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醤油の塩分量はどれくらい?~減塩のコツや他の調味料の塩分量を解説~

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当記事の執筆は、管理栄養士  松原知香が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

煮物やおひたし、刺身に目玉焼きなど日常的によく使う醤油。年齢を重ねて塩分が気になり、使う量を控えている方も多いのではないでしょうか。

私たち日本人は世界的に見ても塩分の摂取量が多く、その摂取源のじつに7割は醤油や味噌といった調味料なのです。

減塩のためには、まず使っている調味料の塩分を意識することが効果的です。

そこで今回は、身近な調味料の代表である醤油に焦点をあてて、分量別や種類別に含まれる塩分量を比較します。

また、塩分を減らしても料理がおいしく食べらえる減塩ポイントもご紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

醤油大さじ1の塩分量

醤油大さじ1の塩分量

醤油大さじ1杯(15ml)の塩分量は2.7gです。

通常、汁物(150~180ml)1杯あたりには塩分が1.5gほど含まれているため、醤油大さじ1杯分の塩分は、おおよそ汁物2杯分の塩分量といえます。

小さじ1はどれくらいか

醤油小さじ1杯(5ml)の塩分量は0.9gです。

ちなみに、コンビニやスーパーのお弁当についている小分けパックの醤油は3~5mlのものが多く、その塩分量は0.5~0.9gです。

小分けパックの醤油は小さじ1杯程度と覚えておくとよいでしょう。

塩分が少ないのは淡口?濃口?

塩分が少ないのは淡口?濃口?

醤油売り場をみると、「淡口(うすくち)」と「濃口(こいくち)」の2種類が並んでいますよね。色の濃い方が味が濃いと思われがちですが、じつは塩分が少ないのは「濃口」なのです。

淡口濃口
小さじ1の塩分量1.0g0.9g
大さじ1の塩分量3.0g2.7g

 

淡口は濃口よりも発酵期間が短いため、色が薄くよりあっさりした味になります。一方、濃口は淡口よりも醤油の香りや味を強く感じるのが特徴です。

地域によって一般的に使う醤油にも違いがあり、関東は濃口、関西はうす口がよく使われています。

さらに、醤油には「たまり醤油」「さいしこみ醤油」「しろ醤油」といった種類もあります。これらの中でも、塩分量が多いのはやはり淡口です。

1日の適切な塩分量とは

1日の適切な塩分量とは

日本人の食事摂取基準2020年版によると、私たちが健康でいるために適した1日の塩分量は成人男性が7.5未満、女性は6.5g未満です。

醤油に換算すると、男性は大さじ3杯、女性は大さじ2.5杯でもオーバーしてしまいます。

現在の塩分摂取量は目標よりオーバー

塩分量の目標が男性で7.5g/未満、女性で6.5g/日未満に対し、塩分摂取量の平均は20歳以上の男性で10.8g、女性で9.1gと目標を大幅に超えてしまっているのが現状です。

このまま塩分摂取量を見直さずに生活していると、高血圧になる可能性があります。

高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれており、さまざまな病気を引き起こす原因となります。日々の食事で塩分に気を使うことは、将来の健康を守るためにも重要なのです。

参考記事:【医師監修】高血圧を予防する生活習慣とは~5つのポイントを各分野の専門家が解説~ 

高血圧の重症化予防なら1日6g以下

すでに高血圧になっている方や慢性腎臓病(CKD)の方は、重症化予防のため先ほどよりもさらに少なく、1日の塩分量を6.0g未満にすることが望ましいとされています。

とくに、糖尿病の方は高血圧による循環器疾患や腎不全などの合併症予防のためにも、1日6.0g未満を心がけましょう。

参考記事:糖尿病でも塩分制限は必要?~塩分の摂取目安量や控える方法も解説~ 

醤油の減塩ポイント

醤油の減塩ポイント

醤油の塩分量と1日の塩分の摂取目安量から、日々の食事で減塩を心がける必要があるとおわかりいただけましたでしょうか?

ここからは、具体的な醤油の減塩方法を3つご紹介しましょう。

「かける」よりも「つける」

「かける」よりも「つける」

醤油を使う際は、食べるものに「かける」よりも「つける」方が使う量をおさえられて減塩につながります。

実際、刺身を食べる時どれくらい使用量が変わるのか比較してみました。

【方法】
醤油小さじ1(6.0g)を以下の方法で使用し、減った量(=食べた量)を測定する。

(かける)小皿にのせた刺身1切れに醤油小さじ1杯をかける
(つける)小皿に出した醤油小さじ1にまぐろの刺身1切れの片面をつける

※使用した刺身の重量:まぐろ(11.5g、11.4g)、サーモン(11.8g、12.4g)

【結果】

醤油の量
(まぐろ)

醤油の量
(サーモン)

かける0.3g0.4g
つける0.4g0.5g


まぐろもサーモンも、
つける方がかける方より0.1g醤油の使用量を減らせました。

醤油0.1gの塩分量は0.015gと、そこまで多くはありません。しかし、刺身1人前(約7切)の場合は0.1gの塩分を減らせることになるため、一定の減塩効果が期待できるでしょう。

食べた感想は、つける方がまぐろやサーモンの味を強く感じられて素材の味を楽しめました。

また今回は醤油のみの比較でしたが、揚げ物に使うソースも同様の方法で減塩が期待できます。外食の時に使えそうな方法ですね。

参考記事:刺身のカロリー・糖質は低い?~ネタ別の一覧やダイエット向きかも解説~

だしやスパイスを活用する

だしやスパイスを活用する

塩分を減らした食事はどこか味気が無いため、料理を作る際はうま味を効かせただしや香り高いスパイスを活用しましょう。

うま味の種類はさまざまですが、よく知られているのはグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、コハク酸です。

【うま味を含む食材】
グルタミン酸:昆布、トマト、玉ねぎ
イノシン酸 :鰹節、豚肉、鶏肉
グアニル酸 :干しシイタケ
コハク酸  :しじみ、あさり


これらのうま味は単体でも十分ですが、2つのうま味を掛け合わせるとより強いうま味を感じられます(うま味の相乗効果)。

また、うま味は食後の満足感を高めるため、塩分だけでなく食事量をおさえてダイエットにもつながるという研究報告があるのです。

スパイスはカレー粉や山椒、コショウなど香りが強く食べなれているものを使うと良いでしょう。

うま味やスパイスの他に、酸味を加えることもオススメです。

参考記事:しいたけに詰まった驚きの栄養成分と効能効果を解説!~簡単レシピもご紹介~
あさりの栄養がすごい!~適量や食べ過ぎの注意点まで解説します~

減塩醤油を使う

普通の醤油と同じ量を使っても、塩味を感じつつ塩分をおさえられる「減塩醤油」を活用すると、簡単に減塩が可能です。

減塩醤油とは、普通の醤油から特殊な製法により塩分を取り除いた醤油のことで、種類によっては大幅に塩分を減らせます。

【小さじ1の塩分量】

淡口濃口
普通1.0g0.9g
減塩0.8g0.5g

 

濃口は約半分程の塩分量におさえられるため、かなりの減塩効果が期待できますよ。

最近では、飲食店のテーブルに備え置きされている調味料で減塩醤油を用意している場合もあるので、塩分量をおさえたい時に活用するとよいでしょう。

減塩醤油のデメリット

減塩醤油の使い方によっては、デメリットになる場合もあります。

塩分量が少ないからと安心して、いつも以上に使い過ぎてしまうと減塩効果が期待できません。減塩醤油を使う際は、あくまでも普段使う量を意識して、必要以上に使い過ぎないことがポイントです。

醤油以外の調味料に含まれる塩分量

醤油以外の調味料に含まれる塩分量

冒頭でも触れましたが、日本人の塩分摂取源の約7割は調味料です。塩分を含む調味料は、醤油の他にも味噌や塩などさまざまあります。

そこで、醤油以外にも気を付けたい調味料の塩分量をご紹介しましょう。

【調味料の塩分】

大さじ1杯の塩分量
米味噌2.3g
中濃ソース1.2g
ケチャップ0.6g
マヨネーズ0.2g
めんつゆ2.1g
ドレッシング0.4~0.5g

※参照:女子栄養大学出版部「塩分早わかり第5版」

味噌、ソース、めんつゆは味の決め手にもなるため塩分が高めです。一方で、ケチャップやマヨネーズ、ドレッシングの塩分はそれほど多くないですね。

ただし、ケチャップは糖質、マヨネーズとドレッシングは油を使うためカロリーに注意が必要です。

また、味噌汁を作る際顆粒だしを使う方も多いと思います。じつは、味噌汁1杯分の顆粒だし(約1g)には0.4gの塩分が含まれているのです。

味噌汁の塩分を減らしたい方は、食塩が入っていない顆粒だしを選ぶとよいですよ。

参考記事:マヨネーズのカロリーは高いが糖質は低い〜健康に良いかを含めてポイント解説〜 

みりんやお酢にも塩分はあるの?

一見塩分が含まれていないようにもみえるみりんやお酢にも、隠れた塩分があります。

みりんは「みりん風調味料」にわずかではあるものの塩分が含まれており、その量は100mlあたり0.2gです

みりん風調味料は本みりんに比べて安価で使いやすいですが、塩分を気にされるのであれば塩分を含まない本みりんが良いでしょう。

また、お酢の場合は「調味酢」に注意が必要です。調味酢はかけるだけ・つけるだけで簡単に味が整う一方で、塩分はもちろん砂糖やうま味成分など酢以外のさまざまな物が含まれています。

減塩する際にお酢も有効ですが、調味酢ではかえって塩分を摂取してしまうため、使うなら純粋なお酢がオススメです。

栄養表示は「塩分相当量」をチェック

最近では、食品のパッケージの裏にある栄養表示に「塩分相当量」の記載が義務化されました。

そのため、コンビニなどでお昼を買う時も栄養表示を確認すれば、自分がどれくらい塩分を摂取しているか把握しやすくなったのです。

成人男性の場合は1食あたり2.5g未満を目安にすると、1日の塩分摂取量を7.5g未満におさえられるため、買う際はぜひ確認してみてください。

まとめ

現在、私たちの食生活は塩分過多になっているため意識的に塩分を減らす必要があります。また、塩分摂取源の7割が調味料であるため、今回は調味料の代表的な醤油の塩分量と減塩のコツについてご紹介しました。

醤油大さじ1の塩分は2.7g、小さじ(小分けパックの醤油)1杯は0.9gでしたね。

また、醤油の減塩ポイントは以下の3つです。

・かけるよりもつける
・だしやスパイスをきかせる
・減塩醤油を活用する


明日からすぐに使える減塩のコツを覚えて、これからの健康のためにおいしく減塩していきましょう。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質に加えて塩分量を含む、食事の記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

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【参考文献】
塩分早わかり第5版(女子栄養大学出版部)
国立健康・栄養研究所 <諸外国の栄養素等摂取量の比較>
令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要
日本高血圧学会 減塩・栄養委員会 
農林水産省 消費者の部屋(こどもそうだん)「こいくち醤油(しょうゆ)、うすくち醤油について教えてください。」

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