なめこの栄養と効果~食べすぎ注意?食べ合わせについても解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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味噌汁の定番食材であるなめこ。一年中手に入りますが、なめこの旬は9月~11月で秋においしい季節を迎えます。
低カロリーでありながら栄養豊富で体にいいと言われるなめこですが、どのような健康効果が期待できるのでしょう?
今回は、なめこの栄養とその効果、さらに食べ合わせについても解説いたします。
気になる保存法や簡単レシピなど、今日から食卓になめこを取り入れたくなる情報もご紹介しますので、ぜひご覧ください。
目次
なめこの栄養と効果
なめこには食物繊維・カリウム・ビタミンDといった栄養素が含まれます。
きのこが体にいいという話はよく聞きますが、なめこに含まれる栄養素にはどのような効果があるのでしょうか?解説していきます。
便通をよくする食物繊維
きのこの類であるなめこには、食物繊維が豊富に含まれています。
スーパーなどでよく見る袋詰めされたなめこは1袋約100gで、食物繊維は1.9gです。
食物繊維の主な働きというと、便通をよくする作用が思い浮かぶでしょう。
しかし、食物繊維の中には便通以外に新たな影響があるとして研究されている点もあります。
その一例としてβグルカンがありますので以下、説明いたします。
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さまざまな可能性を秘めるβグルカン
最近注目されているβグルカンは食物繊維の一種です。
βグルカンは糖やコレステロールが、腸から吸収されるスピードを緩やかにする働きがあります。
それにより、血糖値や血中コレステロール値の上昇を抑える作用が期待できるのです。
また最近では体の中で最大の免疫機関である腸の細胞に、直接はたらきかけることが分かっており、今後の研究結果にも期待が高まっています。
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むくみ解消にカリウム
生野菜に多く含まれるカリウムは、顔や足の気になるむくみ解消に効果的です。
私たちの体は、塩分の多い食事をとると体内の塩分濃度が上がり、それを下げるために水分をため込みます。これが、いわゆるむくみです。
カリウムには、余分な塩分と一緒に水分を排出する働きがあり、高めの血圧を下げることにも役立ちます。
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骨を強くするビタミンD
なめこをはじめ、きのこにはビタミンDが含まれています。
骨といえばカルシウムですが、ビタミンDも骨には欠かせない栄養素です。
ビタミンDは、骨や歯を強くしたり血液中のカルシウム量を一定に保つ働きがあります。
骨密度が気になる方は、カルシウムを含む食材と一緒に食べると骨を丈夫にできますよ。
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食べすぎると胃が痛いって本当?
なめこには食物繊維が豊富なので、一度にたくさん食べすぎると消化する際胃に負担がかかってしまい、結果的に胃が痛くなる場合もあります。
なめこを食べる時は、スーパーなどでよく見かける真空パック詰めされているなめこ1袋程度を、一回の目安に考えるとよいでしょう。
また調理の際加熱が不十分だと、お腹を下してしまうかもしれません。
なめこは高温多湿で栽培されており、さまざまな菌が付着しているため食べるときはよく火を通す必要があります。
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食べ合わせが悪いものはあるのか
なめこと一緒に食べるとお腹を壊すといった食材はないようです。
逆に、なめこと一緒に食べることでより栄養が吸収されやすくなる食材はあります。
たとえばカルシウム豊富なしらすは、なめこに含まれるビタミンDの働きにより、体への吸収がよくなるといわれていますよ。
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なめこの賞味期限は短い?
なんとなく日持ちしないイメージのなめこですが、まさにその通りでなめこは賞味期限が2~3日しかありません。
理由は先ほども触れましたが、なめこにはさまざまな菌がついているためで、常温で保存すると雑菌の繁殖により食中毒になる可能性があります。
買ったら冷蔵庫で保存し、早めに食べきるとよいでしょう。
日持ちする保存方法はあるのか
なめこに限らず、きのこ類は冷凍保存がオススメです。
きのこは冷凍することでうまみ成分が増すといわれています。日持ちするうえにおいしくなるので、食べきれない分はぜひ冷凍保存してみてください。
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なめこの栄養を効果的に摂る食べ方
なめこに含まれるどの栄養素を効率よく摂りたいかによって、調理方法は異なります。
たとえばむくみ解消が期待できるカリウムは、水に溶けやすい性質があります。そのため、効率よく摂るためにはスープなど汁ごと食べるレシピがオススメです。
また、ビタミンDは油に溶けやすいため炒め物に使ったり、スープにした時も盛り付けの最後に油を加えるといったひと工夫をするとよいでしょう。
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なめこを使ったヘルシーレシピ
【なめこの中華風あんかけ茶碗蒸し】
・卵 2個
★鶏ガラスープのもと 小さじ2
★ラカント 小さじ1
★水 90ml
★塩コショウ 少々
(なめこあんかけ)
・なめこ 1袋
・カニカマ 1本
・醤油 小さじ2
・酢 小さじ1
・ラカント 小さじ1
・水 100ml
・片栗粉 小さじ1
・ゴマ油 適量
【作り方】
①卵をよく溶いて★を加える
②①を器に入れ、アルミホイルで蓋をしたら鍋に並べ熱湯を入れる
③蓋をして弱火で5分加熱、火を消して3分放置する
④小鍋にあんかけの材料を入れて、煮立ったら水溶き片栗粉でとろみをつける
⑤器になめこあんかけを入れてゴマ油をたらしたら完成
【ポイント】
・低カロリー&低糖質だけどたんぱく質も摂れてダイエット中にオススメ
・汁ごと使い、油もかけてなめこの栄養を効率よくとれる工夫も満載!
まとめ
安くてヘルシーななめこは食物繊維が豊富で、最近注目のβグルカンを含んだすごい食材であることがわかりましたね。
他にもカリウムやビタミンDなど、私たちの健康な体つくりに欠かせない栄養素も含んでいます。
ただし、賞味期限が短い食材でもあるため、買ったら早めに食べきりましょう。もし余ってしまったら、冷凍保存するとうまみもアップして一石二鳥ですよ。
また、今回ご紹介したレシピはなめこのレパートリーに困ったときぜひ作っていただきたい一品です。なめこといえば和食のイメージですが、味付けを変えるだけでガラッと印象が変わりますよ。
それでは、当記事を参考に健康な体づくりの一環としてなめこを活用していただければ幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
農林水産省 詳しく知って楽しく食べよう!おいしいきのこ図鑑