レーズンの栄養と効能~健康効果から女性に嬉しい美容効果まで~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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生のぶどう1kgから乾燥することで作られるレーズンは、なんとたったの200g。
これだけ凝縮されたレーズンは、ぶどうの栄養もぎゅっと凝縮されていること間違いないでしょう。実は日本人によって発見された、ぶどうがもつポリフェノールの健康効果も話題となっています。
そこで当記事では、レーズンの栄養や効能について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
レーズンの栄養成分と効能
レーズンはぶどうを凝縮したものなので、少量でも栄養素をしっかり摂取できます。
それではレーズンの栄養素についてみてみましょう。
大切なエネルギー源である糖質
レーズンの糖質は、100gあたり60.3gです。茶碗1杯のご飯(150g)は糖質量が51.9gなので、日頃食べる茶碗1杯のごはんの糖質よりも多いことがわかります。
ちなみに、レーズンに含まれる糖質の種類は果糖とブドウ糖で、素早く吸収される糖質源となります。海外では、アスリートにも利用されているほど。
レーズンは手をほとんど汚すことなく食べられるため、即効性のエネルギー補給を行うための補食として、運動前後にも手軽に利用できそうですね。
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体の細胞のバランスを保つカリウム
レーズンのカリウムは、100gあたり740mgと多いです。カリウムは、細胞内での浸透圧の調整や、筋肉の収縮に関わります。
また、カリウムは運動時に必要な栄養素です。なぜなら、足のつり予防に必要なミネラルの1つだからです。
さらにカリウムは汗で失われやすいため、こまめな補給も求められます。繰り返しになりますが、レーズンは手軽に食べられるため、運動時のカリウム補給にもピッタリといえるでしょう。
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貧血予防に役立つ鉄
レーズンには、女性にとって欠かせない鉄も含んでいます。鉄の多い野菜の代表といえばほうれん草ですが、100gあたりの鉄量を比べると実はレーズンのほうが多いのです。
鉄が不足すると貧血になることはご存じの方も多いと思いますが、貧血に至らないまでも頭痛や疲れやすさに影響が出る場合もあります。
とくに女性においては月経で失われる部分も多いので、間食などでレーズンを手軽な鉄分補給に活用してみてはいかかでしょうか?
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腸内の環境を整える食物繊維
食物繊維には、水に溶ける水溶性と水に溶けない不溶性の2種類が存在します。そしてレーズンには、100g中水溶性1.2g、不溶性2.9gとどちらもバランスよく含んでいます。
これら2種類の食物繊維は、どちらか一方だけよりも両方摂ることが腸内環境を整えるのに必要です。
レーズンは両方の食物繊維が摂れるため、バランスよく補給できるといえるでしょう。
ただし、レーズンには食物繊維以外に糖質を多く含みます。必要な食物繊維をレーズンだけで補給するのではなく、その他の食材からも摂取するようにしてみてください。
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美容効果の高いレスベラトロール
レーズンは、レスベラトロールというアンチエイジング効果のあるポリフェノールを含んでいます。
レスベラトロールはブドウの果皮に含まれる代表的なポリフェノールで、新陳代謝を活発にしたり、しみやしわ改善といった効果が期待されています。また、最近ではヒトを対象とした試験で、動脈硬化予防に効果があるとの報告も。
レーズンはブドウを皮ごと乾燥させているので、このレスベラトロールを余すことなく摂取でき、アンチエイジング効果が期待できるでしょう。
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レーズンは1日何粒食べていい?
レーズンを摂取する場合は、1日100粒以内を目安に摂るとよいでしょう。これはカップ1杯分に相当します。
レーズンを1日1カップ食べた場合の血圧抑制効果などの報告から見ても、1カップ程度の摂取はおおむね問題はないかと言えます。
しかし、間食として利用する際の目安のエネルギー量は1日に200kcal以内です。200kcalのレーズンは約60g程度となりますので、目安にされてください。
繰り返しになりますがレーズンは糖質を多く含む食材でもありますので、毎日摂取する場合は60gよりも少なくしておくことをオススメします。
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糖尿病の人にはどうか
レーズンの摂取と血糖に関する研究によると、レーズンはGI値(※)が低く、糖尿病等の発症リスクを低下させる可能性も示唆されています。よって、糖尿病の方にも活用できる食材と言えるでしょう。
(※)GI(グリセミック・インデックス)値とは、食後血糖値の上がり具合を示す指数のこと。低いほど血糖値の上昇はゆるやかになる。
しかし商品によっては、レーズンに砂糖や油が添加されているものもあり注意が必要です。成分表示をみて、無添加のものを選ぶと安心でしょう。
また間食の有無については、主治医の指示を優先してくださいね。
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レーズンとプルーンの栄養価の違い
同じドライフルーツの仲間で、レーズンと見た目の似ているプルーンとの違いは栄養素の量にあります。
そこで栄養素の量の違いについて、下の表にまとめました。
カロリー | 糖質 | 食物繊維 | カリウム | 鉄 | ビタミンA | |
レーズン | 324kcal | 60.3g | 4.1g | 740mg | 2.3mg | 1μg |
プルーン | 211kcal | 42.2g | 7.1g | 730mg | 1.1mg | 100μg |
*100gあたり
100gあたりで比べると、カロリー・糖質・鉄はレーズンの方が多いとわかります。プルーンは、食物繊維とビタミンAが多いですね。カリウムは、どちらも同じぐらい含まれます。
レーズンとプルーンは、それぞれ摂りたい栄養素や気分によって使い分けるとよいでしょう。
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まとめ
ぶどうの栄養素を凝縮したレーズンには糖質やミネラルが含まれ、抗酸化作用の高いポリフェノールが女性に嬉しい働きを持っていることがわかりました。
とくにぶどうの皮に含まれるレスベラトロールに健康効果が高く、今後のさらなる研究を楽しみに待ちたいですね。即効性のあるエネルギー補給源として、小腹が空いた時の補食などにぜひご活用ください。
それでは当記事が皆様の健康のお役に立てれば幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
レスベラトロールの健康長寿効果について~最近の話題~日本醸造協会誌107巻(2012)10号
Raisin consumption by humans: effects on glycemia and insulinemia and cardiovascular risk factors.J Food Sci. 2013 Jun;78 Suppl 1:A11-7.