ごまの栄養成分はやっぱりすごい!~黒・白・すり・練りごまを徹底比較~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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古くから体に良い食材として親しまれてきた「ごま」。
ごま和え、ドレッシング、プリンなど、ごまは料理や調味料、菓子と幅広く使われています。
そんな身近なごまですが「黒ごまと白ごま、どちらの栄養価が高いか」など、意外と知らないことも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ごまの栄養や効能効果について詳しく解説していきます。
ごまと相性バッチリな食材を使ったレシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ごまの栄養と効能効果
ごまの栄養成分は脂質が50%以上を占め、次いでたんぱく質が約20%です。
脂質は重要なエネルギー源
そこでまず、脂質について解説します。
脂質は、体を動かす重要なエネルギー源です。
さらにごまに多く含まれる脂質は「リノール酸」と「オレイン酸」で、次のような働きを担っています。
・オレイン酸:胃酸の量を調整して胃潰瘍の予防や改善するほか、腸を刺激して便秘予防や改善に効果的である
このような働きを持っていることが、ごまが健康に良いと言われる理由の1つです。
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たんぱく質は体をつくるための材料
次に、たんぱく質についてご説明します。
たんぱく質は筋肉や臓器など、私たちの体をつくる主要な栄養素です。
ごまだけで1日に必要なたんぱく質を摂ることは難しいですが、日々の食事にプラスすると気軽にたんぱく質を補うことができます。
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セサミンは抗酸化作用が期待できる
その他ごまには「セサミン」や「セレン」など抗酸化作用のある成分が含まれているので、動脈硬化などを防いだり、老化を遅らせる働きがあります。
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黒・白ごまで栄養は異なるのか
黒ごまや白ごまは外皮の色によって分けられますが、栄養成分はほぼ同じです。
とはいっても、それぞれの特性がありますので簡単にご紹介します。
白ごま:黒ごまより若干脂質が多く、ごま油の原料になる
また、黒ごまは種皮の割合が多いだけでなく、硬いためすって食べるのが一般的です。
すりごま・練りごまの栄養
すりごまや練りごまも栄養成分は同じです。
ただし、ごまに含まれる栄養の体への吸収率は異なります。
ごまの皮が細かいほど体への吸収率が高くなるため、練りごまが一番吸収しやすく、ついですりごま、いりごまの順です。
一方でごまは粒を噛んだ瞬間が一番香ばしさを感じるので、料理によって使い分け、よく噛んで食べるようにすると良いでしょう。
市販のすりごまは栄養があるのか
結論から申し上げますと、市販のすりごまにも栄養があります。
ただ自分ですりおろしたごまも同じことですが、時間が経つにつれ香りなどの風味は落ちますので、早めに食べるようにしましょう。
ごまを食べ過ぎたら太るって本当?
ごまは100gあたり605kcalと高カロリーですが、通常の食事でごまを100g食べることは現実的ではありませんので、太るとは言い切れません。
例えばごまは小さじ1(3g)で18kcalですので、毎日適量(小さじ1~大さじ1)を食べる分には問題ないでしょう。
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黒ごまは健康に良い
ごまの効能効果は先述の通りですが、さらに「黒ごまは健康に良い」と言われる秘密は、種皮にあります。
なぜなら黒ごまの種皮には、不溶性食物繊維やポリフェノールの一種であるアントシアニンが多く含まれているからです。
不溶性食物繊維は腸内の有害物質を吸着して排出するのです。
また、アントシアニンはブルーベリーにも含まれている栄養素で、目の疲れを緩和する効果が期待できます。
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ごまを使ったおすすめレシピ
ごまと豆腐を和えるだけの簡単レシピ「ごまと豆腐のディップ」をご紹介します。
実は、ごまと豆腐はそれぞれに少ないアミノ酸(※)を互いに補うことができるので相性抜群なのです。
(※)アミノ酸:たんぱく質を構成する成分。20種類あり1種類でも欠けるとたんぱく質を作ることができません。
【ごまと豆腐のディップ】
・いりごま 大さじ1
・木綿豆腐 100g
・醤油 小さじ1
・みりん 小さじ1
【作り方】
①いりごまはすり鉢などで、すっておく。
②豆腐を水切りする。
③みりんを電子レンジ600w50秒で加熱して煮切った後、冷ましておく。
④ボウルに①、②、③、醤油を入れ、豆腐をつぶしながら良く和えたら完成。
※風味は落ちますが市販のすりごまを使うと、より簡単に作れます。
ディップソースとしてだけでなく、茹でた野菜と和えて白和えにもできますので、ぜひお試しください。
まとめ
以上、ごまの栄養と効能効果について解説しました。
ごまの栄養成分は脂質が50%以上を占め、次いでたんぱく質が約20%であることが分かりましたね。
そして、ごまに含まれる脂質の多くは「リノール酸」と「オレイン酸」で、生活習慣病や便秘の予防・改善効果が期待できます。
また黒ごまや白ごまは外皮の色によって分けられますが、栄養成分はほぼ同じで、すりごまや練りごまにしても栄養成分は変わりません。
さらに、ごまと豆腐はそれぞれに少ないアミノ酸を互いに補うことができるため相性が良いです。ご紹介したレシピもぜひお試しください。
それでは当記事が参考になり、日々の食事にごまをプラスしていただけたら嬉しいです。
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参考文献
農林水産省 ゴマについて、黒ゴマ、白ゴマなど種類がありますが、何が違うのですか。
女子栄養大学 ごまの栄養成分
もっとからだにおいしい便利帳 p.43 (高橋書店)
日本ゴマ科学会 ゴマ知識
厚生労働省 e-ヘルスネット