダイエットに向いているか?~食べ方のコツもご紹介します~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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私たちにとって、身近な野菜の1つであるトマト。
老若男女問わずに親しまれるトマトは生で食べることはもちろん、炒めたり、煮たり、ジュースにしたりと様々な方法で楽しまれています。
健康や美容によいからと意識して食べている方も多いトマトは、果たしてダイエット向きの食材なのでしょうか?
そんな疑問を解決すべく、今回はトマトとダイエットの関係について詳しく解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
トマトダイエットとは
トマトダイエットとは、その名の通り「トマトを取り入れたダイエット法」のことです。
スーパーなどで1年中購入できて調理も簡単ですから、トマトを活用したダイエットは料理が苦手な方でも続けやすいです。
では「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われるほど栄養価が優れているトマトは、ダイエットにどのような効果をもたらすのでしょうか?
さっそく見ていきましょう。
トマトにダイエット効果がある理由
実はトマトの代表的な栄養素である「リコピン」が、ダイエットに一役かっているのです。
リコピンには抗酸化作用があるので、血管の老化予防や血流の改善に役立ちます。
ちなみに血流が悪いと体内の各臓器に栄養が届かず代謝の低下につながったり、冷えによって脂肪が燃焼しにくくなったりと肥満につながります。血流を改善することは、肥満防止に有効といえるでしょう。
またトマトには血糖値の急上昇を抑える水溶性食物繊維や、たんぱく質の代謝に関わるビタミンB6が含まれます。
糖質を摂取しすぎて血糖値が急上昇すると、インスリン(※)が分泌されます。インスリンは血糖値を下げる一方で、使わないカロリーを脂肪として体に蓄積する働きもあるのです。
(※)血糖値を下げるホルモン
そして、ビタミンB6は筋肉の構成成分である、たんぱく質の利用効率を高める働きがあります。つまり、ビタミンB6は私たちの体の代謝を上げるために必要な、筋肉の合成を促してくれるのです。
トマトは栄養価が優れているだけでなく、ダイエットを後押ししてくれる栄養素も含まれているのですね。
参考記事:リコピンとは?効能効果やオススメの摂り方を管理栄養士がポイント解説
ミニトマトはどうか
ミニトマトの方がトマトよりも栄養価が高く、ダイエット効果の期待できる栄養素も豊富に含みます。
たとえば先ほどお伝えしたリコピンや食物繊維、ビタミンB6はトマトよりミニトマトに多く含まれます。
トマト | ミニトマト | |
カロリー | 20kcal | 30kcal |
糖質 | 3.1g | 4.6g |
リコピン | 3.0g | 8.1g |
食物繊維 | 1.0g | 1.4g |
ビタミンB6 | 0.08mg | 0.11mg |
*100gあたり
ただしカロリーや糖質もミニトマトの方が多いので、ご自身の目的に合った種類のトマトを選ぶとよいですね。
参考記事:ミニトマトのカロリー・糖質は低い?ダイエット中の適量についても解説
トマトを食べても痩せないのはなぜ?
トマトを食べていても痩せない方は、摂取カロリーよりも消費カロリーが少ないと考えられます。
トマトがダイエット効果の期待できる栄養素を含んでいるとはいえ、それ以外の食事や間食で摂取カロリーが過剰になれば痩せることはありません。
トマトを食べても体重が減らないと感じる方は、食事や運動などの生活習慣を見直してみましょう。
トマトダイエットのデメリット
トマトは水分が多いので、食べる量や調理法によっては体を冷やしすぎる可能性があります。
栄養が豊富で手軽に食べられるからといって、一度に生のトマト5個など過度な摂取は好ましくありません。
なお、リコピンは熱に強い性質を持つので、冷えを感じる時には煮込み料理などにトマトを活用するのもよいですね。
毎日食べるとどうなるのか
トマトは適量を食べれば、毎日食べても健康に害はありません。
なお1日に食べる量の目安はトマト1個、ミニトマトであれば12個くらいです。
参考記事:トマトの栄養と効能はやはりすごい!~加工品についても詳しく解説~
ダイエットに効果的なトマトの食べ方をご紹介
トマトに含まれるリコピンを効率的に摂りたい場合は、トマトを加熱して食べることをオススメします。
通常リコピンは細胞の中に存在しますが、加熱することで細胞の外に出てくるので体内で効率的に吸収できるようになるのです。
さらにリコピンは油との相性がよいので、油脂を含むものと一緒に調理するとより吸収されやすくなりますよ。
【管理栄養士オススメ】リコピンの効能を引き出すトマトレシピ
リコピンの効果を最大限に発揮できるよう、「加熱と油」の力を用いた「焼きトマト」をご紹介します。
お弁当のおかずや付け合わせなど生で食べることの多いミニトマトは、焼くと甘みが増します。いつもと違った味わいを楽しみたい方にも、オススメです。
【焼きトマト】
・ミニトマト 12個
・オリーブオイル 小さじ1
・ガーリックパウダー 少々
・塩 少々
・こしょう 少々
【作り方】
①フライパンにオリーブオイルをひき、ガーリックパウダーを炒める
②にんにくの香りがしてきたら、ミニトマトを加えて転がしながら焼く
③ミニトマトの皮が破れるまで焼けたら火を止めて、塩こしょうを振って完成
まとめ
以上、トマトとダイエットの関係について解説しました。
トマトの代表的な栄養素である「リコピン」が、ダイエットに一役かっていることがおわかりいただけたでしょうか?
他にもトマトに含まれる水溶性食物繊維や、ビタミンB6がダイエットを後押しします。
一方でトマトは水分が多いので、食べる量や調理法によっては体を冷やしすぎてしまいます。1日にトマトは1個、ミニトマトであれば12個を目安に食べるとよいでしょう。
そして、トマトは加熱して油脂と一緒に食べるとリコピンを効率的に摂取できるので、オススメです。
それでは当記事を参考に、ダイエット中の食事にトマトを取り入れていただけたら幸いです。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース
独立行政法人農畜産業振興機構 トマト