ほうれん草のカロリーと糖質は低め!生と冷凍の比較や栄養についても紹介
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
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ほうれん草は野菜だからなんとなくカロリー・糖質の低いイメージがありますよね。
実際にほうれん草のカロリーと糖質は低めです。また、ほうれん草には栄養も豊富に含まれています。
そこで今回は、ほうれん草のカロリーや糖質についてお伝えします。
冷凍ほうれん草や栄養素について、さらには簡単なレシピも紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
ほうれん草のカロリーと糖質
ほうれん草は100gあたり18kcal・糖質0.3gと、一般的な食品の中で低めのカロリー・糖質です。
実のところ、ほうれん草には夏取り・冬取りの2種類ありますが、カロリー・糖質は変わりません。
ちなみに、ほうれん草は1束約200gですから、カロリーは36kcal、糖質は0.6gとなります。
なお、ほうれん草1束とは1つに束ねられたほうれん草のことで、1把(わ)や1袋と同じ意味です。
冷凍ほうれん草のカロリーと糖質
冷凍のほうれん草は100gあたり22kcal・糖質0.6gと、生のものに比べてカロリーや糖質は少し上がります。
カロリー | 糖質 | |
ほうれん草/冷凍 | 22kcal | 0.6g |
ほうれん草/生(夏取り、冬取り) | 18kcal | 0.3g |
※100gあたり |
これは、冷凍する過程でほうれん草内の水分量が変化したことで生じる違いです。
ほかの緑黄色野菜と比べるとどうか
ほうれん草と同じく緑黄色野菜である小松菜・ブロッコリー・人参とカロリー・糖質を比較したものを下表にまとめました。
カロリー | 糖質 | |
ほうれん草 | 18kcal | 0.3g |
小松菜 | 13kcal | 0.3g |
ブロッコリー | 37kcal | 2.4g |
人参 | 35kcal | 5.9g |
※100gあたり |
小松菜とほうれん草は、ほぼ同じカロリー・糖質量です。
一方でブロッコリーや人参は、ほうれん草に比べてカロリー・糖質共にやや高いです。
このように、同じ緑黄色野菜でもカロリー糖質は違います。
栄養面でも違いはあるので、緑黄色野菜の中からさまざまな種類を選んで食べるとよいですね。
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ほうれん草の栄養素
ほうれん草は「野菜の王様」といわれるほど、栄養素が豊富に含まれています。
それでは、詳しくみていきましょう。
貧血対策に必須の鉄
鉄分は血液中にあるヘモグロビンを作るため、貧血の予防や改善に必須のミネラルです。
ちなみに鉄分にはヘム鉄(※1)と非ヘム鉄(※2)の2種類があり、体内によく吸収されるのはヘム鉄です。
(※1)レバーや赤身肉といった動物性食品に多く含まれる鉄分
(※2)ほうれん草等の植物性食品に多く含まれる鉄分
ほうれん草には非ヘム鉄が含まれていますが、ビタミンCと一緒に摂ることで鉄の吸収を助けてくれます。
皮膚や粘膜の機能を守るβカロテン
βカロテンは、抗酸化作用がある脂溶性ビタミンで、体内の必要量に応じてビタミンAに変換される栄養素です。
さらにβカロテンは、目や皮膚、粘膜を健康に保つ働きもあります。
コラーゲン作りに欠かせないビタミンC
ビタミンCは、抗酸化作用がある水溶性ビタミンで、皮膚や軟骨などを構成するコラーゲンを作るために欠かせない栄養素です。
さらにビタミンCには、老化を防いだり病気に対する抵抗力を高めたりする働きもあります。
ほうれん草は1年中食べられますが、旬である冬に収穫されたほうれん草は夏に収穫したものより3倍も多くビタミンCを含んでいるのです。
抗酸化作用の高いビタミンE
脂溶性ビタミンの1つで、抗酸化作用が強く老化防止にも役立ちます。
ほうれん草に含まれるビタミンA・ビタミンC・ビタミンEは、3つあわせて「抗酸化ビタミン」と呼ばれています。
造血ビタミンと呼ばれる葉酸
葉酸は、ほうれん草の抽出物から発見されたビタミンB群の1つです。
ビタミンB12と一緒に赤血球を作る働きのある栄養素です。
また葉酸は細胞を作るうえでも欠かせない栄養素のため、胎児の発育にも重要な役割を担っています。
したがって、妊娠中や妊娠を考えている女性は葉酸の積極的摂取が推奨されています。
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疲労回復に役立つビタミンB1
ビタミンB1は、水溶性ビタミンの中で一番最初に発見されました。
またブドウ糖からエネルギーを産生する時にも必要なビタミンで、疲労回復にも役立ちます。
腸内環境の改善に必須の食物繊維
ほうれん草には不溶性食物繊維が多く含まれています。
不溶性食物繊維は、水に溶けにくい食物繊維です。
そのため便のカサを増やすことにより大腸を刺激し、排便を促す効果があります。
なお、食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維もあります。水溶性食物繊維の働きは、体内での栄養素の吸収をゆるやかにし食後の血糖値の急上昇を防ぐことです。
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ほうれん草を茹でると栄養価は変わるのか
ほうれん草をゆでると、シュウ酸を減らせます。
シュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収をさまたげる物質で、えぐ味(※)や結石の原因にもなるのです。
(※)舌や喉を刺激するような不快な味
シュウ酸は水溶性のため、ゆでたり水にさらすと8割減らせるといわれています。
ただし、ほうれん草を茹でるとビタミンCや葉酸などの水溶性ビタミンも流出します。そのため、ゆで時間は1~2分にするとよいでしょう。
ダイエットにも活用できる?
ほうれん草は低カロリー・低糖質なので、ダイエットに活用しやすい野菜です。
またダイエット中は食事を減らすことによって、貧血や便秘になりやすい傾向があります。
ほうれん草には、貧血に効果的な鉄分や便秘を改善する食物繊維が含まれるので役立つといえるでしょう。
ただし、ほうれん草をサラダ油やバターで炒めるとカロリーが大幅に上がるので、ダイエット中はお浸しや胡麻和えなどがオススメです。
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【シンプル】ほうれん草を活用したかんたんレシピ
ほうれん草を活用した、シンプルなおひたしを紹介します。
今回は生のほうれん草を使用しましたが、冷凍ほうれん草ならもっとかんたんに作れますよ。
【ほうれん草のおひたし】
・ほうれん草 1束
・塩 小さじ1
・醤油 小さじ1/2
・白ごま 適量
【作り方】
①ほうれん草は、根が付いたままよく洗う
②鍋にたっぷりの湯を沸かし塩を加え、ほうれん草を茎の部分から入れて1~2分ゆでたらすぐ冷水にさらす
③水気を切ったほうれん草を3cm幅にカットし、醤油・白ごまと和えてできあがり
【ポイント】
作ってからしばらく置くとほうれん草から水分が出て水っぽく感じるため、食べる直前に醤油を和えましょう。
少量の醤油でも味をしっかり感じることができるので、塩分控えめにもなりますよ。
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まとめ
以上、ほうれん草は100gあたり18kcal・糖質0.3gで、低カロリー・低糖質な緑黄色野菜とわかりました。
さらにほうれん草には、鉄分や葉酸などの栄養素豊富に含まれています。
ただしほうれん草には、えぐ味の原因でもあるシュウ酸が含まれているため、1~2分ゆでて食べるとよいでしょう。
それでは当記事を参考に、ほうれん草を取り入れていただけると嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
J-Stage 野菜の成分変動 ホウレンソウ中のシュウ酸およびカリウム含量の季節変動と調理による変化
農林水産省 もっと知りたい葉物野菜