菜の花の栄養と効果はすごい?~食べ過ぎの注意点やレシピも紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
ほのかな苦みと青々とした緑色が特徴の「菜の花」。
春にかけてスーパーなどでパック詰めにされて売っているのを見かけますよね。
じつは菜の花には、他の葉物野菜をもしのぐほど美肌や腸活に役立つ栄養が豊富です。
今回はそんな菜の花の栄養と働きから、加熱・冷凍した時の変化や食べ過ぎの注意点などさまざまな角度からお伝えします。
さらに、菜の花の栄養と相性バツグンな食材を組み合わせた美肌レシピも大公開します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
菜の花の栄養と効果効能
菜の花に含まれる代表的な栄養は以下の4つです。
・葉酸
・β-カロテン
・食物繊維
それでは、それぞれの働きについて詳しくお伝えしましょう。
美肌に効果的なビタミンC
ビタミンCは、肌のハリに欠かせないコラーゲンの形成に不可欠な栄養素です。
また、シミの原因とされるメラニンの生成を抑制する働きも期待できるため、ハリと透明感のある美肌を目指したい方にはぜひ摂っていただきたい栄養素です。
関連記事
ビタミンCの多い食べ物はなにがある?~働き・効果や1日の摂取量も解説~
造血ビタミンの葉酸
血液成分の赤血球を作る際に必要な葉酸は「造血ビタミン」と呼ばれ、成長期のお子さんや妊娠を希望している方、妊娠・授乳中の方にオススメな栄養素です。
抗酸化作用の強いβ‐カロテン
緑黄色野菜である菜の花には、かぼちゃやほうれん草で知られるβ-カロテンを多く含んでいます。
β‐カロテンを摂ることで体内で増え過ぎた活性酸素の抑制につながり、動脈硬化のリスクの低下が期待できますよ。
関連記事
エイジングケアは何歳から始めればいいの?〜生活習慣や肌ケアについて解説~
腸内環境を整える食物繊維
食物繊維は、便秘気味の方にぜひオススメしたい栄養素です。
食物繊維には水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維の2種類があります。
それぞれの特徴と働きは以下の通りです。
不溶性食物繊維:水に溶けにくい。便のかさを増やし、腸壁を刺激して排便を促進する。
菜の花には主に不溶性食物繊維が多く含まれているため、腸の動きが鈍いタイプの便秘にお困りの方にオススメですよ。
関連記事
腸活とは何から始めるとよいのか~簡単なやり方も管理栄養士が解説〜
冷凍しても栄養は変わらない?
文部科学省が提示する「食品成分表」には冷凍した場合の栄養表示がないため、残念ながら冷凍した場合の栄養成分の変化はわかりません。
推測ですが、冷凍することで細胞が壊れて細胞内のカリウムが流れ出るため、カリウムの量は低下する可能性があるでしょう。
加熱するとどうか
茹でた場合、加熱に弱く水に流れ出やすいビタミンC、葉酸、カリウムの値が下がる傾向にあります。
※100gあたり | ビタミンC(mg) | 葉酸(μg) | カリウム(mg) |
菜の花(生) | 130 | 340 | 390 |
菜の花(ゆで) | 44 | 190 | 170 |
ただし、加熱時間が短い・栄養素を含んだ煮汁も一緒に使う・電子レンジを使うような調理法であれば、これらの栄養素の損失も最小限に防げるでしょう。強火でサッと炒める、電子レンジで加熱するなどがオススメです。
また、菜の花に含まれるβ‐カロテンは脂溶性ビタミンの1つで、油と一緒に摂取すると効率よく体内に栄養素を吸収できるため、油を使用した調理法もオススメです。
関連記事
カリウムとはどんな働きがあるのか〜多く含む食品や効果的な摂り方も~
食べ過ぎは注意
菜の花に多く含まれる不溶性食物繊維は便秘の改善が期待できる一方で、水分の摂取が十分ではない状態で摂り過ぎると便が固くなってしまい、逆に便秘の悪化が見られることもあります。
不溶性食物繊維が多い食材を食べる際は、水分を多く摂って便が固くなり過ぎないよう工夫しましょう。
また、1つの食材をたくさん摂ったからといって効果が倍になるわけではないため、はじめから食べ過ぎないよう適量を心がけるとよいです。
蕾が開いていると栄養は減っているの?
文部科学省が提示している「食品成分表」では菜の花の蕾に関する記載がなく、残念ながら蕾が開くことにより栄養が減るかどうかはわかりません。
可能性として考えられることとしては、花が開く際に植物は栄養を必要とするため、蕾が開く前に食べる時と比べて栄養が減っている場合もあります。
そのため、おいしく新鮮な菜の花を選ぶ際は
・切り口がみずみずしい
上記の2点をポイントにするとよいでしょう。
ほうれん草の栄養と比較
菜の花と同じような緑色の野菜として「ほうれん草」を思い浮かべる方も多いですが、栄養はどちらが多いでしょうか。
ビタミンC(mg) | 葉酸(μg) | β‐カロテン(μg) | 食物繊維(g) | |
菜の花(生)※ | 130 | 340 | 2200 | 4.2 |
ほうれん草(生) | 35 | 210 | 4200 | 2.8 |
※菜の花は和種なばな/花らい・茎/生で比較
菜の花は、β‐カロテン以外のビタミンC、葉酸、食物繊維がほうれん草よりも多く含まれています。
体にいいとされる緑黄色野菜の代表格であるほうれん草にも負けないくらい、菜の花には栄養素がしっかり含まれています。
菜の花の栄養を効果的にとれるレシピ
菜の花に多く含まれるビタミンC、葉酸、β‐カロテン、食物繊維それぞれの特性を活かした美肌レシピをご紹介します。
【鮭と菜の花の味噌汁】
・鮭(皮つき) 1切れ
・菜の花 1/2束
・ニンニク 1/2かけ
・オリーブオイル 小さじ1
・だし汁 300ml
・味噌 大さじ1
作り方
①ニンニクはみじん切り、菜の花は2㎝くらいの長さ、鮭を1口大に切る。
②ニンニクとオリーブオイルを鍋に入れて香りが立つまで炒める
③②に菜の花を入れて軽く炒めて鍋から取り出す
④③にだし汁を入れて沸騰したら鮭を入れて火が通るまで煮る
⑤③の菜の花を鍋に戻し、味噌を溶いたら完成
ポイント
・水に溶けやすいビタミンCと葉酸を逃さないために汁物に
・加熱に弱いビタミンCと葉酸のために加熱時間は短め
・β-カロテンは油と一緒に摂ると吸収率アップ
・鮭のコラーゲンは美肌の源
まとめ
菜の花は意外にも栄養素をしっかりと含んだ野菜で
・ビタミンC
・葉酸
・β‐カロテン
・食物繊維
を多く含みます。
その量は、維緑黄色野菜の代表格であるほうれん草をもしのぐ栄養素もあり、美肌や腸内環境改善に役立ちます。
これらの栄養を逃さずに摂るためには
・加熱は短め
・ゆで汁ごと調理もしくは電子レンジ調理
上記のポイントをおさえるとよいでしょう。
菜の花と鮭を使った意外な組み合わせの味噌汁レシピは、菜の花の栄養素それぞれの働きを活かすための工夫を盛り込んでいます。ぜひお試しになってみてください。
栄養がしっかり含まれた菜の花を食卓に取り入れて、健康的な体作りをしながら春のおとづれを先取りしてみてはいかがでしょうか。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
農林水産省 菜の花:農林水産省