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いくらの栄養は体にいい?~カロリーや食べすぎについてもサクッと解説~

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いくらの栄養は体にいい?~カロリーや食べすぎについてもサクッと解説~

当記事の執筆は、管理栄養士  佐藤久美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

鮭の卵である筋子をほぐして味をつけた、いくら。

ぷちぷちと口の中で弾ける食感と、まろやかな味わいがいくらの魅力ではないでしょうか?

また、いくらの鮮やかな赤色は食卓を華やかにするだけでなく、私たちの健康維持にも役立っています。

そこで今回は、いくらに含まれる栄養や健康効果について詳しく解説します。

カロリーや1日に食べる目安についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

いくらの栄養と効能

いくらの栄養と効能

いくらには、たんぱく質や良質な脂質など生命活動に必要な栄養がギュッと詰まっています

そのため、いくらは「天然栄養素のカプセル」と表現されることもあるほどです。

さっそく詳しく見ていきましょう

筋肉や臓器の材料「たんぱく質」

いくらは、全体重量の32.6%がたんぱく質です。

これは魚や肉に含まれるたんぱく質の割合よりも、1.3倍以上も多いです。

参考までに、いくらの親である鮭や、たんぱく質の多い部位として有名なささみと比べてみましょう。

たんぱく質
いくら32.6g
22.3g
ささみ23.9g
※100gあたり

上の表からも、いくらのたんぱく質が圧倒的に多いとわかりますね。

さらに、ほかの卵とのたんぱく質量も比べてみました。

たんぱく質
いくら(鮭の卵)32.6g
かずのこ(にしんの卵)25.2g
たらこ(すけとうだらの卵)24.0g
鶏卵12.2g
※100gあたり

このように、ほかの魚卵や鶏卵と比べてもいくらのたんぱく質は多いといえるでしょう。

なお、たんぱく質は筋肉や臓器の材料になったり、ホルモンや免疫物質として働いていたりと、私たちが生きるために欠かすことのできない栄養素です。

毎日の食事の中でいくらも取り入れながら、たんぱく質が不足しないように心掛けましょう。

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中性脂肪を下げる「脂質」

いくらには、DHAやEPAといった健康維持に役立つ脂質が含まれます

DHAやEPAが健康維持に役立つ理由は、血液中の中性脂肪を下げたり、炎症を抑えたりするなどの働きがあるからです。

そのほか、DHAやEPAには下記のようにそれぞれ異なる働きも報告されています。

・DHA:脳の機能維持
・EPA:抗血栓作用

では、いくらのDHAやEPAはどのくらい多いのでしょうか?

DHAやEPAが豊富な食材である青魚(いわし、さば)と比べてみましょう。

DHAEPA
いくら2000mg1600mg
いわし870mg780mg
さば970mg690mg
※100gあたり

上の表より、いくらにはいわしやさばの2倍以上DHA、EPAが含まれるとわかります。

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活性酸素から体を守る「アスタキサンチン」

活性酸素から体を守る「アスタキサンチン」

いくらの赤色は「アスタキサンチン」という色素によるものです。

アスタキサンチンには強い抗酸化力があり、私たちの体を活性酸素から守ります

活性酸素は私たちの体に常に存在しており、過剰になると細胞を傷付けます。

その結果、動脈硬化を進行させたり、生活習慣病や老化の原因となったりするのです。

ちなみに活性酸素が増加する原因には、加齢やストレス、喫煙、紫外線などがあります。

加齢は誰しもが避けられないものですから、いくらも取り入れながら活性酸素が過剰にならないようにしたいですね。

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カロリーはどのくらいか

いくらは100gあたり252kcalと、魚卵の中では高めです。

カロリー
いくら252kcal
かずのこ139kcal
たらこ131kcal
※100gあたり

上の表から、いくらのカロリーはかずのこやたらこの2倍近くであるとわかります。

参考までに、軍艦巻きにのせるいくらは10g程度が一般的です。

酢飯が20g程度だとすれば、いくらの軍艦巻きは1貫60kcal程度になるでしょう。

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食べすぎで痛風?注意すべき理由とは

食べすぎで痛風?注意すべき理由とは

いくらを食べすぎると痛風になると噂されることもあるようですが、これは誤解です。

痛風は、体内に尿酸の多い状態が続いた場合に引き起こされます。

そして、尿酸はプリン体が代謝されたときに生じる物質です。

つまりプリン体を多く摂取すると、痛風になりやすいのです。

いくらのプリン体は100gあたり3.7gと極めて少ないため、たくさん食べたからといって痛風になるとはいえないでしょう。

ちなみにプリン体の多い食材には、下記のようなものがあります。

・豚レバー:284.8mg/100g
・マイワシ(干物):305.7mg/100g
・白子:305.5mg/100g

ただし、いくらのプリン体が少ないからといって、極端にたくさん食べるのは体によくありません。

その理由は次の「コレステロールが多い」で、1日の摂取目安とともに解説します。

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コレステロールが多い!1日の摂取目安は?

いくらはコレステロールが多い食材ですから、食べすぎは禁物です。

コレステロールが気になる方がいくらを食べる場合には、20g(軍艦巻き2巻分)を目安にするとよいでしょう。

実はいくらに含まれるコレステロールは100gあたり480mgと、同量の鶏卵(370mg)よりも多いです。

なお、現行の日本人の食事摂取基準では、コレステロールの摂取量に上限は定められていません。

なぜなら、現時点では循環器疾患の発症予防という観点では、上限を決めるための根拠が乏しいからです。

ただし、これはコレステロールを無制限に摂ってよいというわけではありません。

コレステロールの摂取量と血中コレステロールには関連があるため、LDLコレステロールの高い方は重症化予防の観点から上限が1日200mg未満と定められています。

なお、コレステロールを含む食材はいくら以外にもたくさんあります。

それゆえ先ほどもお伝えしたように、コレステロールの気になる方がいくらを食べる場合は20gを目安にしましょう。

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子どもが注意すべきこと

子どもが注意すべきこと

子どもがいくらを食べるときに注意することは「アレルギー」です。

実は1~6歳で発症する即時型食物アレルギーの中で、いくらは発症頻度の高い食材です。

参考までに令和6年に行われた「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」に記載されている年齢別のアレルギー原因食物を見てみましょう。

1・2歳3~6歳
1位鶏卵くるみ
2位くるみ落花生
3位牛乳いくら
4位いくら鶏卵
5位落花生牛乳
6位小麦カシューナッツ

このように、3〜6歳では鶏卵よりもいくらを原因とした食物アレルギーの発症頻度が高いとわかります。

したがって、とくに初めていくらを食べるときには少量に留め、アレルギー反応が出ないか様子を見ましょう

アレルギーがなかったとしてもいくらは生で食べることが多く、塩分も多いため、食べる量や頻度は子どもの成長具合に合わせるとよいですね。

まとめ

今回は、いくらの栄養について紹介しました。

いくらには、たんぱく質や良質な脂質など生命活動に必要な栄養がギュッと詰まっています

一方でコレステロールも多く含まれるため、いくらの食べすぎには注意が必要です。

コレステロールが気になる方は、1日20g(軍艦巻き2巻分)を目安に食べるとよいですね。

またいくらは食物アレルギーの原因にもなりやすい食材ですから、初めてのときは少量から食べましょう。

それでは当記事を参考に、いくらを楽しんでいただけたら幸いです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

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参考文献
農林水産省 いくら醤油漬け(いくらしょうゆづけ)
文部科学省 食品成分データベース
「健康食品」の安全性・有効性情報 【第19回】魚油
J-Stage 特 集カロテノイド研究40年―天然色素に魅せられて 補完代替医療素材としてのアスタキサンチン
カロリーSlims
公益財団法人 痛風・尿酸財団 食品・飲料中のプリン体含有量
消費者庁 令和6年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書

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