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骨粗鬆症を予防するポイントとは?~オススメの食べ物やレシピを紹介~

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骨粗鬆症を予防するポイントとは?~オススメの食べ物やレシピを紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士  松原知香が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

骨粗鬆症は、骨が脆くなり骨折のリスクが高い状態を指します。

万が一骨折した場合にも、治りが遅かったり、将来的には骨折により寝たきりになる可能性も。厚生労働省から示された2022年の国民生活基礎調査によると、要介護になった原因の第3位は骨折・転倒です。

歳を重ねても元気に過ごしたい方は、

・骨粗鬆症のリスク要因を取り除く
・カルシウムやビタミンD・Kなど骨の形成に必要な栄養を積極的に摂る
・骨に軽度の負荷がかかる運動を継続する


上記3つを意識し、日ごろから骨粗鬆症の予防を心がけるとよいです。

そこで今回は、骨粗鬆症のリスク要因や食事・運動の面から骨粗鬆症を予防するポイントについて、詳しくご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

骨粗鬆症の予防は原因を取り除くことが大事

骨粗鬆症にならないためには、まず骨粗鬆症を引き起こすリスク因子の排除が大事です。

日本骨粗鬆症学会から発表されている「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015」では、骨粗鬆症のリスクになりうるものを示しています。

その中でも、取り除けるものと取り除けないものに分けてご紹介しましょう。

骨粗鬆症の予防は原因を取り除くことが大事

表の左にある骨粗鬆症のリスク因子は、生活環境の改善などで取り除けるものです。

食事の見直しや運動習慣をつけることなど、具体的な対策方法については後半でご紹介します。

更年期の女性はとくに注意

リスクを取り除けないものとして、更年期に伴う閉経があげられます。

じつは、女性ホルモンには骨からカルシウムが溶けだすのを抑える働きがあるのです。

そのため、更年期に入り女性ホルモンが減少すると骨からカルシウムが溶けだし、骨が脆くなります。

更年期の始まりはひとそれぞれですが、45歳前後に始まる方が多いため、該当する年齢の女性は骨粗鬆症の予防を心がけましょう。

参考記事:更年期はいつからはじまるの?~症状やいつまで続くのかについても解説~

糖尿病の方は骨折リスクが高い

糖尿病の方は骨折リスクが高い

糖尿病や慢性腎臓病(CKD)は骨粗鬆症を引き起こし、骨折リスクを高めるといわれています。

その原因の一つは、糖化(※)によって作り出されたAGE(終末糖化産物)です。

AGEは骨のコラーゲン繊維を変形させるため、しなやかさを失った骨は衝撃を吸収できずに折れやすくなってしまうのです。糖尿病の方は、骨密度に変化はなくとも骨強度が低下するため、骨折しやすい可能性があります。

また、骨を作る細胞から分泌される物質には、インスリン分泌を促して血糖値を下げる働きがあることもわかっています。

以上のことから、骨の形成と血糖管理には関連性があり、糖尿病の方にとっては血糖値の安定化をはかるためにも骨粗鬆症の予防が大切だといえますね。

(※)糖化とは、体の中の余った糖分がタンパク質とくっついて、体の細胞を劣化させる現象のこと

参考記事:抗糖化とは~老化の原因「糖化」のメカニズムや対策を徹底解説~ 

骨粗鬆症を予防する食事の特徴

骨粗鬆症を予防する食事の特徴

骨の形成には、まず材料となるカルシウムが必要です。

私たちの体のカルシウム濃度は微調整されており、カルシウムの摂取量が減ると骨を分解してカルシウムを補おうとします。骨が分解されるため、当然骨密度は低下し骨が脆くなってしまうのです。

骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムの摂取は欠かせません。

カルシウムを多く含む食材の例としては、以下のものがあげられます。

骨粗鬆症を予防する食事の特徴

上記のような食材を日々の食事に少しずつ取り入れるとよいでしょう。

カルシウム以外の効果的な栄養素

カルシウムはあくまでも骨を作る材料であり、丈夫な骨を作るためにはビタミンDやビタミンKといった栄養素も必要です。

ビタミンDは骨の材料であるカルシウムの吸収を促進する働きがあります。

ちなみに、ビタミンDは軽度の不足であっても骨粗鬆症のリスクが高まるため、日々積極的にとりたい栄養素です。成人の場合、1日あたり8.5μgのビタミンDをとるとよいとされています。

また、ビタミンKの働きは骨の形成を促す物質を活性化させることです。

骨粗鬆症の治療薬としてビタミンKの一種が使われていることからも、骨の形成に重要な栄養素だといえます。成人の場合、1日あたり150μgのビタミンKをとるとよいとされています。

ビタミンD、ビタミンKを多く含む食材は以下のとおりです。

カルシウム以外の効果的な栄養素

 

サプリメントだけに頼り過ぎない

食事だけで栄養素を摂り切れないため、サプリメントの活用を検討する方もいらっしゃいますが、その場合は量に注意しましょう。

海外では、カルシウムサプリメントの多量摂取により心血管疾患のリスクがあがるという報告もあります。ただし、あくまで海外の報告になるため必ずしも日本人にあてはまるわけではありません。

とはいえ、食事でもしっかり摂ったうえでサプリメントを過剰に摂取するのは避けたいところ。そこでサプリメントでカルシウムを補う場合は、1日500mg以上にならないよう注意するとよいでしょう。

食べてはいけないものはあるの?

骨粗鬆症を予防するうえでは、カフェインやアルコール、加工食品に含まれるリンは摂り過ぎないように注意しましょう。

これらは、カルシウムやその他骨を作る栄養素の吸収を邪魔する働きがあります。

たとえばアルコールの場合、1日ビール缶(350ml)を2本以上飲み続けると、骨折リスクは1.38倍に高まるといわれています。

骨粗鬆症へ不安がある方は、上記が入った食品の食べる頻度を抑えるよう意識するとよいです。

運動による骨粗鬆症の予防効果

骨粗鬆症の予防は運動を取り入れると効果的

骨粗鬆症予防に運動が有効であることは、数々の研究から示されており、なかでも閉経後の女性に効果があるとされています。

閉経後に骨量が減少したり骨粗鬆症になったりした方が、1日8000歩、週3日のウォーキングを1年間継続すると、腰椎骨密度が1.71%上昇したという研究結果があります。

閉経は、骨粗鬆症のリスクでも取り除けないものになるので、運動により予防できるのは大変心強いですね。

参考記事:歩数を意識してカロリーを消費しよう〜運動の目安や続けるコツを解説〜

骨はダメージを受けると強くなる

運動によって骨密度が上昇する理由は、骨にダメージを与えて新しい骨を作るように促せるからです。

最近の研究により、負荷運動は骨形成を促すホルモンの分泌を促すことが明らかになりました。

まだすべてが明らかになったわけではありませんが、運動が骨を強くすることは過去のさまざまなデータからも示されています。

ウォーキングなど骨や筋肉に負荷のかかる運動を習慣化すると、骨粗鬆症の予防へとつながるのです。

骨粗鬆症予防に効果的なレシピをご紹介

骨粗鬆症を予防する際にとりたいカルシウム・ビタミンD・ビタミンKを含む食材を使った、簡単レシピをご紹介します。

火を使わずレンジで調理するので、料理が苦手な方でも作りやすいですよ。

【レンジで簡単!骨太チーズオムレツ】

骨粗鬆症予防に効果的なレシピをご紹介

【材料~2人前~】
・卵      2個
・きのこ    30g
・しらす干し  20g
・ほうれん草  30g
・サラダ油   適量
・塩コショウ  適量
・ピザ用チーズ 20g
・ケチャップ  お好みで


【作り方】
①ほうれん草は2㎝幅、きのこはほぐして保存容器に入れ、サラダ油を入れたらラップをかけて500w40秒加熱する
②①に卵を入れてほぐし、しらす干しと塩コショウを入れたら500w2分30秒加熱する
③時々電子レンジから取り出してかき混ぜる
③ラップをひいた上に②を出し、ピザ用チーズをのせたら半分に折りたたんで形を整えるようにラップを巻く
④お皿に盛りつけてケチャップをかければ出来上がり

 

【ポイント】
・保存容器は少し大きめのものを選ぶと扱いやすい
・ビタミンD・ビタミンKは油と一緒にとると吸収されやすいのでサラダ油を加えて調理する
・チーズをのせるときはできるだけアツアツのうちに作業する

まとめ

骨粗鬆症は骨が脆くなり骨折しやすくなるだけではなく、骨折により将来要介護になるリスクをあげる原因になるため、早いうちから予防や対策を行いましょう。

喫煙や運動不足など骨粗鬆症になりうる原因を排除し、さらにカルシウムやビタミンD・Kといった骨に必要な栄養素を日常的にとることが大切です。

一方で、女性は閉経により骨密度が下がりやすいため、普段から運動習慣をつけるなど、より注意するとよいですよ。

また、ご紹介したレシピは骨作りに必要な栄養素を効率的にとれる方法で調理していますので、ぜひ一度お試しください。

それでは、当記事の情報があなたを骨粗鬆症のリスクから守る手助けになれば幸いです。 

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

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【参考文献】
厚生労働省 e-ヘルスネット 国民生活基礎調査 Ⅳ 介護の状況
国立循環器研究センター 
荷重負荷(姿勢や体重により骨にかかる力)で増加して骨形成を促進する骨膜ホルモンの発見
公益社団法人健康長寿科学振興財団 健康長寿ネット

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版

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